介護職って本当にきつい?働いてみて感じたリアル
「介護職ってきついんでしょ?」
介護の仕事に興味を持ったとき、たぶん多くの人が最初に気になるのはそこだと思います。
実際、介護職は楽な仕事ではありません。
体力も使うし、責任もあるし、精神的にしんどくなる日もあります。
だから「きつい」と言われる理由も、働いてみるとよく分かります。
でも、5年以上介護の現場で働いてきた私が思うのは、介護職はただ「きつい」の一言では片づけられない仕事だということです。
私はこれまで、特別養護老人ホームで働き、その後グループホームを経験し、また特養に戻ってリーダー、そしてユニットリーダーとして働いてきました。
(全部1つの施設内での異動です)
その中で感じたのは、たしかに大変なことはあるけれど、昔のイメージのままで語れる仕事でもない、ということです。
今回は、実際に働いてみて感じた介護職のリアルについて、正直に書いてみたいと思います。
介護職は「きつい」と言われる理由
介護職がきついと言われるのには、ちゃんと理由があります。
まず大きいのは、やっぱり体力面です。
入浴介助、排泄介助、移乗介助など、日々の業務の中で体を使う場面は多いですし、勤務中ずっと動き続ける日も珍しくありません。
それに加えて、夜勤や早番・遅番といった不規則な勤務もあります。
生活リズムが崩れやすく、慣れるまではそれだけでも大きな負担になります。
さらに、介護の仕事は身体介助だけではありません。
利用者さん一人ひとりに合わせた関わり、記録、申し送り、家族対応、職員同士の連携など、見えていない仕事も多くあります。
「思っていたよりやることが多い」と感じる人は多いと思います。
そしてもう一つ大きいのが、責任の重さです。
介護は、利用者さんの生活や安全に直接関わる仕事です。
何気ない判断や声かけ一つが、その人の安心や事故防止につながることもあります。
だからこそ、ただ忙しいだけではなく、「気を抜けないしんどさ」があります。
実際に働いてみて「きつい」と感じたこと
私が最初にいちばん苦労したのは、利用者さんとのコミュニケーションでした。
介護の仕事というと、まずは介助技術が大事だと思われがちです。
もちろんそれも大切ですが、実際に働いてみると、それ以上に「その人にどう関わるか」が難しいと感じました。
どんな声かけなら安心してもらえるのか。
どのタイミングで話しかければいいのか。
距離感は近すぎないか、逆に冷たくなっていないか。
そういうことが分からないうちは、毎日が手探りでした。
特に未経験の頃は、「これでよかったのかな」と不安になることが多かったです。
やり方だけではなく、人としてどう接するかで悩むことのほうが多かった気がします。
そして、働く中でいちばんきつかったのは、体力面以上に責任の重さでした。
介護の現場では、ちょっとした見落としや判断ミスが、大きな事故につながる可能性があります。
だからこそ、ミスやヒヤリハットの後は本当に気持ちが重くなります。
実際に私も、ヒヤリハットの後に「もう無理かもしれない」と思ったことがありました。
体が疲れるというより、気持ちのほうが先に折れそうになるんです。
帰ってからもその場面を何度も思い返してしまって、「自分は向いていないんじゃないか」と落ち込むこともありました。
介護職のきつさ
介護職のきつさは、単純に忙しいとか大変というだけではなく、こういう責任の重さからくるしんどさも大きいと思います。
ただ、実際に続けてみて分かったのは、最初に感じていたしんどさが、ずっと同じまま続くわけではないということです。
まず、仕事は慣れてくると少しずつ回せるようになります。
最初は一つのことで頭がいっぱいでも、経験を重ねるうちに流れや優先順位が見えてきます。
何を先にやるべきか、どこで周りに声をかけるべきかが分かるようになるだけでも、気持ちはかなり楽になります。
それから、思っていたより大きかったのが、職場の先輩や仲間の存在です。
介護は一人でやる仕事ではなく、チームで支えながら進める仕事です。
私自身、先輩に助けてもらったことは何度もありますし、そのおかげで続けてこられた部分はとても大きいです。
「困ったら相談していい」
「一人で抱え込まなくていい」
そう思えるだけで、仕事のしんどさはかなり違います。
最初は大変でも、慣れてくること、支えてくれる人がいること、この二つは介護職を続ける中で本当に大きいと感じています。
介護職は昔のイメージのままではない
介護職は、昔はよく「3K」と言われていました。
きつい、汚い、危険。
そういうイメージを持たれやすい仕事だったと思います。
たしかに、今でも簡単な仕事ではありません。
大変なことはありますし、現場の忙しさがなくなったわけでもありません。
でも、実際に働いてきた立場からすると、今の介護職は昔のイメージだけで語れる仕事ではなくなってきているとも感じています。
たとえば勤務時間です。
以前は、少し早めに来ることや、勤務後に残ることが当たり前のような空気を感じる場面もありました。
でも今は、そういった部分もかなり改善されてきています。
むしろ最近は、「早く帰っていいよ」と言われたり、残らないように声をかけられたりすることもあります。
有給についても、昔よりずっと取りやすくなっていて、「消化しないといけない」という意識が現場にも出てきています。
もちろん職場によって差はあると思います。
それでも、以前に比べると働き方への考え方が確実に変わってきているのは感じます。
給与面についても同じです。
ものすごく高給な仕事になった、とは正直言えないかもしれません。
でも、私が新人だった頃と今の新人さんたちを比べると、印象はかなり違います。
基本給だけを見るとそこまで大きく変わっていない部分もあるかもしれません。
ただ、手当は以前よりかなり増えていて、初任給として受け取る金額の感覚は、私の頃とは全然違うなと思います。
だからこそ、介護職を昔の厳しいイメージだけで見てしまうのは、少し違うのではないかと思っています。
介護職を続けて分かった「きつさ」の正体
介護職を続けてきて思うのは、介護のきつさは単純に「仕事が大変だから」だけではないということです。
私の場合、最初の頃に感じていたきつさの多くは、
慣れていなかったこと
責任を一人で抱え込みすぎていたこと
この二つが大きかったように思います。
もちろん、仕事自体が楽になるわけではありません。
でも、経験を積んで仕事の流れが分かってくると、最初の頃とはしんどさの質が変わってきます。
それに、介護は一人で全部背負う仕事ではありません。
周りに相談すること、助けてもらうこと、役割を分担することも含めて仕事なんだと分かってからは、気持ちがかなり変わりました。
「全部自分でやらなきゃ」と思っていた頃は、本当に苦しかったです。
でも今は、頼ることも必要だし、それが結果的に利用者さんのためにもなると思えるようになりました。
介護職のきつさの正体は、仕事内容そのものだけではなく、慣れないまま責任を抱え込みすぎることにもあるのだと思います。
それでも介護職を続けている理由
それでも私が介護職を続けているのは、やっぱり職場や仲間に支えられてきたからです。
介護の仕事は、しんどい日があるのが前提みたいなところがあります。
疲れる日もあるし、落ち込む日もあります。
でも、そんな時に声をかけてくれる人がいたり、自然にフォローしてくれる人がいたりすると、「自分だけじゃない」と思えます。
これは本当に大きいです。
仕事そのもののやりがいだけではなく、支え合える人たちがいることが、続けられる理由になっています。
私自身、特養、グループホーム、そしてまた特養へ戻り、リーダーやユニットリーダーとして働く中で、いろんな立場を見てきました。
その中で強く感じるのは、介護の仕事は一人の力では成り立たないということです。
大変な仕事だからこそ、支え合える環境や仲間の存在がすごく大事です。
そして、そういう職場で働けること自体が、この仕事を続ける理由になっていると思います。
結局、介護職は本当にきついのか?
結論から言えば、介護職はきつい部分のある仕事です。
これはきっと間違いありません。
でも、それだけで終わる話でもありません。
昔のように「3K」のイメージだけで語るのは、今の現場とは少しズレていると思います。
働き方も、待遇も、少しずつですが確実に変わってきています。
勤務時間の考え方や有給の取り方も以前とは違いますし、新人さんの手当などを見ても、私の頃とは環境が変わってきているのを感じます。
もちろん、すべての職場が理想的というわけではありません。
大変なことがあるのは事実です。
それでも、昔のイメージだけで「きつそうだから無理」と決めてしまうのは、もったいない気がします。
私の答えは、
「きつい部分はある。でも、昔のイメージだけで判断する仕事ではない」
です。
これから介護職を考えている人へ
これから介護職を考えている人に伝えたいのは、介護職は決して楽な仕事ではない、ということです。
体力も必要ですし、責任もあります。
気持ちがしんどくなる日もあると思います。
でも一方で、「きつい」という言葉だけで判断してしまうのも違うと思っています。
実際に働いてみないと分からないことはたくさんあります。
向いているか向いていないかも、最初から全部分かるわけではありません。
私自身も、最初から余裕があったわけではなく、悩みながら少しずつ続けてきました。
その中で、慣れてくること、支えてくれる人がいること、働く環境が少しずつ変わってきていることも知りました。
だからこそ、昔のイメージだけで介護職を見てほしくないなと思います。
もし今、介護職が気になっているなら、
「きついかどうか」だけではなく、
自分がその仕事の中で何を感じるか
も大事にしてみてください。
やってみて初めて分かることは、きっとあります。
