【考察】偶然のバズか、必然の設計か。世界的ヒットを記録した6作品から読み解く爆発の法則
「超売れる秘訣なんて再現性はないです」以上!w になるんだけど、この記事は、「めっちゃカメレオン」に限らず、「現代のインディーゲームの爆発ヒットには、こういう共通構造があるのではないか?」という仮説を立ててえ、市場を作り上げた作品を調査してみた結果だけ書いています。
(いや、記事を書いていて、最後に共通法則を見つけた)
ただ今回は、良い作品だが企業努力や PR努力の功績が大きくてスマッシュヒットしたタイトルは除外しています。
調査対象は、「めっちゃカメレオン」みたいな、市場を1つ作ってしまう、新カテゴリーのお手本になっているところまで突き抜けてしまったタイトルを対象に記事を構成しています。
もちろん、時代背景も違えば、ヒットの法則も異なるので一概には言えないですが、気になるものは一旦調べてみようということで書いていますので、参考程度にご覧ください。
新カテゴリを開拓し、お手本になったカメレオン
前回、めっちゃカメレオン300万本ヒットの前に何が起きていたのか?を分析する記事を書きました。色々調べてみると、これはもう約4年ほど前からのトライ&エラー作品の過程で生まれたビッグヒットだった痕跡が、インタビュー記事からも明らかになりました。
めっちゃカメレオンは現在も爆発的に売れ続けていて6/22時点で700万本だったから1000万本は余裕で行きそうな勢いです。
これはもう間違いなく、新しいジャンルのお手本になりはじめてもいますが、今回はそんなジャンルの教科書とまで言われる作品をいくつか調査してみますた。
過去そのように特定ジャンルのお手本になったタイトルは、発売前はどうだったのか。そもそも開発者はどういう試行錯誤やどういうプロフィールと資産を持ってトライ&エラーしたのか。その部分を掘り下げてみたいと思っている。
そこで今回は、独断と偏見で市場を切り拓いた好きな作品をいくつかピックアップして考察してみる。『Vampire Survivors』『Slay the Spire』『8番出口』『めっちゃカメレオン』、ここに追加して2024〜2025年に爆発した『Balatro』と、規模感は違えど個人的にも思い入れのある『Clair Obscur: Expedition 33』を加えた6作品で構成。
これらの作品はすべて、結果として「新ジャンルのパイオニア」になり、新カテゴリの「命名権」を取った作品だったと言われている。
「Vampire Survivors-like」「Roguelike Deckbuilder」「8番ライク」、それぞれがWikipediaの独立ジャンルページやメディアの特集として定着しつつある。
また、『めっちゃカメレオン』などが属するカジュアルな協力ゲーム群も、コミュニティの一部で“friendslop”のような呼称で語られ始めている。
もちろん、これは大ヒットした後の「結果論」だとも言える。
「新ジャンルの命名権を取ればヒットする」のではなく、「圧倒的にヒットした結果として、命名権を得た」というのが正しい順序だ。これをそのまま真似して再現できるかといえば、答えは間違いなく「NO」だ。
しかし、「結果論だから参考にならない」「彼らは運が良かっただけ」で片付けてしまうのはもったいない。発売前にどういう準備をして、どういうプロダクトを作り上げて、どういう点が注目されて今の結果ができたのか。
別業界からの視点でも読み解いた上で、共通点や、私たちができることはないかを考察してみた。再現性は限りなく低いかもしれないが、それでもヒントにはなるかもしれないので、探った結果を私なりの視点で書いてみることにする。
結論(仮説):爆発ヒットを当てた人の5つの共通点
こんなの書こうと思えばいくらで整理できるけど、とりあえずまとめます。
「いきなりヒット」は表面の話。裏側には必ず長期の蓄積がある
ジャンルとして求められている領域に、求められている遊びで応えている
そのジャンルの最高峰と言えるクオリティまで磨き込んでいる
結果として「新カテゴリ」を生み出し、その命名権を取っている
海外メディアの連鎖記事が、注目度と熱中度を継続させている
5つは別々の動きに見えるが、全部が「閉じた個人の閃きだけでは、爆発ヒットにはならない」という、同じ構造を裏から照らしている、と私は見ている。
そして、この5つの共通点を読み解く上で、最も重要な構造の公式がある、とも言える。それは、
「うっすらした未命名の飢餓感」 × 「そのジャンルの最高峰クオリティ」 = 「市場の誕生」
「うっすらしたニーズ」というのがポイントで、これは「明確な需要」ではない。明確な需要があれば、大企業がとっくに埋めている。「なんとなく物足りない」「あったら良いのに」「でも言語化できていない」という、まだ誰も名前をつけていない飢餓感のことを指している。
そこに、「そのジャンルの最高峰(決して完成され過ぎなくて良い、求められるニーズを満たせる範疇)」と言えるクオリティのプロダクトが飛び込むと、二つのことが同時に起きる。
1つは、「そうそう、これが欲しかった」という需要の顕在化。プロダクトが出て初めて、人々は自分が何を求めていたかを理解する。
もう1つは、「これがそのカテゴリの名前だ」という命名の発生。これはむしろプラットフォームとかメディアが割とそうしがちな風習ではあると思っている。結果、後発が出た時に「あれの○○版(○○ライク)」と言われる。つまり、プロダクトがカテゴリ名になる。
ちなみに焼肉ライクは米がうまい。
逆に言えば、「うっすらしたニーズ」はあるのに、クオリティが「平均的に良い」レベルで止まると、需要は顕在化しない。「まあまあ良いね」で終わって、カテゴリにはならない。
順番に書いていこう。
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