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急に具合が悪くなる理由(貧血)と予防22

直感は、自分の経験が豊富にある分野においてのみ正しい(中略)知識がない場合は、じっくりと分析したときのほうがより確実な判断ができる(中略)直感が頼りになるのは、予測可能な環境で判断を下す経験を積んだときだけ

ORIGINALS誰もが「人と違うこと」ができる時代

資金援助を受けると「700%」スポンサー寄りの結果が出る

トロント最高の医師が教える世界最新の太らないカラダ

ヒューリスティックという言葉は、「見つけた!」を意味するギリシャ語のユーレカを語源に持つ(中略)「状況が手がかりを与える。この手がかりをもとに、専門家は記憶に蓄積されていた情報を呼び出す。そして情報が答えを与えてくれるのだ。直感とは、認識以上でもなければ以下でもない」(中略)適切な行動を起こすことを学んだとき、いざというとき役に立つ直感が育まれる(中略)素人とはちがう目で見られるようになるのは数千時間におよぶ鍛錬の賜物(中略)何年か過ぎてから、私はようやく教授がサイコパスの魔力を警告してくれたのだと理解した(中略)私たちが研究した現象は、日常的に非常によく見られ、かつ重要でもあるから、ぜひ名前を知っておいてほしい。この現象は、「アンカリング効果(anchoring effect)」または「係留効果」という

ファスト&スロー―あなたの意思はどのように決まるか?〈上〉

努力の必要なメンタライジング系を使わずに済む道があるのなら、私たちはその手っ取り早い方法を使おうとする。その時、私たちが用いる方法が「ヒューリスティック」と呼ばれる思考方法である。この方法は過去の経験に基づいているために、「経験則」と同じような意味で用いられる。私たちはその経験則を使って、意思決定を簡単に行おうとする。たいていの場合は役に立ち、便利なうえにそれなりに正解だからだ。だが、それが時々、トラブルを引き起こす(中略)心理学者の言葉を借りれば、「自分以外の人間も考えを持ち、他者がその考えに基づいて行動する」という現象を理解できる能力を、「心の理論」を持つと言う。そしてその能力を用いて他者の心の状態を読み取り、相手の行動を理解したり、予測したりする姿勢を「メンタライジング」と呼ぶ(中略)メンタライジング系は努力しなければうまく働かない(中略)「他者の心の状態を理解する」(共感の第一ステップ)ためには、その時の状況に応じてミラー系かメンタライジング系、あるいは両方の働きが必要になる。

21世紀の脳科学―人生を豊かにする3つの「脳力」

アンカリングバイアスとは、最初に見たデータ範囲やデータパターンに誤った精神的執着を持ち問題解決に色をつけてしまうこと(中略)可能性バイアスとは、新しい問題に対して新しいモデルを開発したり、より新しい出来事に影響されたりするのではなく、手近にあるがゆえに既存のメンタルマップを使ってしまうこと(中略)過度の楽観は、自信過剰、コントロールの錯覚、あるいは単に災害が発生した場合の結果を考慮しないなど、いくつかの形で現れる(中略)ヒューリスティックス、経験則、およびショートカットという用語を同じ意味で使用(中略)ヒューリスティックスは、分析の近道として機能する強力なツールである。問題のさまざまな要素を整理して、さらなる分析における効率的な道筋を決定するのに役立つ。もちろん、誤って適用すると危険な場合がある

完全無欠の問題解決―不確実性を乗り越える7ステップアプローチ

感じるものが恐怖心なのか、高揚感なのかは、熟練度と自分の技能に対する自信によって決まる(中略)この種の反応を何度も経験している人たちは、身体面だけでなく、精神面でも、通常よりよい結果を出す。

「病は気から」を科学する

ヒューリスティックを問題解決の課題に当てはめてみよう。解を探す方法ということだ(中略)高度なヒューリスティックは、訓練によって獲得される

「多様な意見」はなぜ正しいのか―衆愚が集合知に変わるとき

コーチングで受講者に難しかったのが冷水浴(中略)エンドルフィンは名前からして説得力がある。エンドは内部、モルフィンはモルフェウスというギリシャ神話に出てくる「夢の神」の名で、体内でつくられるモルヒネという意味だ(中略)どうしたら欲しい時にエンドルフィンを出せるのか(中略)私自身は冷水浴や寒中水泳が大好きだ。冷たい水に入ったときの痛みは想像を絶するが、私の場合は30秒数えた頃にエンドルフィンが放出され、最高の気分になる(中略)エンドルフィンにはα、β、γの3種類がある(中略)βエンドルフィンの効果は非常に興味深く、他人の感情を読み取る能力を向上させ、相手の立場になってものを考えられるようになる

最適脳―6つの脳内物質で人生を変える

共感を3つに分けて定義した。1つ目は「メンタライジング」で、他者の「心理状態やその根源にあるもの」を見いだしたり推論したりすること、2つ目は「経験の共有」で、これは「相手の内的な状態」を自分のものとしてとらえて共有すること、そして3つ目の「向社会的配慮」

OPEN TO THINK―最新研究が証明した自分の小さな枠から抜け出す思考法

利用可能性ヒューリスティックは、世界を動かす(中略)多くの人がよくわかっていないこと、それは報道機関が「利用可能性」を生み出す機械だということ(中略)報道にはもともと人々に認知バイアスを起こさせ、認識を歪める力がある

人はどこまで合理的か〈上〉

独立した事実だけを覚えていても、あまり役に立たない。必要なのは、さまざまな事実を結びつけ、そこから意味を見出していく「格子状の思考」だ。これは「入手可能性ヒューリスティックス」、すなわち自分がすでにわかっていることだけに基づいて問題を解決しようとするのを回避するのに役立つ。

セレンディピティ 点をつなぐ力

「メンタライジング」は「相手の〝こころ〟を理解する能力」だ(中略)メンタライジングはヒトの社会性の基本だが、一部にはこの能力の低いひとがいて困難な人生を歩むことになる(中略)人間関係を最小限にすると同時に、日常生活から(対処しなくてはならない)イレギュラーな出来事をできるかぎり排除し、日課を厳密に定型化しようとする。これが自閉症やアスペルガー症候群に特有の孤独癖や強いこだわり(中略)自閉症やアスペルガー症候群の特徴として「ウソがつけない」がある。ウソというのは、相手のこころを「理解」したうえで、それを自分にとって都合のいい方向に誘導しようとすることだ。そのためには、高度なメンタライジング能力が要求される(中略)メンタライジング能力には個人差があり、この能力が高い子どもは、そうでない子どもよりも人間関係にうまく対処でき、友だちが多いとの研究もある。これはよいことに思えるが、同時に、メンタライジングを覚えた子どもはウソをつくようになる(中略)メンタライジング能力は共同体のなかで生き延びるのに必須の能力(中略)アスペは高い共感力で他者とつながることができても、相手のこころを理解できないことで、きわめて困難な状況に置かれることになる(中略)なんらかの理由でメンタライジングの機能が損なわれているため、こころを「理解する」ことができず、人間関係は「火星の人類学者」として構築したデータベースに頼って論理的に推測するしかないのだ(中略)未知の惑星を訪れた人類学者のように、さまざまな状況で人がどのように反応するかの膨大なライブラリーをつくり、それをいつでもこころのなかで再生(中略)それに対して、相手の気持ちを「感じる」ことができなくても、こころを「理解する」ことができるなら、すくなくとも最低限の社会的なコミュニケーションは成立するだろう(中略)メンタライジング能力さえあれば、その場限りの(あるいは短期間の)人間関係なら問題なくこなせるのだ(中略)メンタライジング能力さえあれば社会(共同体)で生きていくこともできる(中略)アスペが「共感力は高いがメンタライジング能力が低い」ひとたちだとするならば、サイコは「メンタライジング能力は高いが共感力が低い」ひとたちのことだ(中略)サイコは〝障害〟ではなく、男のごくふつうのパーソナリティ(中略)「共感」と「メンタライジング」が異なる仕組み(中略)ヒトにしかない(とされている)能力がある。それが「メンタライジング」で、「こころの理論」とも呼ばれる。共感が「相手の気持ちを感じること」だとすれば、メンタライジングは「相手のこころを理解することだ」。───これを「情動的共感」と「認知的共感」と区別する(中略)DMNは、大脳のなかの進化的に新しい部位である大脳皮質から生じ、内省など高次の「メタ認知」プロセスでもっとも活発化する

スピリチュアルズ―「わたし」の謎

脳内で知識は座標系に保存される。座標系は、予測し、計画を立て、動くためにも使われる。思考が起こるのは、脳が座標系内の一ヶ所ずつ活性化して、関連する知識が生み出されるときだ(中略)皮質コラムは、格子細胞と場所細胞に相当する細胞を使って座標系をつくり出す(中略)われわれの現在の理解では、新皮質内の細胞のほとんどは、座標系をつくり、操作することに専念しており、脳はその座標系を使って計画を立てたり考えたりしている(中略)私たちが何かを考えているのはおもに新皮質(中略)実験は新皮質(※知能の器官)に格子細胞が存在することを示したのだ。詳細は込み入っているが、fMRIを使って検出できる特徴を格子細胞が示す可能性があることに、研究者は気づいた(中略)何かについての私たちの知識は、何千もの皮質コラムに分散している。コラムは冗長ではないし、互いにまったく同じではない。とくに重要なのは、コラムそれぞれが完全な感覚運動システムであることだ(中略)新皮質は何万もの皮質コラムで構成されており、各コラムが物体のモデルを学習する(中略)各コラムはある程度独立して働くが、新皮質内の長距離連絡のおかげで、コラムは自分たちがどんな物体を感知しているのかについて、投票することができる(中略)情報は「感覚野」経由で新皮質に入り、領域の階層を上がったり下がったりして、最終的に「運動野」に下りるのだと信じられていた。運動野の細胞は筋肉と四肢を動かす脊髄内のニューロンに投射する。現在、この説明は誤解を招くおそれがあるとわかっている(中略)古い脳には頭方位細胞と呼ばれるニューロンがある(中略)古い脳内の格子細胞と場所細胞が追いかけるのはもっぱら体の位置である ※引用者加筆.

脳は世界をどう見ているのか―知能の謎を解く「1000の脳」理論

各ニューロンは独自のグリッド(格子)を形成する(中略)人間もラットと同じように六角形のパターンを通して全ての場所を認識しているのだ!私たちは誰もがミツバチだ。全世界を六角格子として理解しているのだ(中略)においは記憶を呼び起こす、重要な手がかりのひとつだ。

海馬を求めて潜水を―作家と神経心理学者姉妹の記憶をめぐる冒険

ヒトの脳は海馬(※手動で難しいメンタライジング系)か尾状核(※オートモードのヒューリスティック系)のどちらかを使っているが、そのふたつの領域を同時にはたらかせることは絶対にない。つまり、一方を多く使うほど、他方を使わなくなるということだ。そして、特定の筋肉を鍛えるとその代償として別の筋肉が弱くなるように、特定の回路を長期間にわたって重用すると、それがほかよりも優先されるようになる(中略)このふたつの戦略のあいだには負の相関性がある(中略)(※ヒューリスティック系では)積極的な注意力を使わずに、手がかりに反応して信号───右か左か───を出す。尾状核がしているのは、それだけだ(中略)絶えず海馬よりも尾状核を優先しつづけたら、どうなるだろうか?そして、その優先傾向が、集団のなかの一部の個人だけでなく、もっと大規模に蔓延しているのだとしたら?(中略)現在の生活条件は、海馬をあまりはたらかせない方向にわたしたちを導く一方で、尾状核への依存に拍車をかけているのではないか(中略)海馬が縮小すると、認知・感情面での障害や行動の問題を起こしやすくなる。さらに、海馬を使わない刺激反応ナビゲーション戦略への過度の依存は、一見すると無関係だが有害な多くの行動と結びついている可能性もある。尾状核の回路は線条体に位置している(中略)海馬にある場所細胞・頭方位細胞(※頭が特定の方向を向いたときにだけ発火。境界細胞は、障害物やギャップ、階段といった境界となりうるものまでの距離とその方向を伝えているようだ)・格子細胞(※環境中で発火する格子細胞は、六角形の格子が全方向に広がるという興味深いパターンをとる。また格子細胞は場所細胞のシナプスひとつぶん上流にある。環境と自発運動に伴う情報をもとに距離に関する情報を生成し、さまざまなスケールで空間を表象していると考えられている。格子細胞は、経路積分に使われる情報を場所細胞に送る一方で、場所細胞から情報を受け取ってもいるようだ)などが、脳のなかに認知地図を作り出している(中略)マインドワンダリングによりさまざまな認知的処理が可能になり、それが「日々の生活をナビゲートする際に役立っている可能性がある(中略)ウェイファインディングは生死に関わる技能 ※引用者加筆.

WAYFINDING道を見つける力―人類はナビゲーションで進化した

ダニエル・カーネマン(一九三四〜二〇二四年)は、人々が世の中を評価するときに、根拠がなく無意識のヒューリスティック〔判断の際に、経験にもとづき、ある程度正しそうな答えをすばやく見つける思考法〕に頼ることを研究し、ノーベル経済学賞を受賞している(研究の一部はエイモス・トヴァルスキーと共同でおこなった)。二人の研究は、人々は、自分がもっている概念と合致度を優先して、本来基準とすべき情報や確率を無視したり軽視したりしがちであることを示した。ある集団で一般的に正しい傾向は、その集団の個人にもあてはまると考えることなどだ(中略)人々は基準値を忘れているわけではないが、個々の状況を考えるときにもっと鮮明な細かいことに反応するほうを選んで、しばしば基準率を無視してしまうのだ。カーネマンとトヴァルスキーが言及したバイアスのかかったヒューリスティック(中略)バイアスは、カーネマンとトヴァルスキーが「利用可能性ヒューリスティック」と呼ぶものだ。

シンギュラリティはより近く―人類がAIと融合するとき

事実に対するとき、われわれは経験や価値観、脳にあらかじめ組み込まれた感情と認識のプロセスをフィルターとしている(中略)感情的にバイアスのかかった推論は、都合のよい信念を強化し、精神の安定につながる説明を肯定的な感情、あるいは救いと結びつけ、苦痛を消滅させる。こうして何かを信じたまま思考は硬直化し、新しいデータから学ぶことはほとんどない

悪の遺伝子―ヒトはいつ天使から悪魔に変わるのか

メンタライジング(他者の心的状態を推論する)経路がとりわけ確実に活性化するのは、「もしこれが自分に起こっていたらどんな感じか」に集中することから、「彼らにとってどんな感じのはずか」に集中することに切り替えるときだ

善と悪の生物学〈下〉―何がヒトを動かしているのか

確証バイアス。人間は自分が元々持っている信念を支持してくれる情報を求め、評価し、信じ、そして記憶する。同時にまた自分の信念と矛盾するようなものは何であれ疑い、割引し、忘れ、無視する。言わばその事実そのものを選り好みするのだ。そのために身に危険が及ぶとしてもだ。確証バイアスの信じがたい力は、信念の重要性を強調する(中略)人は一般に同じ場所に留まるのを好むという事実

サイコパスのすすめ―人と社会を操作する闇の技術

ぼんやりする時間が、「無意識」の力を目覚めさせる(中略)ぼんやりしているとき、脳は「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」という脳内システムに移行します。このシステムが活発になると、人間は様々な記憶やイメージや思考をもとに次の行動に備えはじめます。要はぼんやり自分を見つめながら、次の意識的な準備をするわけです。これから自分に起こることの道筋をぼんやりと描いたり、記憶を整理してアイデアや気づきを生み出したり・・・・・。(中略)デフォルト・モード・ネットワークの働きが活発になると、意識的に考えていたとき以上にいいアイデアが浮かぶ(中略)ワシントン大学の研究結果では、DMNを働かせるには、通常の意識的な作業よりも、なんと約15倍のエネルギーを消費することがわかりました。それほどまでの脳にとっては重要な機能(中略)現代では、このぼんやりする時間が急速に失われています。DMNの働きが低下すると、うつになりやすくなり、認知症などのリスクが高まる(中略)無意識の扉を開く王道は、ひたすら体を鍛錬すること(中略)交感神経と副交感神経が高まったとき、「ゾーン」に入る(中略)医学的には、交感神経と副交感神経の両方がハイレベルで高まったときに出現しやすくなります。交感神経が極限まで高まったときの「集中」と、副交感神経が極限まで高まったときの「リラックス」した状態が、いわば絶妙のバランスで混ざっているというわけです(中略)「ゾーン」に入るためには、長期にわたる厳しい鍛錬が必要であり簡単なことではありません(中略)どんなときであっても自分に集中すること。これは突き詰めると、「周りの空気は読まない」ことに行き着きます(中略)他人からの勝手な評価など気にしないことです(中略)いま自分がやるべきことに光を当て、行動を積み重ねる(中略)無意識の力を引き出していくために、王道とも呼べる方法があります。それが、ひたすら体を鍛錬していくこと。要は、同じことを何度も繰り返し練習し、体が自然に動くまで続けていくことです(中略)料理をずっとつくっていれば確実に包丁さばきの腕が上がり、高速で野菜を切ることなんてお手のものに。(中略)まず体で覚えていくことはとても理にかなった方法(中略)積み重ねが無意識の力を引き出し、より大きなパフォーマンスにつながります(中略)まず「かたち」から入って、基本の「型」を体に刷り込む(中略)無意識の力を引き出すためにも、意識的にはじめることが必要(中略)意識的に「型」を刷り込んでいかなければ、無意識の領域には到達できないのです(中略)基本的なことを考えずにできるからこそ、より高度なことに集中できて、心の余裕も生まれてくる(中略)嫌がらずに続けていくことが大事

自律神経が10割 心と体が整う最高の習慣

DMNが活動するのは、私たちの精神活動が個人的回想や、自分が登場する空想物語にまつわるもののときだ(ジェームズ・サーバーの短編小説『The Secret life of Walter Mitty[邦題『虹をつかむ男』]の空想に耽る主人公の名をとり、「ウォルター・ミティ現象」とも呼ばれる)(中略)共感とは、照明の輝度をさまざまに変えられる(オン/オフスイッチとは対照的な)、調光スイッチのように働くものととらえることができる。共感反応の強さは、同一性の程度によって異なる。同一性が強い場合(自分たちと似たような見た目の人や、年齢、人種、宗派などの点で自らと重ね合わせやすい人)、完全な共感が生まれる(中略)また、共感する能力もすべての人に等しく備わっているわけではない。世の中には、共感しやすい人としにくい人がいる(中略)DMNが成熟するおかげで、子供は内省したり、彼ら自身、すなわち過去や未来への自己投影に関する自伝的自己を「メンタライジング」したりできるようになっていく(中略)DMNは人生に創造性やイノベーションをもたらす回路

ビッグクエスチョンズ 脳と心

DMNとは簡単に説明すると、何も考えない無意識の状態にすることで、脳が次の意識的な行動の準備をすることができるという神経回路システムだ。

自律神経にいいこと超大全

DMNは睡眠段階にわたって変化(中略)デフォルト・モード・ネットワーク(Default Mode Network:DMN)とは、前頭前野や側頭葉、扁桃体、帯状回と言った、脳の広範囲にわたる重要部位をつないで神経回路で、無目的で何も考えていないときだけ活発化する特質がある

眠っている間に体の中で何が起こっているのか

通常、人間の脳は、周囲のことに注意を払いつつ、多少はマインド・ワンダリングもできる(中略)車を運転しながらとりとめもない夢想にふける、というように(中略)瞑想の基本編では、「マインド・ワンダリングに気づいたときには、心の集中の焦点を戻すようにしましょう」と教えている。ここで問題なのは、「気づいたときは」という部分だ。心が徘徊しはじめるときは、だいたい自分では気づかないものなのだ(中略)マインド・ワンダリングにふけっているときは、そもそもそのことに気づいていない場合がほとんどだからだ(中略)オールダス・ハクスリーのユートピア小説 『島』には、訓練されたオウムが登場し、島民のいるところへ飛んでいっては、「いま、ここ、です。みなさん、いま、ここ、ですよ!」と鳴く。その声を聞くと、牧歌的な島民たちは白昼夢から醒めて、いままさに目の前で起こっている事象に集中しなおすのである(中略)ハクスリーのオウムのようにマインド・ワンダリングを災いの元凶とみなす霊的習慣が少なくない一方で、進化心理学者たちはマインド・ワンダリングを大きな知的進化と見る。どちらにも真理がある(中略)「いま、ここ」で進行中ではないことをじっくり考える(認知科学者はこれを「状況非依存思考」と呼ぶ)ためには、五感で感じていることと頭の中で考えていることを切り離さなくてはならない(中略)人間の思考の半分ほどが夢想であるという事実そのものからしても、夢想にふける精神は何らかの利点があると考えるべきだろう。「マインド・ワンダリング (心の徘徊)」、すなわち精神活動の対象から注意がそれて徘徊する心の動きについて、われわれはそろそろ考え方を改めるべきかもしれない。マインド・ワンダリングは意味のあることから遠ざかる思考ではなくて、意味のあることへ、向かっていく思考である、と

FOCUS集中力

DMNの発見によって、脳がけっして休息しない事実があらためて理解された(中略)休止時間や入眠期の脳のデフォルトモードネットワーク(DMN、具体的な課題に集中していないときに活発になる脳の領域)は、突出した経験や懸念を見つけだし、睡眠の後半に処理できるよう標識をつけている(中略)DMNを構成する領域をよく観察すると、環境に重大な変化がないか監視して、危険を察知するサブネットワークの存在が明らかになった。確かに、安全の確保はDMNのひとつの働きだろう。ところが、ほかにもサブネットワークがあることがわかってきた(中略)どれもマインドワンダリングに関係(中略)となるとマインドワンダリングと、DMNの活発化に関連があると考えるのは自然な流れだ。おそらくこれがDMNのふたつめの働きである。ただしDMNは特定の場所があるわけではなく、DMNと呼べる領域は、その前に何をしていたかで変化(中略)(※通常DMNは)休息時に観察される。同じ休息でも、課題をこなしたあとのDMNに変化が起きたのだ。さらに重要なことに、DMNの変化が大きいほど翌日の成績は向上していた。まるで眠りについた脳に、DMNが指揮を行ったかのようだ。※引用者加筆.

夢を見るとき脳は―睡眠と夢の謎に迫る科学

DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)はいわば、脳が特定のタスクに集中していないときのニュートラルギアのように機能する

MOVEこの自然な動きが脳と体に効く―最新科学が明かす「人間本来の動き」の力

科学者は、自然によって生まれる「ソフトな魅惑」は、脳の「デフォルト・モード・ネットワーク」として知られるものに働きかけるとの理論を立てています。このネットワークが活性化したとき、私たちはゆったりした連想をしやすい状態になります。特定のタスクに集中しておらず、意外なつながりや洞察を受け入れやすい状態です。自然の中では、意志を決定したり何かを選択したりするよう求められることは、それほどないため、心は、思考が連れて行ってくれるところへと自由に向かうようになります(中略)こうしたポジティブな感情のおかげで、もっと広い視野と心で考えられる

脳の外で考える―最新科学でわかった思考力を研ぎ澄ます技法

作家で諷刺漫画家のジェームズ・サーバーは、六歳のとき、兄が投げたおもちゃの矢が右眼に突き刺さるという事故にあい、それ以来、右目が見えなくなった。これは悲しい出来事だったが、破滅的な影響はなく、たくさんの片眼の人と同じように、彼も世の中をうまくわたっていくことができた。しかしやっかいなことに、事故から何年かたって、左眼もしだいに衰えはじめ、三十五歳のときに完全に失明

脳のなかの幽霊

作家のジェイムズ・サーバーは、『ダム決壊の日』という自伝的な文章を書いているが、そこに描かれたような連鎖反応からも、そういう結果が生じることがある。きっかけは一人の住民が逃げているのが目撃されたことだった(中略)「最初の半マイルのうちに、町の住民のほとんど全員が追い越していった」とサーバーは言う

群れはなぜ同じ方向を目指すのか?

何かに集中しているときは「意思」のネットワークCEN(Central Executive Network)が働いている状態です。別名ワーキングメモリーネットワーク(中略)CENとシーソーのような関係にあるのがDMN(Default Mode Network)です。DMNはぼーっと考え事をしていたり、記憶を整理したり、ひらめくときに働いているネットワーク

眠る投資―ハーバードが教える世界最高の睡眠法

DMNが活動を停止すると、脳は暴走する

菌類が世界を救う―キノコ・カビ・酵母たちの驚異の能力

知っていることと安心が、落とし穴になる(中略)判断ミスを誘ったヒューリスティックを検証

思い違いの法則―じぶんの脳にだまされない20の法則

ある実験では、原発のような比較的新しい技術に対して、数字やデータなどの情報は与えず、「得られるものが多い・利益になる」という情報のみを与えました。すると、人はポジティブな感情を持ち、リスクを低く見積もりました。この実験で重要なポイントは、その技術が引き起こすリスクについては何も情報を与えなかったことです。それにもかかわらず、参加者は「利益」について情報を得ると、何も知らないはずのリスクに関して、「リスクは低い」と勝手に見積もり、判断しました(中略)アフェクト ヒューリスティックについては、様々な研究が行われていますが、対象の物事に対して好意的な感情を持っている場合、リスクを低く見積もることがわかっています(中略)アフェクト ヒューリスティックというのは、感情や直感的な判断により物事を決めたり、行動することをいいます。色々な情報を集めて合理的に何かを判断するのとは逆に、十分な情報がないまま、直感的にどう感じているかで素早く判断をすることです。

健康になる技術大全

自分がその状況にいたらどういうふうになるか、真に迫ったシミュレーションを実行する。それができる能力こそ、映画や小説のような物語が人をのめり込ませ、人類のあらゆる文化に広がっている理由である。まったく知らない人のことであれ、架空の人物のことであれ、あなたは彼らの苦悶、彼らの恍惚を経験する。あなたは自在に彼らになり、彼らの人生を送り、彼らの立場に立つ。あなたは他人が苦しむのを見るとき、それは彼らの問題であって自分のことではないと、自分に言い聞かせようとするかもしれない───が、脳の奥深くのニューロンには、その差がわからない

あなたの脳のはなし―神経科学者が解き明かす意識の謎

あらゆる分野の一流と呼ばれる人たちが口にすることですが、準備を徹底的にやり抜くことが自律神経のバランスを整え、結果的に成功を引き寄せるのです(中略)努力や鍛錬を積み重ねずに、ある日突然、無意識の力を借りるなどというのは無理な話です(中略)人を安易に信じない。人の悪口や愚痴をいわない・・・・・。どれも、ああたの自律神経を整えるコツであり、性格をよくしていく方法です(中略)真の自信は、日々の習慣や経験の積み重ねで育まれる(中略)体を大切にして生きる経験を積み重ねることこそ、本当の自信を育んでくれるはずです(中略)徹底的に「準備」をすれば、不意打ちにも対処できる(中略)それを避けるには、日ごろからの「準備」しかありません(中略)「さすがにこんなことは起こらないだろう」と思えるほどの事態まで想定し、対策を準備しておくのです(中略)なぜ、そこまで準備にこだわる必要があるのか。それは不意打ちはコントロールできませんが、それに対して「準備をすることはコントロールできる」からです(中略)実は勉強することがとても重要です。自ら関心があることを、書籍などでさらに深く学んでいく(中略)勉強をすると、どんなことが起きても動じない落ち着きのある人になっていくのです。余裕のない人は、つねに中身のないことを早口でしゃべり続け、自分でも気づかないうちにネガティブな意見や愚痴を吐き出しています。そうした行為は副交感神経の働きを著しく下げ、しかも、そんな人のまわりには同じような人が集まるため、さらにネガティブなループにはまっていきます(中略)あきらめるは「明らめる」こと(中略)本来は「明らめる」(ものごとの事情・理由をあきらかにする『大辞林』)という言葉が使われていました(中略)問題解決のひとつの方法は、たとえ大きい問題でも、小さく分割して考えること(中略)事実を強く意識していくと、仕事でも生活でもプロフェッショナルになることができます(中略)行動は大変に思えますが、自ら攻める姿勢を貫くことで、高く見えたハードルを低くすることができます。

自律神経が10割 心と体が整う最高の習慣

リサーチでは、ギバーはマッチャーやテイカーより、直感的に相手の真意を見極め、他人を正確に判断できることがわかっている。ギバーのほうが、人の振る舞いや考え、気持ちに敏感なので、テイカーのてがかりを見つけやすいのだ。また、ギバーはふだんから人を信用しやすく、そのせいで他人のさまざまな振る舞いを見る機会が多いというのも、真意を見極めるうえで有利になっている。

GIVE & TAKE―「与える人」こそ成功する時代

生命の危機が迫っているとき、およそ七十五パーセントの人は頭が働かなくなる(中略)生き残るタイプの人は、最悪の事態を想定して以前から備えていた人たちである。そういう人々は、そのための下調べをした(中略)こういう人々は、大惨事のさいにじっくり考えたりしない。じっくり考えるのはすでにすませてしまっているからだ(中略)正常バイアスをはねのけられる人は、そうでない人が行動しないときに行動を起こす。ほかの人が動くべきかどうか考えているときに、もう動きだしているのだ。

思考のトラップ―脳があなたをダマす48のやり方

熟練の域に達するには一万時間の練習が必要

Remember 記憶の科学―しっかり覚えて上手に忘れるための18章

自分のつくったモデルがどれくらいうまく現実世界に適合するかは、とても重要な問題だ。モデルがお粗末なら、未来についてまちがった予測を立て、その結果、まちがった選択をしてしまう。現実のモデルがお粗末なものになってしまう原因としては、多くの要素が考えられる。十分な情報がない、抽象的思考がうまくできないといった要因のほか、誤った前提に頑固にしがみついている場合

もっと!―愛と創造、支配と進歩をもたらすドーパミンの最新脳科学

直感を裏づけているのも膨大な量の専門知識と経験(中略)パターンが蓄積されているからこそできること。経験値のなせる業(中略)「チャンスは準備している人にのみ訪れる」というのは生化学者ルイ・パストゥールですが、その分野について学習や経験でしっかりと準備ができていることは、直感を発揮する上でとても重要な条件なのです。知識と経験があってこそ直感は生まれる。何もないところから湧いて出るヤマカンは直感にあらず(中略)本の虫などと呼ばれる読書好きな人は「頑固で堅物で融通が利かなそう」というイメージを持たれがちですが、実は逆で、読書が好きな人は考え方がとても柔軟です。なぜなら、本を読むことで新しい刺激に触れる機会が多いから(中略)認知予備力があると、ものごとに対して新しい見方や考え方を受け入れられるようになります。つまり保守性バイアスの回避に繋がる

2秒で最高の決断ができる直観力

メタ認知とは、取るべき行動を教えてくれる能力(中略)メタ認知にとってとりわけ有益な判断材料となるのが、「親近性」(中略)ただし、親近性による判断はヒューリスティック(経験則や直感による判断)にすぎず、労力をかけずにそれなりの答えを見つける急場しのぎの手段でしかない(中略)自分が何を知っているかを手順どおりに検証できない場面で、素早く判断を下すために用いられる(中略)ヒューリスティックは完璧な解決策を保証するものではない(中略)数学の基礎能力を測るテストで高得点を出した参加者にはバイアスが働いた(中略)私は何も、数学的思考力や分析的に考える力があまり高くない人は、バイアスのかかった解釈をしないと言っているのではない。もちろん、そういう人たちもバイアスのかかった解釈をすることはある(中略)ここで私が言いたいのは、いわゆる「賢い」人たちも、不合理なバイアスから自由ではないということだ。むしろ賢さがバイアスを増幅させることもあるのだ

思考の穴―イェール大学集中講義 わかっていても間違える全人類のための思考法

私たちの直感的反応は、系統立てられるようには設計されなかった。さらに、かならずしも真に道徳的な目的に資するようには設計されなかった(※カメラの)オートモードはヒューリスティクスだ。すなわち、たいていの場合は「正しい」答えを出す効率的なアルゴリズムだが、つねに正しい答えを出すわけではない。「正しい」に「」をつけたのは、オートモードは設計された通りに働いているときでさえ、真に道徳的な意味で「正しい」とはかぎらないからだ。直感的反応の中には、自分の遺伝子を広めるという生物学上の命令を反映しているに過ぎないものもあるかもしれない。たとえば、そのために私たちは、自分自身や自分の部族を他の者よりひいきする(中略)(※カメラの)オートモードは非常に効率的だが、柔軟性にいまひとつ欠ける。マニュアルモードはその逆だ。しかし両方を備えていれば、それぞれのよいところを利用できる。ただし、手動で調節した方がいいのはどんなときで、全自動がいいのはいつかを、心得ていればの話だ ※引用者加筆.

モラル・トライブズ 〈上〉 - 共存の道徳哲学へ

がん細胞は、ストレスに対する耐性を持っていて抗がん剤を使い続けていると、さまざまな手段で耐性を獲得していきます。その1つとして生体内ガスである一酸化炭素(CO)を生成して生き残ることが知られています

慶應義塾大学 医学部

抗がん剤の副作用による肺間質へのダメージ(間質性肺炎など)や、心肺機能の低下、そして何より造血幹細胞の抑制による「貧血」が、体内からのCO排出と酸素運搬を絶望的に困難にします。健康な人(トレーニングをしている人)であれば、標高1000mでの VO2​max の低下は数%程度であり、安静時にはほとんど影響を感じません。しかし、がんの進行や抗がん剤によりヘモグロビン(Hb)値が正常の半分(例:14 g/dL から 7 g/dL)に落ちている患者の場合、平地にいる時点ですでに「標高3000m〜4000m」に相当する酸素運搬能力の低下を起こしています。その極限状態において、低気圧(台風や爆弾低気圧で 970 hPa 程度まで下がる)が到来することは、健常者がいきなり富士山の山頂にワープさせられるような深刻なインパクトを持ちます。初期の高山病に似た症状(頭痛、強い倦怠感、息切れ、あくび、思考力の低下)は、この「ギリギリの酸素供給」が低気圧によって閾値を下回った瞬間に一気に表面化。デカドロン(デキサメタゾン)の役割。山岳救助隊が使うデキサメタゾンと、抗がん剤の制吐剤として使うデキサメタゾンは同じ薬です。 高山病の重症化(脳浮腫や肺浮腫)は、低酸素によって血管の細胞がダメージを受け、水分が周囲に漏れ出すことで起こります。デキサメタゾンは強力な抗炎症作用によって細胞膜や血管内皮を保護し、水分の漏出(浮腫)を強制的に抑え込みます。つまり、「根本的な酸素不足(ヘムの枯渇)は解決していないが、脳や肺が水浸しになって機能停止するのを防いで時間を稼いでいる」状態。がん細胞がHO-1を利用してヘムを分解し、COを出して微小環境を生き延びようとすると、全身の鉄代謝が乱れ、ヘムタンパク質が枯渇します。これが「CO中毒になる前に重症の貧血になる」という真意です。ヘモグロビン(酸素の運び屋)が極端に少ない状態では、通常の呼吸ではミトコンドリアが要求する酸素を末梢組織へ届けられません。低気圧の接近は、ただでさえ低下している血中酸素分圧をさらに押し下げ、細胞のエネルギー(ATP)産生をストップさせる「死の引き金」になり得ます。「がん細胞が物理的に増えすぎて全身がCO中毒になる」というよりは、「がんがヘムを消費し尽くして深刻な貧血(=平地でも高山病状態)に陥っているところに、気圧低下という物理的な酸素分圧の低下がトドメを刺す」というイメージが正確。がん患者が不眠になる「本当の理由」の一つに薬の副作用(特にステロイド): 抗がん剤の副作用(吐き気など)を抑えるために、デキサメタゾンなどの強力なステロイド薬が頻繁に使用されます。ステロイドには強い中枢神経興奮作用があり、これが重度の不眠を引き起こす最大の原因の一つ。

Mind Whispering Radio🚀癌と闘う家族や友人を想いながら聴きたい曲

人間はストレスを感じると、副腎皮質からコルチゾールというホルモンを分泌します。分泌される量によっては免疫の低下や不妊を招くことが知られていましたが、近年の研究によって、極度のストレスに比例して大量のコルチゾールが分泌されると、海馬を萎縮させることが判明しました。つまり、記憶の管理が正常に行えなくなるのです(中略)海馬の萎縮はさらに記憶の分断も引き起こします。人間のリアリティは記憶によって作られているため、記憶の分断によって複数の人格が共存しているような多重人格の症状が表れるのです(中略)海馬という器官は、強いストレスを受けると比較的容易に壊れてしまいます。それほどの恐怖体験がない場合でも、恒常的なストレスが海馬を損傷させている(中略)多重人格という症状は記憶障害の一種である(中略)認知症では急速に記憶障害が進みます。強いストレスを感じる出来事があって、コルチゾールが出て、海馬が損傷して、ボケる。認知症はこのようなプロセスで発症(中略)認知症の脳の状態は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)と同じ状態です。PTSDの人々の脳では、強いショックとなった出来事を忘れようとして、海馬が損傷します。認知症もショックを忘れようとして海馬細胞が痛むのです(中略)この状態が長期間続けばどうなるか。 疲労が回復されずに蓄積し、頭痛や動悸、さらには倦怠感といった諸症状が体に現れるようになり、心臓に負担がかかったり、症状に対する不安が高じて鬱病などの精神疾患に発展したりすることも珍しくありません(中略)情動的情報が長期記憶化するために脳が利用するのは、ほとんどの場合、夢です(中略)完成した夢の絵は海馬や偏桃体によって情動が増幅され、長期記憶として側頭葉に保存されるのですが、ここには大きな問題が存在します。夢は自分でコントロールできないため、負の情動が増幅された記憶になってしまうこともありえるのです(中略)レム睡眠は精神の安定にかかわっています。脳が記憶を整理するのは、精神を安定させるためです。したがってレム睡眠の質が悪い人は、精神的に不安定になります(中略)毎日、浅い眠りしかとれなければ、脳は緊張しリラックスすることができなくなり、それが当たり前になるとIQも下がった状態が続くことにならざるをえません

苫米地英人博士(著書名失念)

認知症の脳の状態は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)と同じ状態です。PTSDの人々の脳では、強いショックとなった出来事を忘れようとして、海馬が損傷します。認知症もショックを忘れようとして海馬細胞が痛む(中略)認知症では急速に記憶障害が進みます。脳機能の低下が急に進む場合は、脳の老化が原因ではなく、ストレスが原因

脳に免疫力をつければ病気にならない!

慢性的にコルチゾールが分泌されると───それが何か月も、あるいは何年も続くと、海馬は萎縮

一流の頭脳

近年の研究は、脂肪細胞が放出する有害な毒素が、血液脳関門(血液と脳の組織液との物質交換を制限する機構)を通過するという可能性を示唆している。つまり、あなたが太りすぎていると、より多くの毒素が脳に侵入するということだ。脂肪細胞からの毒素は、脳に入ると、海馬に侵入し、認知を担うシナプスを殺したり、機能不全を引き起こしたりする。その結果、記憶力や学習能力が損なわれ、全般的な認知機能が低下する。

最高のパフォーマンスを発揮させる方法

プロフェッショナルの直感的スキルの習得は、基本的には、質の高いフィードバックをすぐに得られるかどうか、そして練習し実践する機会が十分にあるかどうかにかかっている。専門的なスキルというものは、単一のスキルではなくさまざまなスキルの集積である。

ファスト&スロー (下)

山で道迷い遭難に至る過程が、認知バイアスによる判断ミスの積み重ね(中略)認知バイアスとは、人間が無意識的に潜在させている思考の偏りやひずみのこと(中略)道迷いは人の心の弱さに起因するものだけに、技術や知識を身につけるだけでは防ぎきれない部分がある(中略)認知バイアス(人間が無意識的に潜在させている思考の偏りやゆがみ)も事故を引きこす見逃せない要因となる

山のリスクマネジメント

「海馬」と呼ばれる領域で、ニューロンは「場所細胞」のようにふるまうことはわかっていた

脳はこうして学ぶ―学習の神経科学と教育の未来

断食が海馬のミトコンドリアの機能効率を高める別のタンパク質、サーチュイン3(SIRT3)の発現を増加させる

シリコンバレー式 心と体が整う最強のファスティング

つねにストレスを抱えていると、海馬のニューロンが徐々に失われていく事態に陥る(中略)対処不能なストレスを絶え間なく経験していると、やがて海馬は萎縮する。記憶を固定化できるニューロンの数が減り、新たな記憶を形成する能力も阻害されるのだ。しかも、ストレスやコルチゾールに継続的にさらされた海馬のニューロンは、脳卒中やアルツハイマー病などの疾患に対しても脆弱になる(中略)慢性ストレス対策を行えば、海馬のニューロン新生が活発になり、記憶力の向上も見込める(中略)昼寝によって、最近作られたばかりの記憶のうちいくつかだけでも固定化し、大脳皮質に送ることができれば、新たな学習内容の固定化に必要な海馬のスペースが空く

Remember 記憶の科学―しっかり覚えて上手に忘れるための18章

脳が縮むこともある。四〇歳を過ぎると一〇年ごとにおよそ五パーセント縮み、灰白質も白質も影響を受ける(中略)ようするに、年を取ると日々の厄介事が増える(中略)認知症も加齢による脳の変化(中略)本を読みながら内容を理解する能力は、ワーキングメモリー(作業記憶)にかかっている

音と脳―あなたの身体・思考・感情を動かす聴覚

扁桃体が長期にわたってストレス反応を引き起こしつづけると、海馬のブレーキはすり減ってしまう。そして、アクセルである扁桃体は、海馬が萎縮してブレーキが効かなくなると暴走を始める。こうして、ストレスがストレスを生むという悪循環に入る(中略)運動が海馬だけでなく前頭葉も強化する(中略)前頭葉の前の部分「前頭前皮質」と呼ばれる領域は、高次認知機能をつかさどっている。たとえば衝動を抑えたり、抽象的な分析的思考を行ったりする(中略)運動を続ければ、期間は長くかかるものの、前頭葉は物理的に成長までする(中略)前頭葉が活発化すると、気持ちが穏やかになりストレスは減る(中略)健康な頭脳が「健康寿命」を長くする(中略)海馬はストレス反応とブレーキとして働き、そのブレーキペダルは運動によって強化される(中略)運動の影響は、何かを習得してから1日後に現れる

運動脳―新版・一流の頭脳

自然が働きかけている脳の場所が特定されている。それは海馬傍回〔海馬周辺の灰白質〕で、オピオイド受容体(脳に強く影響するモルヒネ様の化学物質オピオイドに結合する受容体)が豊富な部分だ。「これはすばらしい発見であり、自然には、脳にモルヒネを一滴たらすような効果があることを示している」と、セルフとローガンは書いている。

脳を鍛えるには運動しかない!―最新科学でわかった脳細胞の増やし方

場所細胞は海馬にあり、グリッド細胞はその外周の大脳皮質に(中略)頭方位細胞と、海馬外周の大脳皮質にあるグリッド細胞の間には、どこに境界(ボーダー)があるのかを教えてくれる小さな細胞群があります。あなたが地図上の境界(山、道またはフェンスなど)のすぐそばにいる時、ボーダー細胞は信号を発します(中略)あるボーダー細胞は、あなたの右側に境界があらわれた時にだけ発信(中略)ボーダー細胞は場所細胞とグリッド細胞に、どの場所で用心すべきかを教えている(中略)頭方位細胞は、ラットが進む方向ではなく、顔の向きに影響を受ける(中略)速度に応じて信号を出す細胞(中略)スピード細胞はある種の速度設計で、ランドマークにも周囲の明るさにも影響を受けません(中略)スピード細胞は、ラットの現時点の速度ではなく、到達するであろう速度を示す傾向(中略)まとめると、グリッド細胞に対して、頭方位細胞はラットがどの方向に動いているのかを伝え、スピード細胞はラットの移動速度を伝えます。グリッド細胞はこれをもとに、地図細胞の縮尺を更新します。ボーダー細胞は、グリッド細胞がつくった地図の限界を示します。場所細胞は、私たちの現在位置を教えてくれます(中略)これらの細胞が、私たちの空間認識を助けてくれます(中略)スピードメーター、コンパス、境界マーカー搭載の脳内GPS(中略)足が地面に着いたかなど、自分の身体の動きを感じたり意識したりしていることも必要で、これには頭頂葉と小脳が貢献(中略)頭頂葉は視覚情報とそのほかの感覚情報を統合(中略)空間認識にもっとも重要な細胞のうちの2つが、これまでわかった限りでは、側頭葉内部にある(中略)頭方位細胞は海馬外周の大脳皮質にのみ存在するのではなく、視床および大脳基底核以外の大脳皮質領域にも存在(中略)後頭葉からの視覚情報を使ってランドマークを認識

「人間とは何か」はすべて脳が教えてくれる―思考、記憶、知能、パーソナリティの謎に迫る最新の脳科学

エイブラハム・リンカーンは戦場へ行く途中、封筒の裏側にゲティスバーグの演説でも不朽の名言を書きおろしたわけではない。ホワイトハウスの便箋で、何度も書き直されたその演説の草稿が発見されている。アルキメデスの「ユーレカの瞬間」についても本人の記述や、アルキメデスと同時代の人物の記述の中にもお風呂の中の話を裏づけるようなものは少しも見つかっていない。すでに学者はユーレカの話は嘘だと結論づけている。

究極の鍛錬―天才はこうしてつくられる

SF作家のアイザック・アシモフはかつて、「科学の世界で耳にする、新発見の前触れのひと言で一番わくわくするのは、『エウレカ!(わかった!)』ではなくて、『それはおかしいな・・・・・』だ」と書いているが、まさにそのとおりなのだ。

物質は何からできているのか―アップルパイのレシピから素粒子を考えてみた

「科学者に『わかった』というひらめきはないよ。それよりもむしろ、『おや、これは変だぞ』という瞬間を経験する」

イェール大学人気講義 天才―その「隠れた習慣」を解き明かす

自分の意見を裏づけるデータばかり求めてしまう傾向は、「確証バイアス」と呼ばれている。人間がもつバイアスのなかで、これより強いものはあまりない。

事実はなぜ人の意見を変えられないのか―説得力と影響力の科学

確証バイアスとは、自分の信念を強めることだけに目を向け、それを揺るがすことは拒絶するものの見方だ。私たちは、自分の信念で歪められたフィルターを通すことによって、ありのままの真実が見えなくなってしまう

フランスの天才学者が教える脳の秘密

経験則とは、何かの例が簡単に思い出されれば、それは一般的なものに違いないということである。心理学者はこれを利用可能性ヒューリスティックと呼んでいる

リスクにあなたは騙される―“数理を愉しむ”シリーズ

ヒューリスティックスとは、わたしたちが経験則で判断を下すときにいつも無意識に行っている思考のショートカットのこと

ドーナツ経済学が世界を救う―人類と地球のためのパラダイムシフト

限定合理的な推論を使う。これをヒューリスティックといい、情動的な思考、情報空間における自由気ままな発想を行なっているから判断できる。この情報空間における自由気ままな発想こそが数学的思考である。論理的思考と数学的思考の決定的な違いはここ(中略)アブダクションは別名ヒューリスティックとも呼ばれ、インダクションでもなければディグダクションでもない人間的な推論(中略)ただし、アブダクションはあくまでも近似解であり、必ずしも正解を導き出すとは限らない。要はしばしば人間は間違えるということ

夢を実現する数学的思考のすべて

可能性ヒューリスティックと同じように、「代表性ヒューリスティック」も、脳がベイズの法則による計算の代わりに使っている経験則の一つ(中略)ベイズ問題に正しい事前確立などない(中略)そもそも基準率のデータが存在しないという場合もある

人はどこまで合理的か〈上〉

数学的思考は論理的思考じゃないからね。数学は〝ひらめき〟だから芸術と同じ(中略)確率でいうとベイズの確率がひとつあって、コインは常に2分の1で表か裏が出る。100万回振っても次の一回はやっぱり2分の1の確率でしょ。でも、デンプスター・シェーファー理論以降の確率論は千万回とかやっていると、そのうち表か裏かどっちかに収束していくのね。要は一つ前の事象が次に影響を与えるんだよ(中略)だって現実問題としてベイズの確率なんかありえないよ。今日の天気は昨日の天気に影響されるに決まってるじゃん(笑)(中略)でしょ。前の日の状態が今日に影響を与えるのは当たり前だよ。ということは、すべての事象は独立ではありえないというデンプスター・シェーファー理論のほうが正しいわけだ。でも、確率論を学ぶときはいまだにベイズ理論を使わなきゃいけないんだぜ(中略)統計学もそうでしょ。P値(P-value)って、あれはベイズの話だからね。ということは「ベイズ確率でやりましょう」というルールなんだよ。でも、「本当に使う時はデンプスター・シェーファー数学を入れたほうがいいと思いますけど」っていっても、「それはルール違反だから」ってなっちゃう。これが論理だよ(中略)ルールの中で上手に泳ぐっていうのと、より理想的なルールを作るというのは別の話だからね(中略)両方やったらいいんだよ。別のものだから(中略)俺は好きなことで社会を変える側だから「儒教をやめろ」っていろんなところで言ってるわけだ。そのためには数学的な思考がいるわけね。なぜかというと新しいルールを提示しないといけないわだけから(中略)先に生まれた者に無条件で従えという儒教のルールをやめろって言ってるんだからね(中略)バラモン教でいえば、アートマンは永遠に変わらないと思ってる人ね。ちなみにアートマンとはバラモン教における宇宙の根本原理で、未来永劫変わらない固有の性質がひとりひとりの心の中にあるっていう考え方ね。だから、彼らの宗教では生まれ変わりが信じられるわけ。で、バラモンにはもうひとつブラフマンという根本原理もあって、これは普通の宗教でいえば神のことなんだよ。だから、バラモン教の人たちは個々のアートマンを神であるブラフマンと合一させることが究極のゴールなわけね。でもさ、生まれ変わりって、本当に生まれ変わりなの?って思わない(笑)?。

苫米地博士の「知の教室」

科学的自己認識を使って、自分たちのバイアスのかかった直感を暴いたら、どこへ行き着くのだろう?

モラル・トライブズ 〈上〉 - 共存の道徳哲学へ

自分の主観的なバイアスがどこで生じたのかもっと明確にしておく必要がある(中略)初期仏教の無明の概念は、現代の主観バイアスの概念に非常に近い(中略)さまざまな依存症的な態度にはまり込み、主観的バイアスによって深みにはまり、それがまた主観的バイアスを強化する。私たちの世界観を歪めている眼鏡を外すには、まず、バイアスがある場所を素直に見つめる必要がある。主観的バイアスがいつどのように道を外れるかを理解するのが、主観的バイアスを修正する第一歩(中略)膝蓋腱反応と同じように、私たちは生活の中のほとんどの時間を、頭を使うことなく反射的に、主観的バイアスに沿った反応をしながら過ごしている。その中で、自分自身や環境が変化したために習慣的行動がもはや適切ではなくなったとしても、それに気づかない。これがときに問題を引き起こす。逆に、主観的バイアスがどのように作られ、どのように働いているかを理解できれば、その仕組みを最大限に利用して、悪影響を最低限に抑えられるかもしれない

あなたの脳は変えられる - 「やめられない!」の神経ループから抜け出す方法

学習することは除去すること(中略)階層的に抽象的規則を立てることは、貴重な学習時間を節約する(中略)この意味で、学習とは、規則どうしの内的階層構造を管理し、できるだけ早く、それまでの観察結果全体を要約する最も一般的な規則を推測しようとすることだと言える(中略)ベイズやラプラスが発見したのは何かというと、要するに正しく推論する方法だった。それはどんなに薄弱な観察でもすべてたどり、最もありそうな原因にさかのぼるべく、確率によって推理することだ

脳はこうして学ぶ―学習の神経科学と教育の未来

人には、思い出しやすい情報を重要だと信じ込む傾向もあるのだ。これは「利用可能性ヒューリスティック」と呼ばれている現象

「欲しい!」はこうしてつくられる―脳科学者とマーケターが教える「買い物」の心理

NK細胞はがん細胞を攻撃することで有名ですが、じつは活性化があまり強くなく人間の感情に反応しやすいことがわかっています

健康で美しくいたければ珪素をとりなさい!―80代の現役医師、ドクター菅野の健康術

感情は自在に操ることはできない。周囲の環境こそが感情を動かす(中略)感情は周りの環境によって引き起こされるものなんだ

アリエリー教授の「行動経済学」入門

人間はご機嫌だとデタラメを受け入れやすくなり、また全般的にだまされやすくなる(中略)ハッピーな気分は、バイアスの影響を強くする(中略)感情ヒューリスティック(affect heuristic)

NOISE〈上〉―組織はなぜ判断を誤るのか?

現実とは「ハッピーな思考がすべて解決する」などという単純なものではなく、もっとずっと複雑(中略)楽観主義とは受動的な心の傾向ではけっしてない。それはむしろ、人生によりアクティブに取り組む姿勢なのだ

脳科学は人格を変えられるか?

虐待を受けた人でBPDなどになっている人の脳を検査してみると、実際に大脳辺縁系の海馬などの萎縮がはっきりと見られます(中略)そうなんです。 心の傷(トラウマ)は脳も傷つけるわけです

福島学院大学 星野仁彦教授(著書名失念)

短い期間に何度もショックをあたえると、アメフラシは「敏感になり」、「学習された恐怖」をもつようになる。それで、以前より弱い刺激にも過剰に反応する傾向がでてくる。

脳は奇跡を起こす

どのようにして伝達物質の大量放出が引き起こされるのか?その答えは、感覚ニューロンの発火と伝達物質放出の間で起きる、一連の分子的プロセスの中にある。

記憶のしくみ〈上〉脳の認知と記憶システム

グルタミン酸は脳の馬車馬となってはたらいているが、精神医学がそれよりも重視するのは、脳の信号操作とすべての活動を調整している一群の神経伝達物質だ。すなわち、セロトニン、ノルアドレナリン、そしてドーパミンである。それらを作りだすニューロンは、脳におよそ一〇〇〇億個あるニューロンの一パーセントにすぎないが、影響は甚大だ。ニューロンに命じてもっとグルタミン酸を作らせたり、ニューロンがより効率的に情報伝達できるようにしたり、受容体の感度を変えたりする。また、余計な信号がシナプスに伝わらないようにして脳内の「雑音」を小さくしたり、逆にほかの信号を増幅したりもする。

脳を鍛えるには運動しかない!―最新科学でわかった脳細胞の増やし方

アロスタシスが体を保護する機能を果たしているときは、ストレスの反応として睡眠が訪れる。睡眠が十分とれないのはアロスタティック負荷の徴候である。 心身症、またはストレスと関連するとされる線維筋痛症(慢性的な痛みを伴う炎症)(中略)ウミウシに似たアメフラシとマウスに、触れると弱いショックを受ける経験をある程度くり返させると、海馬の主な細胞の核にあるタンパク質が活性化することをカンデルは示した(中略)CREBの研究は、外界の出来事(ショック)が遺伝子を活性化する科学的変化をもたらし、DNAという鍵盤を演奏することで、長期的記憶が形成されることをはっきり裏ずけている(中略)刺激が繰り返されると(たとえば人間なら九九算をするときや、アメフラシなら尻尾に衝撃を受けたときなど)ある境界値を超えるまで脳の細胞に一時的に大量のグルタミン酸を送り込む。その結果、ひとつひとつのメッセージを送るのに、前より少ないグルタミン酸ですむようになる。メッセージを受け取る細胞はグルタミン酸に対してもっと敏感になっている。つまり興奮が高まり、シナプス接合が強化される。これによって学習が達成されるわけだ。ストレスが脳にこのような働きをすると考えるのは理にかなっている。グルタミン酸に対しもっと敏感になり、グルタミン酸レセプターが増えれば、グルタミン酸が介するメッセージがより多く伝わることになる。その結果、脳はより早く学んだり記憶したりできるようになり、急性ストレスのある時点まで役に立つ。しかし、グルタミン酸は大量になると神経細胞にとって毒になる

ストレスに負けない脳―心と体を癒すしくみを探る

人間は、脳の処理容量を節約するために、「ヒューリスティックな思考」を使う。自動的につまりマインドレスに行われる認知のショートカットである。ヒューリスティックな思考の一般的なやり方は、カテゴリーに分けて理解すること(中略)ヒューリスティックを使えば、意識的な脳に不要な労力を使わせることなく、時間と貴重な脳の認知空間を節約できる

ネガティブな感情が成功を呼ぶ

すぐれた判断者は、経験豊富で賢明であると同時に、さまざまな視点を積極的に取り入れ、新たな情報から学ぶ(中略)精度の高い人は予測に必要なデータを見つけて分析

NOISE〈下〉―組織はなぜ判断を誤るのか?

現代の医療制度、とりわけ抗がん剤や放射線治療といった高額な医療と国民皆保険制度が織りなす構造に、私はある種のシニカルなメタファーを感じずにはいられません。それはまるで、見えざる宗主国へとひそやかに納められる、現代の「献上金」のシステムのようです。

この構造は、景品というクッションを挟んで現金化されるパチンコの三店方式と、どこか似た奇妙な迂回ルートを持っています。しかし、パチンコと決定的に異なる悲劇的な側面は、そこに「皆保険」という逃れられない網の目が張られていること。そして何より、人々の命や健康寿命という取り返しのつかないものが、いわば「人身御供」として対価にされていることです。

この巨大で抗えぬシステムの前では、我々はただ「イエス・サー」と従うほかないのかもしれません。国家の命運を握るGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)と、市井のパチンコ産業。その中間の深淵なグラデーションに位置するブラックボックスこそが、現代の抗がん剤治療を取り巻く冷酷な現実なのではないでしょうか。