55歳、週2回の社会復帰で出会った残念すぎる人〜血液型まで聞かれて苦笑い〜
ここ数日、新しいパートを始めた。
週2回だけ。
理由は83歳の母の生活が、ようやく少し落ち着いてきたからだ。
要介護1の母のことでここ数年はバタバタしていたが、なんとか生活が回り始めた。
「又また少しだけ社会とつながりたい」
そう思い、自分の体力と相談した結果が週2回のパートだった。
以前のような責任の重い仕事は難しい。
母のこともあるので、何かあればすぐ動ける環境がいい。
そしてもう一つ。
仕事を辞めてから、更年期の代謝の低下もあり、人生で見たことのない体重を絶賛更新中である。
これはまずい。
ならば体を動かす仕事にしよう。
そんな理由で決めた仕事だった。
派遣会社で面接を受け、前職の経験なども踏まえて紹介された職場へ。
そして今週、初出勤。
汗に強いメイクを施し、汗対策も万全。
少し早めに現場へ向かった。
最初はスタッフさんがつきっきりで教えてくれたので、とても助かった。
問題はその後だった。
私は60代くらいのベテラン女性とコンビを組むことになった。
仮にSさんとしよう。
スタッフさんが説明している横から、
「あれやった?」
「これは聞いてないの?」
「今何してたの?」
次々と横槍が入る。
広い建物の中で少し迷っていたら、
「もしかして方向音痴?すぐ分かったわ…」
と言われた。
嫌味なのか、笑うところなのか。
判断に困る微妙な一言が絶え間なく飛んでくる。
しかもSさんは、眉間に常に力が入っていて、深い皺を刻んでいる。
その表情も相まって、ものすごいベテラン感なのだ。
久しぶりだった。
こういう人。
どこの職場にも一人はいる人。
つい先日まで、夫と夕飯を食べながら
「最近怒ることが本当に少なくなったね」
なんて話していた。
それが懐かしく思えるくらい、私は久しぶりに感情が揺れた。
言われっぱなしも悔しいので、思い切って言ってみた。
「初日なのでご迷惑をおかけしてすみません」
「私は週2回しか入れないので、また教えてください」
「Sさんは最初からすぐ覚えられたんですか?」
すると、
「みんな最初はそうだよ!」
とのこと。
いやいや。
だったら今の攻撃は何だったのだろう。
そう心の中でツッコミを入れた。
その後もSさん節は終業まで続いた。
さらに驚いたのは、私の仕事ぶりを見て
「大雑把な感じだけど、もしかして血液型O型?」
と聞いてきたことだ。
残念ながら私はB型である。
そう答えると、
「へぇー、B型でもいるんだ…」
との返事。
いや、それもう何の統計なのだろう。
思わず心の中で、
「それ、もはや何かのハラスメントだから!」
と叫んでしまった。
昭和や平成なら笑い話で済んだのかもしれないが、Sさんはなかなかの強者である。
でも実は私、こういう人に出会った時に決めていることがある。
その人には何も期待しない。
自分の中の「残念な人ランキング」にそっと登録して、「あぁ、この人はこういう残念な人なんだな」と思うようにするのだ。
腹を立てるより、ちょっと馬鹿にして面白がる感じだろうか。
今回も心の中でランキング入り決定である。
令和世代なら泣いちゃう案件である。
ふぅ。
仕事で疲れるのはいい。
体を動かすために来ているのだから。
でも、仕事よりSさんで疲れる。
そんな一日だった。
後日、派遣会社の担当者と話す機会があったので、何気なく聞いてみた。
「Sさんって、ここ長いんですか?」
あの貫禄である。
てっきり何年も勤めている人だと思っていた。
すると担当者が言った。
「同じ職種の経験はいろいろあるみたいですけど、ここに入社されたのは2か月前くらいかな?」
え〜!?
その日、一番笑った。
短っ!!
あのベテラン感は何だったのだろう。
人生経験と職歴がにじみ出ると、人は入社2か月でもあそこまで堂々と見えるのかもしれない。そしてあの口ぶり…
ただ、帰宅してから思った。
社会復帰というのは、仕事を覚えることだけではない。
こういう人とも、また出会うということなのだ。
55歳。
人生経験は積んできたつもりだったけれど、久しぶりに「人間関係」という科目を履修している気分である。
さて、来週もSさんは元気だろうか。
私は汗対策と一緒に、心の防御力も少し高めて出勤しようと思う。
