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公平とは「全員同じ」ではない。多様なチームに必要な判断設計 

育児中の社員には、時短勤務を認めている。
介護中の社員には、勤務時間の調整を認めている。
DEIの取り組みとして、こうした個別対応を一つずつ増やしてきた組織は、少なくありません。

しかし、良かれと思って進めてきたはずなのに、
あるとき現場からこんな声が聞こえてきます。
「なんで、あの人だけ」

公平性と、個別対応。この二つは、矛盾しているように見えます。
でも、実際には矛盾していません。
矛盾して見えるのは、個別対応の"理由"が組織の中で共有されないまま、
"結果"だけが周囲に見えている状態になっているからです。


良かれと思うほど、見えなくなっていくものがある

DEIを推進するほど、対応する場面は増えていきます。
育児、介護、シニア世代、リモートワーク。
それぞれの状況に合わせて、
個別に対応を検討してきた組織は多いはずです。
ただ、一つひとつの対応は、その都度、個別に判断されがちです。

「なぜこの人にはこの対応で、あの人には別の対応なのか」という
判断の基準が、組織のどこにも言葉になっていない。
そうした状態が、対応の数だけ積み重なっていきます。

「みんな同じ」が、公平とは限らない

「全員に同じ対応をする」ことが、公平だと思われがちです。
でも、状況が違う人に同じ対応をすることは、
むしろ別の不公平を生むことがあります。

育児中の社員と、そうでない社員に、同じ勤務条件を一律に当てはめれば、それは平等に見えて、実際には特定の状況にある人だけが不利になります。
公平性を考えるうえで重要なのは、
結果を均一にそろえることだけではありません。
異なる結論になったとしても、
そこに至る判断の考え方に一貫性があることです。 

増やすべきは、対応ではなく枠組みだった

「育児中はこう対応する」
「介護中はこう対応する」
こうした属性別の対応リストを増やしていくやり方には、限界があります。
新しい状況が出てくるたびに、リストにない対応を、また一から検討することになるからです。

必要なのは、属性を問わない、共通の判断フレームです。
どんな場合に、何を確認し、どう調整するのか。
たとえば、「本人が置かれている状況」「業務上必要なこと」「チームへの影響」「どこまで調整可能か」といった、判断するときの観点を組織で共有しておく。

大切なのは、個別対応の内容を一律にそろえることではありません。
個別対応を統一するのではなく、判断の仕方をそろえることです。
この枠組みがあれば、新しい状況が生まれるたびに、
属性ごとのルールを一からつくる必要は減っていきます。

異なる対応になったとしても、個別の事情を必要以上に開示することなく、『どのような考え方で判断しているのか』を
組織として説明しやすくなります。 

まとめ

個別対応を増やすことと、公平な組織であることは、対立しません。
対立しているように見えるのは、
判断のプロセスが、見える形になっていないだけです。

そろえるべきなのは、一人ひとりへの対応ではなく、
判断するときの考え方です。
DEIを「対応の数」で測るのではなく、「判断の一貫性」で設計する。
その視点の転換が、現場の疲弊を防ぐ、最初の一歩になります。


多様な働き方が増えるほど、「全員に同じ答え」を用意することは難しくなります。だからこそ、「何を基準に判断するか」を組織の言葉にしておくことが大切です。 
組織の判断が止まる理由と、判断基準をどう整えていくかを資料にまとめています。


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