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「どこまで配慮?」を終わらせる、合理的配慮の判断設計 

以前の記事で、「どこまで配慮すればいい?」という問いには正解がないと
正解がないのではなく、問い自体が違う。

「どこまで配慮するか」ではなく、
「この人が力を発揮するために、何が必要か」
に問いを変えると、迷いが減っていく。
でも、問いを変えた後に止まってしまう現場があります。

「では、実際にどうやって答えを出せばいいのか」
今回は、その具体的な考え方を書きます。


正解を出そうとするから、また迷いに戻る

「何が必要か」という問いに変えても、
すぐに答えが出るわけではありません。

本人の状況は、時間とともに変わります。
業務の内容が変われば、必要なことも変わります。
チームの状況が変われば、対応の形も変わります。

だから、最初から完璧な答えを出そうとすると、
また迷いに戻ってしまいます。
大切なのは、答えを「出す」ことではなく、
答えを「育てるプロセス」を持つことです。
そのプロセスには、3つのステップがあります。

聞かないまま決めた配慮は、的外れになる

答えを出すための最初のステップは、観察と対話です。

配慮は、観察・対話・実践のサイクルで育てる 


まず、観察する。
どんな場面で力を発揮しているか。
どんな状況でつまずいているか。
何があれば、もう少しやりやすくなりそうか。
日々の業務の中で、見えてくることがあります。

次に、本人に聞く。
「何があればやりやすいですか」という問いは、
思っている以上に大切です。
本人の言葉は、外から見えない手がかりになることがあります。

聞かないままで「配慮」を決めると、的外れになることがあります。
本人と話し合いながら決めていくこと。
それ自体が、合理的配慮の本質に近いものです。

そして、試してみる。
観察して、聞いて、やってみる。 う
まくいかなければ、また話し合う。
このサイクルを繰り返すことで、答えは少しずつ言葉になっていきます。

一人の担当者が頭の中だけで考えても、答えは出ません。
観察・対話・実践のプロセスが、答えを育てます。

「自分が決めなければ」が、担当者を消耗させる

答えを出すプロセスで、もう一つ大切なことがあります。
判断を一人で抱え込まないことです。

「この対応でいいのか」「どこまでやればいいのか」を、
担当者一人が抱えている組織では、判断が重くなります。
誰が・どこまで決めるのかが曖昧だと、全部が担当者に集まってきます。

必要なのは、判断の置き場を決めることです。
「この範囲なら担当者が判断していい」
「これは上司や人事に確認する」
「こういう場合は、このプロセスで決める」
こうした役割の整理があるだけで、担当者の重さは変わります。

一人で答えを出そうとしなくていい。
判断を戻せる場所があることが、現場を動かし続けるための条件です。

担当者が変わるたびに、またゼロから始まる

観察・対話・実践を経て、
「この場合はこう対応する」という判断が出てきます。
そのとき、記録することを忘れないでください。

記録されていない判断は、その人の頭の中にしかありません。
担当者が変わると、また一から考えることになります。
一度出した答えを言葉にして残すと、次の判断が速くなります。

「前回はこうした」「このケースではこう考えた」という積み重ねが、
組織の判断基準になっていきます。
個人の経験が、組織の資産になる。

大がかりなシステムは必要ありません。
判断した内容と、そのときの前提を簡単に残しておくだけで、
組織の動き方は変わっていきます。

「答えを出す」より「答えを育てる」

「どこまで配慮すればいい?」という問いに、
最初から完璧な答えは出ません。
でも、観察・対話・実践のプロセスを踏み、判断を記録していくと、
少しずつ言葉になっていきます。

答えを一人で出そうとしない。
判断の置き場を決める。
出た答えを記録する。
この3つが揃うと、現場は動き続けられます。

配慮は、センスでも善意でもありません。
プロセスとして設計できるものです。
あなたの組織では、判断を誰がどこで引き取っていますか。

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