ずっと高2 #016『B-CASカード』
「アイドルなぁ…」
「何、どしたん」
「ネットで見掛けるしTVでもよう出るけど
イマイチ興味無いねんな」
「今でもそうなんや」
「うん」
「俺、AKBの篠田麻里子可愛いと思うけどな」
「まぁなー、けど可愛いと思う止まりやろ?」
「そんなもんやな」
「チケット買って観に行くとか無いやろ」
「せやな」
「今の歳なってもそうやわー」
「そこ変わらんねんな。けどその歳でアイドルの
追っかけやってるんキツいで?」
「あー、推し活?」
「推し活って何?」
「まぁ、追っかけみたいなもんやわ。
けど今の時代ではどんな人でもアイドル好きを
公言してても全然おかしくないねん、
アニメめっちゃ好きですとかも」
「そうなん!?」
「うん、ギャルでもヤンキーでもアニメ
観てるわ、おっちゃんでも普通に」
「何それ…ヤバいな今」
「変わったんよなー、時代が」
「へー……変な時代…」
「好きなアイドルは別に居らんかっても、誰でも
どんな年齢の人でも “このアニメ好きやねん”
くらいは全然あるわ」
「マジで?」
「うん、俺もあるし」
「きっしょ!アニヲタやん!
35歳なったら俺アニヲタなるんや!きつ!!」
「うるさい、何かちゃうねん、映画と音楽と
ゲームに並ぶくらいの普通のみんなの趣味に
もう今はなってんねん」
「マジかぁ、ハルヒとからき☆すたとか
けいおん!とか観てますって人おったら
ちょっとだけ “うわ…” ってなるんやけど」
「いや、それが全くそうでもなくなるよ。
けど、お前もウルトラマン好きやろ?」
「まぁ、めっちゃ好きやけど」
「それとそない変わらん。
…ティガよ、なぜ戦う?何の為なんだ!」
「ティガーーーーッ!!」
「オタクやん」
「黙れ!ちゃうやん激アツやんあのシーン!
ダイゴが唯一名前を叫んで変身するシーンやん!」
「せやけども!アレはすごい。熱いよな。
…そんな感じで反応してアニメのことを公の場で
語り始めても恥ずかしくないねん、もう」
「そうなん!てかティガめっちゃ
観たなってきた!」
「お!最近U-NEXT出始めたからな…」
「……ウェェーーーーイ…」
「ええやろ」
「観よ!観よや!」
「とりあえず第一話か!」
「おん!」
「あ、何かつまみたいなー」
「ええなー」
「ポテチはあんねん…
あ、ドクターペッパー無いけど三ツ矢サイダー」
「あ、最高」
「ごめ、ティッシュある?」
「うん、はい」
「…一枚二枚取るんじゃなくて箱で渡す癖
変わらんなぁ」
「何やねんな」
「お前は俺やからな」
「きっしょ」
「黙れ!はい、観るで!観るで!」
「トイレ!」
「はよ行け、あ、ウルトラマンダイナもある!」
「あーーーー、捨てがたい!一旦トイレ!」
「うん………ん?
B-CASカードが何?
…ちゃんと差さってへんやつやん!」
「なにー?」
「あー、大丈夫、大丈夫ちゃうけど」
「なにそれ」
「B-CASカードが」
「B-CASカードって何ー?」
「うん、まぁ、大丈夫や」
終
