早めに辞めようね
note企画でこれからのキャリアというのを書いているらしい。
キャリアといっても医療職の私にはあまり実感のないネタでもある。
しかしながらこれでも3回の転職というか職場を変え、時には違う仕事も経験したため、ためになるかは分からないけれど書いてみよう。
私の仕事は看護師だ。病院という一つの閉じられた世界で
数の暴力で組織にモノをいい
軍隊のような規律を持って連携し
女社会という特殊な環境下で、陰湿な行いをし
個人能力に差が出るため各々が得意武器を装備して特化する
それが看護師だ(※個人の主観です。感じ方には個人差があります)
この仕事について十数年経つが、経歴としては中々異例で一般病棟のちゃんとした経験はほぼない。睡眠障害という持病により夜勤が出来なかったためだ。
転々と異動や転職を繰り返して、今の職場に辿り着いたわけだが、過去には自分の経歴に悩んだりもした。
夜勤ができないため夜勤がある部署は難しい。
正確には夜にしっかり睡眠を取ることができれば問題ないのだが、組織はめんどくさい人材は嫌いなのでアレコレ理由をつけて働く場所を指定してくる。
本音としては辞めさせたいのであっただろうと思う。
ここ最近は職業人口減少を背景に、身体の病気以外にもメンタルの問題だったり、そもそも性質的に問題がある人だったり働き方改革で子どもがいる家庭への配慮などで、人を選んでいられる場合ではなくなってきているようだ。
私はそれを逆手に自分を売り込んだ。
例え持病があっても、元から夜勤がない部署や分野でなら働くことができる。
特殊な経歴をプラスにとらえ、就活以上に履歴書を書きまくり、面接にいきまくり、落ちまくった。
世の中そんなに甘くないね。
持病以外にも性別だったり、周りからの要望だったり、ね。
それでも自分の武器で戦える場所は探せばあるもので。
今の職場には自分の持病もカミングアウトした上での採用でした。それでも風当たりは強いけどね。
それなりの年数になったもんだから、後輩にもキャリア相談されるんだけど、そういう時に開口一番言うのは
「早く辞めなね」
大抵の人にはびっくりされるんだけど、ちゃんと理由がある。
看護業界は売り手市場。金銭面の条件では地域差はあれど、その地域内では格差は少ない。東京や大阪などの大都市では高い傾向にあり、人口が減れば給与も減少する。しかし最低ラインはあまり変わらない。
夜勤があるか、クリニックか大病院か。経験年数は。それくらいでおよその収入は予想がつく。(※企業系病院はそうではないことがある)
これは診療報酬という特殊なお金の動きがあるため、全国どこでも保険点数で医療の報酬が決まっているからだ。ということは、単価は変わらず患者の回転数で報酬が決定するので、看護師の報酬は高すぎず低すぎずを狙うと大体同じような金額になるのだと予想。
であれば、これからどうしようかと悩む若手に、一度やめてみる選択肢を出すのだ。
辞めてみることで一度自分の能力と働く環境を俯瞰できるので、他の条件が良いならそっちでいいし、戻りたいなら(ほとんどの病院は)戻ることができる。
夜勤が辛いなら、日勤のみのクリニックや訪問看護(夜間コールなしの場合)
自分のスキル面や教育に悩むなら大病院や地域一大きい系に。
そもそも看護師が嫌ならカフェ店員でも公務員でもなんでもやってみるといい。
しかし公務員など応募に年齢制限があったり、大病院系はあまりベテランを積極採用しないことがあるため、ぐだぐだしているくらいならさっさと転職した方が良いのだ。
この業種は「やりがい売り」が顕著である。世間の思う看護師みたいなのがある為、なぜか業界も優しさだったり思いやり的なのを売りがちだ。他にも教育の充実性であったり「こんな技術や知識が学べますよ」みたいなスキルを売ってくる。
ぶっちゃけ今時こんなものは時代遅れであるのにも関わらず、世の中のお偉い看護師さんたちはやりがいを売って若者に嫌われるのだ。
そういう鬱陶しいことを抜きに、業務内容、金銭面、残業の過多、休みの取り方をちゃんとしているならそういうハードの面を売りにした方がわかりやすいし、ちょっと働いた看護師には響きやすい。
訪問看護はベンチャーみたいな側面があるから結構そうしたことをちゃんと推してくるところもあるけどね。ただし訪問看護の方がキツい時もある。自分の働きと時間がダイレクトに報酬へつながるため病院とは違う難しさがある。
こうしたことは一度やめてみて、経験しないことには分からない。
特殊な業態の話をしたが、一般企業であったとしても自分がその会社を俯瞰してみることができるのは辞めた後しか分からないと思う。
本当に自分がその会社を続けていけるのか、自分を殺してまで会社にいなくてはならないのか。
分からなくなっているなら辞めてしまおう。
大丈夫。死にはしないさ。

