『評価されない』と感じたら。転職を決める前に投げかけたい、たった一つの質問。
マーケターキャリアダンジョンを書き始めてから、ありがたいことにキャリア相談をいただく機会が増えました。
相談内容は本当にさまざまです。
「年収を上げたい。」
「社長はもう自分に辞めてほしいと思っている気がする。」
「この会社にいても未来が見えません。」
そんな言葉を聞くたびに、胸が締め付けられます。
きっと本人はたくさん悩み、考え抜いた上で相談に来てくれているのでしょう。だからこそ、私は一つだけ必ず投げかける質問があります。
「相手の視点で考えると、どんな言葉をかけますか?」
「社長は自分を評価してくれない。」
そう感じることはあります。
でも、本当にそうなのでしょうか。
もし自分が社長だったら、今の自分にどんな言葉をかけるでしょう。
「よく頑張ってくれている。」
そう言えるでしょうか。
それとも、
「もっとこうしてくれたら評価しやすい。」
そう思うでしょうか。
評価とは、能力だけでは決まりません。
「この人は会社にどんな価値を届けようとしているのか。」その姿勢やコミュニケーションも、評価の対象です。
例えば、
育児があるから残業できません。
という事実を伝えることは大切です。
しかし、それだけでは会社側には
「できない理由」
しか伝わりません。
一方で、
「残業はできませんが、その分この業務を効率化して利益率を改善します。」
「この案件を黒字化できるように動きます。」
「この仕組みを作ってチーム全体の生産性を上げます。」
という伝え方ならどうでしょう。
会社が聞きたいのは、事情ではなく、どう貢献してくれるのかです。

キャリア相談では、
「転職した方がいいですか。」
という質問もよく受けます。
もちろん、評価制度そのものに問題がある会社もあります。どれだけ頑張っても正しく評価されない環境なら、転職という選択は十分にあります。
しかし、その前に一度だけ考えてみてほしいことがあります。今の自分は、相手から見ても評価したいと思える働き方やコミュニケーションができていただろうか。
今回相談してくれた方も、自分の強みを整理していく中で、本当に価値があるのはエンジニアとしてコードを書くことではなく、曖昧な要望を整理し、関係者と合意形成し、プロジェクトを前へ進めるディレクション能力でした。
本人は当たり前だと思っていたその能力こそ、市場価値の源泉だったのです。
だからこそ、まずはその価値を社内で正しく伝えること。そして、それでも評価されないのであれば、次の環境を探せばいい。私はそう考えています。
キャリアは、
「評価される会社を探すこと」
だけではありません。
「評価される伝え方を身につけること」
も同じくらい重要です。
ただ、いきなり自分を客観視できるようになるわけではありません。
人は悩んでいるときほど、
「会社が評価してくれない」
「上司が分かってくれない」
「環境が悪い」
と、気づかないうちに矢印が外側に向いてしまうものです。
私自身も含めて、一人で考えていると、なかなかそのことに気づけません。
だから私たちの会社では、メンバーが定期的にコーチングの先生と1on1できる機会を設けています。
そこで答えを教えてもらうわけではありません。
対話を通じて、
「もしかしたら、自分にも変えられることがあるんじゃないか?」と、自分自身を客観的に見つめ直す機会をつくっています。
大切なのは、何でも自分のせいにすることではありません。会社や上司に問題があることだって、もちろんあります。
でも、環境を変えるという結論を出す前に、
「自分に変えられることは、本当にもう残っていないだろうか?」と一度考えてみる。
気づかないうちに外側へ向いていた矢印を、自分にも向けてみる。そして、自分一人では気づけないときには、第三者の力を借りながら課題を乗り越えていく。
私たちは、そんな機会を会社としてつくることも、メンバーの成長を支える大切な役割だと考えています。
最後に、この記事を読んでいるあなたにも質問です。
もしあなたが上司や社長の立場だったら、今の自分にどんな言葉をかけますか?
その答えが、次に取るべき行動のヒントになるかもしれません。
この記事のポイント
このテーマの本質は、「会社が悪い」「本人が悪い」という二元論ではありません。
大切なのは、「相手の視点で自分を見直す習慣」を持つことです。
相手の視点で自分を見直す習慣を持つこと。
この視点を持てる人は、今の会社でも正しく評価されやすくなりますし、仮に転職活動をする際にも自分の価値を相手にしっかりと伝えられるようになります。
今回の相談でも、この視点に切り替わった瞬間、相談者の表情がスッと明るくなったのがとても印象的でした。
