アーセナルの優勝パレードに巻き込まれてみた。
イギリス旅行記の続き。前回はこちら。
5月31日。
昼間、ロンドンの街中を歩いていたら、やたらとサッカーチームのアーセナルのユニフォーム姿の人が目につく。
どこかで試合があるのかなと調べてみると、なんとこれからロンドン市内でプレミアリーグの優勝パレードが行われるらしい。
前日にチャンピオンズリーグの決勝が行われ、アーセナルは惜しくもPK戦で敗北。とはいえプレミア優勝はすごいし、チャンピオンズリーグ準優勝はもっとすごい。
僕はチャンピオンズリーグ決勝の日程すら把握していないぐらい、サッカーにもアーセナルにもにわかだ。でもせっかくロンドンにいるわけだし、ちょっと見に行ってみることにした。ファンでない目で見る優勝パレードというのも、それはそれで面白いはず。
前もって言っておくと、夕方には空港に行く必要があったため、パレード本番まではいられなかった。だから選手はこの記事に登場しません。
パレードはアーセナルの本拠地エミレーツ・スタジアム周辺で開催されるらしい。どこが最寄り駅かわからないが、ユニフォームを着た人についていけばなんとかなるだろうと思い、一緒に地下鉄に乗る。すると、駅に止まるたびにユニフォームの人が増え、もはやアーセナルファン専用車両状態に。
いくつ目かの駅で彼らが一斉に降りようとしだしたので、流れに乗って下車。地上へ上がる階段はファンで埋め尽くされている。

改札のあたりで、すでにコールを叫ぶファンが多数。ちなみにこの時点で昼間の12時くらい。パレード開始までまだ数時間ある。待機中にこのテンション、選手が現れたらどうなっちゃうんだろうか。
とりあえずファンたちについて歩いていく。


進めば進むほど、街が赤く染まっていく。そしてついにパレードのルートにたどり着いた。

あちこちで発煙筒が炊かれ、近くを通ると目が痛い。

でもチャンピオンズリーグの決勝の相手、パリ・サンジェルマンの本拠地パリで暴動が起きたことを思えば、これでも紳士的なのかも。人混みの中をすれ違うときにはお互い「Sorry.」と言い合ってるし。
本拠地エミレーツ・スタジアムの方へ。スタジアムの前では、なんか踊っている人がいた。
こっちでも発煙筒。


警察もいるが、騒ぐファンに注意したりはしない。上空では何機ものヘリコプターがずっとホバリングしている。報道なのか警備なのか。
ひっきりなしに笛の音が鳴っていて、耳が痛くなってきたので近くの店で休憩しようとしたが、店内は音楽が爆音で流れており、むしろ中のほうがうるさくて退散。
とにかくどこに行ってもファンだらけ。ちなみにアーセナルファンのことは「グーナー」と呼ぶらしい。パレードには100万人ものグーナーが集まるとか。マジか……。
すでに路肩は人で埋め尽くされているので、みんなできるだけ高いところに行こうとする。



屋根の上に人がびっしり。ファンじゃない住民はどうしてるんだろう。この日はどこかに避難してるんだろうか。

人であふれる歩道を2時間くらい歩き、不安になりはじめる。これ、夕方までに空港に行ける?
道の向こう側には限られた箇所でしか行けず、人が多すぎて進めなくなっている場所も多数。歩いてすぐの場所にあるはずの駅に全然たどりつけない!
さらに…ようやく駅にたどり着いたのに、パレードのために封鎖されていた。別の駅やバス停を探そうとするも、人が集まりすぎているからか、スマホの電波がつながりにくく、Googleマップでの検索もはかどらない。
どこを歩いても、ファンの壁に阻まれる。

警察官に駅やバス停の場所を聞いてみるが、パレードのために他の地域から集められているのか、「知らない」「わからない」と言われるばかり。やばい、本当にフライトに間に合わなくなるかも。
こうなったらAIに頼るしかない。息も絶え絶えの電波のご機嫌をうかがいながら、Geminiに聞いた。


一応確認を入れておく。

エセックスロード駅まで行けばなんとかなるらしい……のだが、駅がある通りもパレードの会場になっている。


「信じて大丈夫」と言われたので進む……が、やっぱり封鎖されていた。警察官に「No!」と一蹴されて引き返す。

もう鉄道を使うのは諦めろとのこと。こちらもGeminiを諦め、Claudeに聞いてみたら「わかりかねます」との返答。潔いけどもう少しがんばってくれ……。
しかし優勝パレードの現場に来て、途中で帰りたい奴なんて何十万人の中に僕くらいしかいない。AIが知識を蓄えていないのも当然か。
焦る中、ここに来たのとは反対に、ファンの動きに逆行するように歩けばいつかエリアから出られるのでは? と思いつき、ファンが向かってくる方向を選んで歩き続けたら、何人かが待っているバス停を発見。
とりあえず来たバスに乗ってパレードのエリアを脱出し、なんとか空港へつながる駅までたどり着けた。危なかった……。
あとから調べてみたら、優勝パレード開催中に周辺地域で16人が逮捕され、刺傷事件が起きて1人が病院に搬送されていたとのこと。
そのまま残っていたら怖い思いをしたかも。でもいつか、ちゃんと選手が出てくるところまで見てみたい。このエネルギーが最高潮を迎える瞬間を体験してみたい。
