うつ病治療にインプラント? 障害年金問題再び。【気になるメンタルヘルスニュース】
なんだか少し疲れたな、と感じることはありませんか。
毎日を生き抜くだけで精一杯の方もいると思います。
私も「心」については、日々情報を集めています。
日々記事を書くためにも、自分のためにも。
けれど、気になるニュースはたくさんあっても、全てを調べて記事にするのは、なかなか難しかったりします。
そこで新しい試みとして、まずは個人的に気になるメンタルヘルスや福祉関連のニュースを取り上げ、精神疾患を持つ当事者の立場からコメントしてみようと思います。
今回は、こちらの3件をピックアップしました。
もしご興味があれば、覗いてみていただけると幸いです。
1. うつ病に効果的なインプラント
研究者らによると、迷走神経刺激療法(VNS)は、長年にわたり治療抵抗性のうつ病に苦しんできた多くの人々の症状を改善させ、その効果が少なくとも2年間持続することが確認された。被験者の大半は数十年にわたってうつ病と闘い、ほぼすべての他の治療法を試した上でこの治療を受けていた。
1年後に改善が見られた患者は、その後も症状の改善を維持またはさらに進展させる可能性が非常に高かった。さらに、当初は反応が見られなかった一部の患者も、より長期の治療後に改善を示した。
こちらの記事では、ワシントン大学の比較的大規模な研究が取り上げられています。
体(頸部)にデバイスを埋め込み、慎重に制御された電気信号を送り、迷走神経を刺激する。この治療、難治性のうつ病に効果があったと。
しかも、一時的な効果ではなく、長期的な影響も調査されています。
積極的にこの治療を行った214人のうち、約69%の方が、約1年後の調査でも有意義な反応をされているとのこと。
※迷走神経刺激が必ず何らかの治療効果を発揮するということではありません。
私自身も繰り返すうつ病のような持病(双極性障害)があります。
そんな私はいつも思うのですが、うつ病、抑うつ状態には二度となりたくありません。
一言で説明するのは難しいものですが、人生の意味や未来を全く信じられなくなる体験です。
うつ病で苦しむ方は年々増えているという事情もあります。繰り返される方もいらっしゃいます。
こうした画期的な治療でうつ病が改善するなら、体にデバイスを埋め込むという少しSFチックな手段であっても、試してみたいと思う方は確実にいるはず。
とはいえ、日本で認可される日が来るのかはわかりません……。
(てんかんの治療としては認められていますが、うつ病ではまだ認可されていません)
でも長年薬を飲み続けたり、もっと過激な治療と比べると、むしろ体への負担は少ないケースも多いはずです。
しかも、少し調べたところ、体に埋め込まない装着型デバイスも開発されているそうです。(日本では一般的ではありません)
安全性の確認はもちろん必要ですが、個人的には、なんとも希望の持てる研究だと感じました。
2. 障害年金、医師の判定結果を日本年金機構職員が独断で破棄
少し前に、福祉界隈で大きなニュースになっていました。
(障害年金は、身体障害や精神障害(うつ病含む)を持つ方が受給できる可能性のある年金です。)
センセーショナルな見出しですよね。
ただ、よく読むと水際作戦で支給を渋っている…とは限らないようです。
公式な発表ではありませんが、報道によれば
「判定プロセスの中で、支給・不支給を決める医師の判定に整合性が取れないと職員が判断した場合は、結果を破棄して別の判定医にまわす」
のが常態化していたということみたいなんです。
でも、こういう風に職員の方が、ある程度恣意的な判断を加えることには、良い面もあれば悪い面もあります。
それで救われた方もいるのかもしれません。
かといって、それは…職員の方が判断することなのでしょうか? だとしたら、判定医の存在には何の意味があるのでしょう。
そもそも診断書を書く医師、それとはまた別の判定する医師によって「厳しい」「甘い」がバラつくこと自体が問題ではないでしょうか。
職員が「おかしいな」と思ったら結果がひっくり返るのは、そもそも医師の判定が形骸化している証拠です。
こちらの記事に続報が書かれています。
厚労省は、認定調書が残っていた811件のうち(2025年10月以降分)、認定医が変わり、判定結果が不支給または下位等級に変更になったのは17件あったが、いずれも妥当だったと結論付けた。
それに対して日弁連は、811件中、判定結果が出ていたのは527件あり、そのうち半数近い43%(229件)は認定調書の作り直しにより判定結果が変更されていることを踏まえると、「作り直しの主たる目的は日本年金機構が判定結果を変更させることにあったと考えるのが合理的」と指摘した。
日弁連は現在の判定システム自体に改善を求めています。これはもう以前からずっと繰り返していますね。
でもそっちより、よく数字を見ると、811件中、受給者に不利な判定に変わったのが17件と書いてあるんですよね。
ということは、日弁連が主張する、判定が変更された229件のうち212件は「受給者に有利な判定」に変わった、ということではないでしょうか。
つまり、それだけ、職員さんから見て、医師の判定が「厳しすぎた」のかもしれません。そしてその「配慮」がなければ、その212件の方はより不利な判定を受けていた可能性が高い…とも読み取れます。
(ただし、厚生労働省は再判定の理由は書類の不備であるとしていて、職員による恣意的な操作を認めていません。日弁連は43%も後で判定が変わってるんだから、書類不備という説明は通らないだろうと、数字をつきつけていますが)
…この事態、問題はあるのですが、果たして誰か「悪い」人がいるんでしょうか。
・診断書を見て支給/不支給の判定を下す医師。
(状況や個人の感覚で判定結果が左右)
・判定が甘い/厳しいと感じて判定をやり直させているらしい、年金機構の職員。
(医師の判断は信用できず自分たちのナレッジで判断した方が確度は高い。でも名目上医師の判定なく支給判断はできないので、仕方なく現場の都合で操作していたかもしれない)
・「結果として受給者に不利のない変更の方が多いし、操作ではなく書類不備だ。問題ない」と主張する厚生労働省
(むしろ受給者のためなんだからと、なぁなぁにやりたいのかもしれない。しがらみもあるし)
・そんなにコロコロ変わる、信頼性の低い判定プロセス自体に問題があるのではないか。見直すように、と主張する日弁連
(正論)
誰かを責めれば終わりという問題ではなく、構造が少し歪んでいるのですよね。
3. 旧優生保護法の被害者、補償に向けて
こちらは明るいニュースです。
以前にも記事に書いたのですが、1996年まで、日本では旧優生保護法により、障害者の強制不妊手術を行うことが合法とされていました。
こうして書くだけでも、恐ろしい人権侵害です……。
けれど、なんと2024年まで、「違憲」という法的な判断は出ていませんでした。
だから悲しいことに、被害者への補償も進んでいません。
私自身も障害があります。
生まれた時代が違えば、私もこういう風に訳の分からない手術を受けさせられていた可能性はゼロではありません。
被害を訴えても誰にもとりあってもらえず、誰からも補償もしてもらえない。
被害者の方の気持ちを考えると、なんとも悔しい思いに駆られます。
そんな中で、補償はすでに始まっています。
・不妊手術、中絶手術の被害者は計8万4000人いるとされる中、補償法の認定は2%しかない。
・不妊手術被害者に補償金1500万円、中絶手術被害者に一時金200万円
・補償法などに関する相談窓口は全都道府県にあり、弁護士による補償金申請の支援も受けられる。
もし、これを読んだ被害者の方がいらっしゃれば、申し出られることを強くお勧めします。
1996年まで合法だったわけですから、可能性としては、一番若い方で30歳前後ですよね……。
今まさに、子供が欲しいと思っていた方もいらっしゃったはずです。
それを考えると、なんともやりきれません。
もちろん、お金で奪われたものが戻ってくるわけではありませんが、だとしても、少しでもお気持ちや、今の人生や環境を整える術になるなら…。
補償に関する法律の認知度が低いこともあって、申し出られている方はごく少数です。なんとかもっと補償が進んで欲しいと、個人的には願っています。
以上でした。気になるニュースはありましたか?
ちょっと福祉に寄り過ぎてしまいましたが、少しでも、メンタルヘルスについて知るきっかけになれば心から嬉しく思います。
また気になるニュースがあれば、共有していきますね。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
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