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「本音」は喉の奥で渋滞して迷子になる

本音って、喉の奥に集まってから
たまに「迷子」になることがある。

まるで「どこから出ればいいんだっけ?」と
出口を見失った言葉がうろうろするみたいに。

そのあと、本音はさらに形を変える。

言葉ではなく、顔や体のどこかに
ふいっと飛び火するように現れてしまうのだ。

その場合は、こっちが気づく前に、
相手に先に見つかってしまうことさえある。

本音はかくれんぼが苦手だ。

「言えばいいのに」
「言わなきゃ伝わらないよ」

そんなこと、200%わかっている。

でも——
本音はいつも“出口渋滞”を起こす。

カチカチカチカチ。

喉の奥で、
車のハザードみたいに点滅しながら、
行こうか戻ろうか、行ったり来たりしている。

たとえば、
「会いたい」と言いたいとき。

胸の奥がじわっと熱くなる。
息を吸った瞬間、言葉になりかけた気持ちが
やわらかい壁にふわっとぶつかる。

「これ言って嫌われたらどうしよう」
「重いと思われる可能性あるかな」
「一旦、持ち帰りましょう!」

——会議、中断。

その数秒で、本音は急カーブを曲がって
別の道へ走り去っていく。

本音を口にするって、案外むずかしい。
勇気がいるし、ときには少しの覚悟もいる。

そして——
ほんの少し“自分を愛する力”も必要だ。

なぜなら、本音って
相手への気持ちであると同時に、

「こんな私の、まるごとを受け取ってくれるだろうか?」

という“自分への問い”でもあるからだ。

本音を言うということは、
相手に向かって橋をかけるようでいて、
まず自分の足元に
小さな土台をそっと置く作業でもある。

——だいじょうぶ。
結果と私の価値は別物。
嫌われても、私は私。
この気持ちを大切にしていい。

ふと、そんな声を胸の奥で聞きながら、
前に進む。

本音って、言えないから弱いんじゃない。
大切だからこそ、喉の奥で立ち止まってしまうのだと思う。

ある日、上手く言葉にならないまま、
相手に本音を伝えてみた。

スラスラと出てくる建前が一通り終わってからが、本当のスタートだった。
そこから、胸の奥でじっと待っていた「本音」が、ようやく私の出番だとゆっくり歩き出す。

その瞬間、胸の奥で固まっていた塊が、
あたたかい空気に溶けるようにすっと消えた。

その“間”がやさしくて、空気が少しだけ温かくなって、言葉より先に涙がこぼれそうになった。

気づいたのは——
本音は完璧じゃなくていいということ。

正しい言い方じゃなくてもいい。
途中で詰まっても、震えてもいい。

大切なのは、
心の渋滞を、ほんの少しだけ前に動かすこと。

「全部言えた」でなくていい。
「少し言えた」で十分すぎる。

その少しの勇気が、
喉の奥で立ち往生していた気持ちを
やさしい場所へ連れていってくれる。

今日も胸の奥の言葉たちは、
ぼんやり赤いテールランプを灯しながら
静かに順番を待っている。

ときどきクラクションが鳴るかもしれない。
でも、慌てなくていい。

あなたの心が準備できたとき、
その渋滞は、きっと少しずつ動き出す。

——ただし、エンジン全開で本音をベタ踏みすると、相手がビックリして衝突する場合があるので注意。

渋滞解消のあとは、どうか安全運転で(笑)

あなたの日常が多幸感で包まれますように。

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YUTA FUJIWARA  /  紡ぎ屋 凪 多幸感は、きっと分け合うほど静かに循環していくもの。 今日、あなたの中に小さな光や気づきが生まれたなら、 チップという形でそのぬくもりのバトンを繋いでもらえると嬉しいです🌈