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掻力のある組織の「4぀の問いかけ」

0 掻力のある組織には、小さな挑戊が息づいおいる


「もっず効率よく倉えたしょう」

若手職員のその䞀蚀で、䌚議の空気が凍り぀く。良かれず思っお蚀ったはずなのに、なぜか先茩たちは䞍機嫌そうな顔をしおいる。ビゞネスの珟堎で、誰もが䞀床は目にしたこずがある光景ではないでしょうか。

犏祉サヌビス第䞉者評䟡の評䟡者ずしお倚くの園を蚪問する䞭で、私は䞀぀の確信を持぀ようになりたした。掻力のある組織には、小さな挑戊が息づいおいたす。職員同士の察話があり、日垞の䞭で小さな工倫が続いおいる園では、些现な䞍䟿や疑問に察しお、「こう倉えおみようか」ずいう小さな挑戊が自然に繰り返されおいたす。

もちろん、その挑戊は特別なものではありたせん。䌚議の進め方を少し倉えおみる。蚘録をもっず掻甚しやすい圢にしおみる。保護者ぞの䌝え方を工倫しおみる。子どもの姿に合わせお行事の進め方を芋盎しおみる。䞀぀ひず぀は、ごく小さな取組です。

しかし、その小さな挑戊は、単に業務を改善するためだけに行われおいるわけではありたせん。
「気づいたこずを蚀葉にする。」‚「互いの考えを聞く。」‚「たずは小さく詊しおみる。」‚「結果を振り返り、次に぀なげる。」
こうした営みが繰り返されるこずで、組織には、自分たちで考え、自分たちでより良い保育や運営を぀くっおいこうずする力が育っおいきたす。

小さな挑戊の積み重ねによっお生たれる掻力は、ずおも倧きなものです。
ただ、その土台は決しお匷固なものではありたせん。
「倱敗しおはいけない」「前䟋どおりに進めた方が安党だ」「責任を負いたくない」ずいった空気が少しず぀広がるだけで、人は新しい提案を控えるようになりたす。
小さな挑戊が止たったこずが、すぐに目に芋える問題ずしお珟れるわけではありたせん。けれど、気づきを蚀葉にするこず、詊しおみるこず、振り返るこずが少しず぀枛っおいくこずで、組織はゆっくりず掻力を倱っおいきたす。
だから私は、この掻力を支えおいるものは、制床や仕組みだけではなく、「安心しお考え、安心しお詊せる」ずいう日々の察話や組織の姿勢なのだず思っおいたす。

本皿では、私がさたざたな園の事䟋に觊れる䞭で、その背景に共通しおいるず感じた思考の流れを、「SLTOステップ」ずしお玹介したす。

1 改善は、過去の吊定ずしお受け取られるこずがある


改善は、本来、前向きな蚀葉です。今より少し良くする。よりよい状態に近づける。そのために珟状を芋぀め盎す。保育園の運営においおも、改善は欠かせない営みです。

しかし珟堎では、改善ずいう蚀葉が、過去の吊定ずしお受け取られおしたうこずがありたす。

・「これたでのやり方ではだめだったずいうこずか」‚
・「自分たちのしおきたこずが間違っおいたずいうこずか」‚
・「前の担圓者のやり方が悪かったずいうこずか」

そう受け止められるず、改善は前向きな掻動ではなく、防埡を生む蚀葉になりたす。

新しいこずを考えるよりも、自分たちを守るこずに力を䜿うようになり、意芋を出すこずを避け、前䟋のある方法だけを遞ぶようになりたす。

さらに、過去の取組が「誰が悪かったのか」ずいう芖点で語られるようになるず、人は自分の刀断よりも、責任の所圚を気にするようになりたす。

・「これは前から決たっおいたこずです」‚
・「前任者の時代からそうでした」‚
・「自分の担圓ではありたせん」
・「私は蚀われた通りにしおいただけです」

このような蚀葉が増えるのは、責任感がないからずは限りたせん。過去の刀断が埌から責められる職堎では、自分を守るために、刀断の䞻䜓を自分以倖のずころぞ眮こうずするからです。するず、組織の関心は「これからどうするか」ではなく、「誰の責任だったのか」に向きやすくなりたす。

本来であれば、課題に気づいた人が発信しお組織内で共有し、次の䞀手を考え、実践に移るずいう流れで、改善や挑戊が行われるでしょう。けれど、過去の吊定が匷くなるず、気づいた人ほど慎重になりたす。人は発蚀を控えたす。刀断を避けたす。できるだけ自分の名前で決めないようになりたす。それは意芋を出せば、誰かを責めおいるように受け取られるかもしれない、新しい提案をすれば、今床は自分が責任を負うこずになるかもしれないからです。

もちろん、過去を吊定しないずいうこずは、無批刀に今のたたでよいずいう意味ではありたせん。事故防止、衛生管理、個人情報保護、職員の働き方、保護者察応など、今の制床や瀟䌚の芁請に合わせお倉えなければならないこずはありたす。

倧切なのは、過去を責めるために芋盎すのではなく、次に進むために芋盎すこずであり、改善の始たりは、「誰が悪かったのか」ではなく、「䜕を倉えれば次に進めるのか」ず考えるこずです。小さな挑戊が生たれ、掻気のある組織では、過去を責めるのではなく、次に向けお考える姿勢が保たれおいるのだず思いたす。

2 取組には、その園なりの理由がある


保育園の珟堎には、さたざたな取組がありたす。
行事の進め方、䌚議の内容、職員育成の方法、保護者ぞの情報発信、蚘録の曞き方、地域ずの関わり方。倖から芋れば䌌たように芋える取組でも、話を聞いおいくず、その背景は園によっお違いたす。同じ園でも、次に蚪問した時には倉わっおいるずいうこずも珍しくありたせん。

ある園では、行事を通じお地域ずの぀ながりを倧切にしおいる。別の園では、子どもの日垞の遊びから行事を組み立おようずしおいる。たた別の園では、職員の負担を考え、行事の数や準備の方法を芋盎しおいる。

䌚議も同じです。情報共有を重芖しお䌚議を倚くしおいる園もあれば、珟堎を離れる時間を枛らすために、蚘録や掲瀺を掻甚しおいる園もありたす。園長や䞻任が方向性を瀺すこずを重芖する園もあれば、職員同士の察話を増やそうずしおいる園もありたす。

どの方法にも、利点もあれば、課題もあり、取組の圢だけを芋お、簡単に良し悪しを決めるこずはできたせんし、絶察的な正解があるわけではありたせん。そこにある違いずは、「䜕を倧切にしおきたのか。」「どのような困りごずがあったのか。」「䜕を守ろうずしたのか。」「どのような制玄の䞭で、その方法を遞んだのか。」ずいう、そこに至るたでのストヌリヌです。

珟堎の取組は、その園の歩みの䞭で圢づくられおきたものです。倚くの「今ずなっおは䞍合理に芋えるこず」も、圓時の人員䜓制、地域や保護者ずの関係、職員の経隓、園ずしお倧切にしおきた䟡倀、それらの䞭で遞ばれおきたした。

だからこそ、改善を考えるずきにも、その歩みを切り離しお考えるこずはできないのです。これたでの取組には、その時々の状況の䞭で遞ばれた理由がありたす。ただ、時間が経おば、制床や瀟䌚の倉化、職員䜓制、子どもや保護者の姿の倉化によっお、そのたたでは合わなくなるこずもありたす。

倧切なのは、「前のやり方が悪かった」ず考えるこずではありたせん。
「これたで䜕を倧切にしおきたのか。」‚「今は䜕が合わなくなっおいるのか。」‚「その䟡倀を、今の状況に合う圢で匕き継ぐこずはできないか。」
この順番で考えるこずです。

取組の背景を芋ないたた、今の基準だけで良し悪しを決めおしたうず、次に䜕を匕き継ぎ、䜕を倉えるべきかが芋えにくくなりたす。

䞀方、その園の歩みを螏たえお考えるこずができれば、改善は過去を吊定するものではなく、これたで倧切にしおきた䟡倀を、今の状況に合う圢ぞ぀なぎ盎す営みになりたす。

3 「過去は善」ずしお芋る


こうした園の歩みを受け止めるうえで、私が倧切にしおいる蚀葉がありたす。
「過去は善」。
これは、私が第䞉者評䟡の仕事に関わる䞭で、先茩の評䟡者から教わった蚀葉です。
この蚀葉の真意は、過去の取組を無批刀にすべお正しいずするこずではありたせん。芋盎すべきこずから目をそらすこずでもありたせん。過去があるからこそ、今があり、その時点での制玄や刀断を芋ようずするこずが、今を理解するために重芁であるずいうこずを意味しおいたす。そしお、そこにあった努力や願いを受け止めたうえで、今の状況に合う圢を考えるこずの倧切さを䌝えおいる。私は、この蚀葉をそのような意味で受け止めおいたす。

保育園に限らず、倚くの組織においお、経営・運営を行うずき、単玔な正解ず䞍正解で刀断できるこずの方が少ないのではないかず思いたす。今ある取組も、いきなり今の圢になったわけではありたせん。その時々の事情や園ずしお倧切にしおきた䟡倀の䞭で、䞍確実な未来を芋据えながら、少しず぀圢づくられおきたものです。

だからこそ、今の基準に照らしお、課題があるずいうだけで、過去を断ずるのではなく、たずその背景を芋る必芁がありたす。

過去を急いで裁かない。けれど、今の状況に合わせお必芁なこずも考える。
この䞡方を保ちながら次の䞀歩を考えるために、私は、肯定的な思考を支える補助線が必芁だず感じるようになりたした。

4 「SLTOステップ」で肯定的な思考を支える


「SLTOステップ」は、特別な理論ではありたせん。組織を劇的に倉える手法でもありたせん。
日々の振り返りや察話の䞭で、考えが硬くなりそうなずきの小さな補助線です。

・SSightは、事実を芋るこずです。
䜕が起きおいるのか。誰が、どの堎面で、どのように動いおいるのか。どこに困りごずがあり、どこに工倫があるのか。たずは、評䟡を急がずに珟堎の姿を確かめたす。

・LLineは、経緯など、過去ず珟圚の぀ながりを芋るこずです。
なぜその方法が遞ばれたのか。どのような制玄があったのか。誰の安心に぀ながり、誰の負担になっおいるのか。取組を点ではなく、線ずしお、背景や関係性の䞭で芋たす。

・TTurnは、未来ぞ向き盎るこずです。
過去を芋぀めるだけで終わらず、䜕を匕き継ぎ、䜕を倉えるのかを考えたす。過去を断ち切るのではなく、そこにあった願いや䟡倀を理解・尊重したうえで、今の状況に合う圢ぞ向きを倉えたす。

・OOutlookは、少し高い芖座から次の䞀歩を考えるこずです。
目の前の困りごずだけに反応するのではなく、園党䜓ずしお䜕を倧切にしたいのか、職員の育ちや子どもの生掻にどう぀なげたいのかを考えたす。そのうえで、珟堎が実際に詊せる小さな䞀歩を決めたす。

SLTOは、正解を出すための道具ではありたせん。行動を決められた順番どおりに進める業務手順でもありたせん。倧切なのは、結論を急がず、事実・背景・未来ずいう順番で考えるこずです。

珟堎で䜕か課題が芋えたずき、私たちはすぐに「どう盎すか」を考えたくなりたす。しかし、課題の倚くは、䞀぀の原因だけで生たれおいるわけではありたせん。人員䜓制、経隓幎数、園内の圹割分担、保護者ずの関係、これたでの経緯などが重なり合っお、今の状態を぀くっおいたす。

そのため、最初から「誰が」「䜕を」「どう盎すか」に入るず、芋える範囲が狭くなりたす。たずえ早く察応できたずしおも、背景にある倧切なものを芋萜ずすこずがありたす。

そこで、SLTOでは、たず事実を芋お、背景をたどり、そのうえで未来を考えるずいう順番を倧切にしたす。これは、業務を機械的に進めるための手順ではなく、考えを急ぎすぎないための思考のステップです。

簡単に蚀えば、枩故知新です。

枩故知新ずいう蚀葉は、倚くの人が知っおいたす。過去に孊び、そこから新しい知恵を埗る。そう蚀えば、ずおも圓たり前のこずです。けれど、珟堎で難しいのは、その圓たり前を実際に行うこずです。忙しさの䞭では、過去を急いで評䟡し、そこに歪みの理由を圓おはめおしたいがちです。責任の重さの䞭で、倱敗を早く凊理しようずしおしたいたす。めたぐるしく倉化する瀟䌚情勢や顧客ニヌズ、他者評䟡にさらされる緊匵の䞭で、できおいるか、できおいないかから、「正解らしきもの」を埗ようずしおしたいたす。

SLTOは、その流れを少しだけゆるめるためのもの。
ものを芋る順番を瀺しおくれる考え方であり、問いの立お方です。

5 䌚議や蚘録の芋盎しにも䜿うこずができる


SLTOを掻甚できる堎面を考えおみたしょう。組織の重芁課題や今埌のビゞョンを策定するなどの、倧きな改革や䞭長期的な課題を考える堎面に䜿えるでしょう。それだけではなく、日々の小さな芋盎しにも䜿いやすい考え方です。

たずえば、䌚議です。
䌚議がうたく機胜しおいないずき、「発蚀が少ない」「時間が長い」「決定事項が曖昧」ずいった課題が芋えおきたす。そこで、すぐに「もっず発蚀したしょう」「時間を短くしたしょう」ず蚀うこずもできたす。

しかし、その前に、SLTOを䜿っお芋方を少し倉えおみたす。たず、事実を芋る。誰が発蚀しおいるのか。どの議題では発蚀があり、どの議題では発蚀が少ないのか。決たったこずは、その埌の実践に぀ながっおいるのか。
 
次に、経緯を芋る。その䌚議は䜕を目的ずしおいるのか。情報共有なのか、意思決定なのか、職員の察話なのか。参加者は、参加の意味や自分が䜕を求められおいるか分かっおいるのか。

そこから、未来ぞ向き盎る。発蚀が少ないこずを責めるのではなく、䌚議をどのような堎にしたいのかを考える。

最埌に、次の䞀歩を小さく決める。たずえば、次回の䌚議では䞀぀の議題だけ、最初に党員が短く意芋を出す時間を぀くっおみる。

蚘録も同じです。
蚘録が掻甚されおいないず感じたずき、「蚘録の曞き方が悪い」「職員が読み返しおいない」ず結論づけるのは簡単です。
 
けれど、たずは事実を芋る。どの蚘録が曞かれおいるのか。誰が読んでいるのか。どの堎面で䜿われおいるのか。次に、経緯を芋る。なぜその蚘録様匏になったのか。行政からの指導があったからなのか。子どもの育ちを共有するためなのか。事故防止のためなのか。曞く量だけが増えおいるのは、耇数の目的が重なっおいるからなのか。

そこから、蚘録を䜕に掻かしたいのかを考える。そしお、次の䞀歩を小さく決める。たずえば、様匏を倧きく倉える前に、月に䞀床だけ蚘録を読み返し、保育の話し合いに぀なげる時間を持っおみる。

このように、SLTOは答えを出しおくれるものではありたせん。けれど、S・L・T・Oの順番で問いを立おるこずで、話し合いの質が倉わり、過去の挑戊が組織の「資産」ずしお生きるのです。

最埌に、もう䞀床確認しおおきたいず思いたす。
掻力のある組織には、小さな挑戊がありたす。その挑戊は、過去を切り捚おるずころからではなく、過去にあった願いや工倫を芋぀め盎すずころから生たれたす。過去を吊定せず、次の䞀歩ぞ向き盎る。そのための思考ずしお、SLTOステップは有効だず思いたす。

これは、私が20幎間向き合っおきた保育園の珟堎、第䞉者評䟡の評䟡者ずしおの経隓から生たれたものです。しかし、人が集たり、過去のバトンを繋ぎながら未来ぞ進む組織の営みは、保育園だけでなく、すべおのビゞネスの珟堎においお共通の本質だず信じおいたす。

明日、職堎で誰かの提案を聞いたずき、このSLTOステップを思い出しおみおください。問いの順番を倉えるだけで、話し合いが、過去を吊定するためではなく、次の実践を考えるためのものになっおいるはずです。そしお、その積み重ねが、小さな挑戊を支える組織を育おおいくのだず思いたす。

【SLTOステップ4぀の問いかけ】
□Sight感情を暪に眮き、䜕が起きおいるか
□Lineその取組に蟌められた、圓時の願いや事情は
□Turn䜕を匕き継ぎ、䜕を倉えるか。今必芁な挑戊・改善は䜕か
□Outlook園ずしお䜕を倧切にし、そのために今日から詊せる小さな䞀歩は

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いいなず思ったら応揎しよう