「夕風」の意味を、あえて検索しませんでした。── 答えが出るまでの時間について。
【朝】雨で、稲刈りが待ちになりました
8月29日、土曜日。
昨日の土曜日は、毎年恒例の稲刈りの日として予定を空けていましたが、 朝からの雨で、田んぼが乾くのを待つことになりました。
どれほど世の中がデジタルに進化しても、自然の摂理には抗えない。
そんな気づきとともに、ゆっくりとした1日が始まりました。
娘は、元気に出発しました
昨日の体調不良が嘘のように回復した娘は、 元気に療育機関へ出発しました。
「土曜日に預けるなんて」という親の小さな罪悪感を吹き飛ばすほど、 彼女自身が心から楽しんで通ってくれることに救われています。
訪問看護師さんからも体調を気遣うご連絡をいただき、 私たちは本当に多くの方に守られているのだと胸が熱くなりました。
【朝】トイレ掃除に、没頭しました
娘を送り出した後の土曜の朝は、我が家の1週間を形作るリセットタイムです。
洗剤の補充といった名もなき家事に加え、 私が最も没頭したのは、入念なトイレ掃除と床の拭き上げでした。
昔は、好きではありませんでした
昔は掃除が好きではありませんでしたが、今は違います。
無心で汚れを落とし、床を磨き上げる作業は、 まるで自分自身の心のなかを拭き上げているような感覚があり、 今では好きな時間になりました。

【午前】何年も続けてきたことに、反応がありました
実は昨日、就労支援の活動で、少し大きな動きがありました。
私がこれまで草の根で続けてきた 「通信制高校と就労支援の連携」という取り組みについて、 ヒアリングの依頼が来たのです。
ずっと、気になっていたことでした
私は以前から、通信制高校に通う生徒たちの就職活動に、 強い危機感を抱いていました。
就職には入念な準備と情報収集が不可欠です。
でも、私が関わってきた範囲では、 就職に向けた準備が十分に届かないまま 卒業を迎えてしまう子がいました。
だから、こう考えていました
通信制高校の先生方とうまく連携し、 早期から就労支援に結びつけ、本人が希望する仕事へと繋いでいく。
この導線が必要だと信じて、活動を続けてきました。
何年も、返事はありませんでした
正直に書いておくと、この取り組みは、 長いあいだ何の反応もありませんでした。
続けていて意味があるのか、分からない時期もありました。
それが昨日、初めて外から反応が返ってきた。
まだ何かが決まったわけではありませんし、 これから話を聞いていただく段階です。
それでも、少し胸が高鳴りました。
【午後】図書館で、選ぶ本が変わっていました
稲刈りの待機時間を利用して、妻と息子と3人で図書館へ。
娘のケアがない分、じっくり本に向き合えたこの日、 私の選ぶ本に、明らかな変化が現れました。
以前なら、効率とビジネスでした
以前なら、効率やビジネス、メンタル系の本を探していたはずです。
でも一昨日、自然と手が伸びたのは——
俳句、写真集、旅行、道の駅、器。
感覚や情緒を刺激する本ばかりでした。
【午後】「夕風」という言葉に、止まりました
特に心惹かれたのは、俳句と、その情景を切り取った写真集でした。
「はらはら」「ほろほろ」といった、英訳しきれない日本語特有の音の美しさ。
そして、「夕風」「浮草」「風に在り」という言葉の響き。
いつもなら、すぐ検索します
いつもならスマホですぐに意味を検索してしまうところですが、 昨日は、あえてデジタルを手放しました。
分からないまま、置いておきました
一体どんな風なのか。 作者は、どんな感覚だったのか。
自分の頭のなかで自由に想像し、情景を味わい尽くす時間が、 たまらなく豊かでした。
答えを知らないまま、しばらく置いておく。
これがこんなに面白いとは、思っていませんでした。
また一つ、新しい趣味に出会えた気がします。

【午後】自分でスマホからオーダーしていました
午後からは妻が稲刈りを引き受けてくれ、私は息子のヘアカットへ。
小学2年生にして、自分でスマホから希望の髪型を探してオーダーする姿に、 時代の変化と、彼の頼もしさを感じました。
(私が同じ年齢の頃は、親の言うがままでした)

【夕方】画面を、一切開きませんでした
夕方に娘を迎えに行った後は、 タブレットもスマホも一切開かない完全アナログタイム。
娘と一緒に俳句の風景写真を眺め、絵本を読み、 夕食には野菜の切り方やルーの配合にこだわった特製カレーを コトコトと手作りしました。
理想の味には、まだ一歩届きません。
(前回の背脂ラーメンに続き、食への好奇心が続いています)

昨日は、答えを急がなかった日でした
書きながら気づいたのですが、 昨日は「答えが出ないまま置いておいた話」が2つありました。
一つは、俳句です
「夕風」の意味を、すぐに検索しませんでした。
調べれば3秒で分かることを、わざと分からないままにした。
そして、その時間がいちばん豊かでした。
もう一つは、就労支援です
この活動には、何年も反応がありませんでした。
答えが返ってこないまま、続けていました。
そして一昨日、初めて反応があった。
待っていた時間のほうが、長かったのです
どちらも、答えが出るまでの時間のほうが、圧倒的に長い話です。
俳句は、数十分。
就労支援は、数年。
でも、たぶん構造は同じです。
すぐに答えを取りに行かないでいると、 自分のなかで何かが動く。
とはいえ、田んぼは乾きませんでした
——ただし、朝の稲刈りについては別です。
待っていましたが、雨は止みませんでした。
自然の摂理は、想像力ではどうにもならないようです。
来週、あらためて出直します。
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