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Lサイズ ── 店長のピンク色のアレ【前】

大学生になった私は、上京して、念願の一人暮らしを始めた。学校の最寄り駅は、駅前の商店街や、そこから続く住宅街がまだまだ残っている、古き良き東京の面影を感じられるエリアだった。

私はその街で、お風呂がバランス釜の古いアパートに住み、学校に通い、駅前の全国チェーンのファストフードでアルバイトをしていた。
学校とその駅は、私の部屋を中心に、ほとんど点対称の位置にあった。だから私は、通学、そしてバイトや日常の買い物では、まったく違う街並みを日々眺めながら暮らしていた。

他の学生たちはバス通学が多く、下り方向のターミナル駅を使うことが多かった。だから私はちょっとしたマイノリティで、各駅停車の止まる駅前のお豆腐屋に寄ったり、戦後は闇市だったという飲み屋街で串焼きをつまんだりするのは、学校とはまったく切り離された、なんとなく密かな楽しみだった。

生まれて初めてのアルバイトは、学習塾の講師だった。塾講の時給はよかったけれど、予習や採点はサービス残業で、結局割に合わないと痛感した。ただ、夏期講習や冬期講習でまとめて稼げる魅力もあったので、授業のコマを絞り、普段は授業の合間に入れられるよう、近所で始めたのがそのバイトだった。

ある日、勤務時間が終わって、店の奥の事務所に戻ったら、店長が机で何か作業をしていた。
アラサーの店長で、程よく筋肉のついた身体つき。整った顔立ちは可愛らしく、身長が私より低いこともあって、親しみやすい印象があった。

「お疲れさま、今日は早出させちゃってごめんね」

そんな気遣いくらいは、自然に口に出せるような人だった。

「全然いいですよ、ちょっとだけだし。店長もお疲れさま〜」

私は、ちょっと悪ノリをして、椅子に座った店長の肩を揉み、軽くじゃれついてみせた。

「山田さあ、大人をからかうなよ」

店長が座ったまま、椅子をキャスターで後ろにずらす。
床が、低い音で軋んだ。

「そんなことするから──」(つゞく)





店長は、身長が私より低くて、ちょっと親しみやすい感じの人だった
でも、そのときは、ドアに鍵もかけないで──

物語のつゞきは──FANBOXで
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※ この作品は、「選ばなかった私、なれなかったワタシ」三部作のスピンオフです。

※ 舞台裏や設定資料、スピンアウト作品などのディープサイドは、FANBOXだけで公開しています


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むしろ、そのほうがうれしいくらいです。


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