この家にいる人たちが愛おしくて仕方ない
今日の昼ご飯
あーおいしい♪
人生で初めて、つくねを作った。
食べてみたら、
「あー、おいしい♪」
居酒屋とかで、
友達と話に夢中になっているのに、
「あれ? これうまいよ!」
って、話を中断するくらい。
うちの奥さんなんかは、
「ご飯がおーいしい♪ ご飯がおーいしい♪」
って、ダンスをする始末。

こうやって、
こんなにおいしいことを二人で共有できるのは、
とっても幸せなことなんだなって
つくづく思う。
今が人生で一番、
おだやかで、一番幸せな時間かもしれない。
いや、そういうと嫌だな。
今がこれまでの人生で一番で、
これからもずっと、そういう幸せな時間を
感じる人生であってほしい。
いや、
「あってほしい」じゃなくて、
感じる人生である。
ん?
ま、いっか。
ぱんちゃんと二人で、
奥さんが帰ってくるのを待つ。
奥さんが帰ってきて、
「ぱんちゃん、〇〇ちゃん帰ってきたよ」
と言うと、
「ワン!」
って、ぱんちゃんがダッシュで奥さんに向かっていく。
ひとしきり、
奥さんとぱんちゃんのじゃれ合いを見る。
ほっこりする。
奥さんは、ぱんちゃんのにおいが大好きなので、
特ににおいが強めのお耳のにおいを嗅いで、
「は~。今日一日、ぱんちゃん不足で辛かったよ~。
これでぱんちゃんを補充~」
と言って、体中のにおいを嗅ぐ。
お耳から始まり、
肉球にいって、お腹。
それで補充が完了したのか、
満足して、お風呂に入りにいく。
ぱんちゃんは、
シーズーってそういうところがあるんだけど、
最初こそ、
帰ってきた奥さんにべったり。
でも、割と早い時間で満足する。
だから、そのあとは
あまり近寄られると、
少しだけ迷惑そうな表情をする。
でも、そんなこと1000年前から二人とも知ってて、
それでもぱんちゃんから離れたくないから、
とにかく自分の
「ぱんちゃんメーター」
が満タンになるまで終わらない。
それが終わるまでは、
ぱんちゃんは無になって、
遠くを見ている。
そんな細かい描写を書けるくらい、
自分の大切な人たちを
いっぱい見て、
いっぱい笑っている。
いろいろな
「今日のぱんちゃん」
のことを話して、
「今日の夜ご飯は何?」
と聞かれて、
「ゴーヤチャンプルーだよ」
って言ったら、また、
「ごーや、ごーや♪」
って体を左右に揺らして、
うれしさを体で表現する。
そういうのを見て、
また笑う。
この家にいる人たちが、
愛おしくて仕方ない。
ものすごく特別なことが
起きているわけではない。
人生初のつくねがおいしかった。
奥さんが踊った。
ぱんちゃんを補充した。
ぱんちゃんは無になった。
今日の夜ご飯の話をした。
ただ、それだけ。
でも、
そんな細かいことを一つ一つ覚えていて、
それを書きたいと思えるくらい、
私は今、
この時間をちゃんと見ているんだと思う。
この幸せな空間にいられるだけで幸せ。
そして、
できることならこれからも、
「今が一番幸せかもしれない」
って何度も思いながら、
歳をとっていけたらいい。
……いや、
「あってほしい」じゃなくて、
そういう人生である。
ん?
やっぱり、ま、いっか。
休職320日

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