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【映画】時には懺悔を

重くて、キツくて、優しい映画でした。

監督:中島哲也
脚本:門間宣裕
原作:打海文三
出演:西島秀俊 / 満島ひかり / 黒木華 / 宮藤官九郎 / 毎熊克哉 / 鈴木仁 / 烏森まど / 山崎七海 / 唯野未歩子 / 野呂佳代 / 長井短 / しんすけ / 山下舜太 / 諸角優空 / 柴咲コウ / 塚本晋也 / 片岡鶴太郎 / 佐藤二朗 / 役所広司

探偵がひとり、殺された。「死んだほうがマシな人間」と呼ばれた男・米本(佐藤二朗)。
調査することになったのは、元同僚の一匹狼・佐竹(西島秀俊)と、助手で修行中の聡子(満島ひかり)。調べを進めるうちに、9年前に起こった新生児誘拐事件にたどり着く─。
殺された米本が死の間際に調査していたのは、9年前に失踪し今は父親の明野(宮藤官九郎)と二人で暮らす、重い障がいのある少年・新。過去に傷つき、誰かを傷つけ、孤独に彷徨う大人たちが出会った「新」という小さな命。
家族から目を背けた男、娘に捨てられた女、子を生きる糧にした男、産んだ子を愛せなかった女。「生きているのが奇跡」と言われたそのひとつの小さな命が、逃げ場のない現実にもがき苦しむ大人たちの心を動かしていく─。

公式サイトhttps://www.tokizan.jp

まずは、よくこのテーマを映画化できたと思う。スクリーンに登場するのは実際の障害児たちで、重度の障害を持った体も映し出される。
それに驚くということ自体、ボクが障害児たちと関わった経験が少ないということだろう。だから、捉え方がわからない。このことだけでも、自分の未熟さを突きつけられたと感じた。

メインキャストの佐竹も聡子も大きな傷を負って、極限の精神状況で生きている。そして誘拐された障害児と、その子を9年間育てている明野に出会う。
単なる調査対象だったはずの親子の姿に、2人の心は変化していく。

泣けるはずの映画でした。でも泣けなかった。
エンドロールは余韻を定着させるようなピアノの旋律。これは良かった。でも泣けなかった。
整理できないんですよ。単純に泣いてはいけないような気がしてしまう。重度な障害を負った子供を育てている親たちのことが頭をよぎる。
苦しみ、悲しみ、喜びの果てに、自分の哲学に辿り着く人もいれば、そうではない人もいるだろう。ボクはかけられる言葉を持っていない。そしてこの映画をすぐに消化できるような力も経験もない。

この映画はたくさんの人に観てもらいたいと思うけど、安易には勧められない。自分を見てしまう覚悟が必要だから。
でもやっぱり家族、親子の映画。観終わった後、離れて暮らす妻と娘に会いたくなった。個人的な部分に感情を落とすことができる。それもこの映画の素晴らしいところだと思う。

役者さんたちは皆良かった。
特に聡子役の満島ひかり。この人が子供に会いに行った後に泣くシーンには泣かされた。なぜかこの人の泣く演技には無条件に泣かされてしまう。まるで電気をつけるスイッチのように。助走もなく、彼女の顔が歪んだ瞬間になけてしまう。本当に不思議だ。
思えばこれは2011年の朝ドラ「おひさま」に出演していた時から。あのドラマであったんですよね、感情が溢れて泣くシーン。あれにもやられた。はっきり覚えている。この人は天才だと思う。

脇役に役所広司をはじめ、片岡鶴太郎、佐藤二朗、柴咲コウ、黒木華など豪華な面々。
黒木華は、先日まで放送されていたドラマ「銀河の一票」で演じた役者とは全く違う人物に見える。目が違う。この人も素晴らしい役者さんだと思う。

映画の感想を一言でと言われたら、参った、としか言えない。まだしばらく整理できないし、何かのきっかけで思い出す映画だと思う。

原作は打海文三の小説。原作を読んではいないけど、よくこんな話が書けるなぁと打ちのめされた気分。
烏滸がましいけどね。

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