【写真×短編・時間の栞001】色をあげる
彼は終わってしまった昨日のなかに、ひとりきりでうずくまっていた。
もうやり直せない後悔をなぞり、冷え切った指先を丸めている。
私はその隣に腰を下ろし、固く結ばれた掌にそっと手を重ねた。
「貴方の昨日を私にください。私の明日を貴方にあげる」
抱えきれない痛みを引き取り、まっさらな朝を彼の手に渡す。
ぎゅっと握り返された手から、冷たさが少しずつ溶けていった。
窓の外の雨がやみ、二人の止まっていた時間が、静かに動き出す。

彼は終わってしまった昨日のなかに、ひとりきりでうずくまっていた。
もうやり直せない後悔をなぞり、冷え切った指先を丸めている。
私はその隣に腰を下ろし、固く結ばれた掌にそっと手を重ねた。
「貴方の昨日を私にください。私の明日を貴方にあげる」
抱えきれない痛みを引き取り、まっさらな朝を彼の手に渡す。
ぎゅっと握り返された手から、冷たさが少しずつ溶けていった。
窓の外の雨がやみ、二人の止まっていた時間が、静かに動き出す。
