WHIZ KID
ジャンル BL
作者 あべ美幸
全6巻 文庫全4巻
あらすじ
第三次世界大戦後、地上は荒野と化し、政府は主要都市を地下へ移行すると同時に優秀な遺伝子を持つ人工人間(AP)の開発に着手する。
真は地上で篤宏や仲間達と暮らしていたが、特別な能力を持つAPである事が政府に知れ、人類存亡のキーパーソンとして狙われてゆき…!?
見どころ
近未来SF×人間ドラマの融合
第三次世界大戦後の荒廃した世界を舞台にしながらも、物語の中心にあるのは「心の葛藤」や「人と人との絆」。
ただのSFではなく、感情に訴えかけるヒューマンドラマとして成立している点が魅力。
・人工人間(AP)として孤立する真の“人間らしさ”を問う描写
・ただの技術や戦いではなく「生きる意味」や「選択」を軸に進むストーリー

SF×BLの異色の融合
ディストピア世界(戦後の崩壊した地球、地下都市)を舞台に、クローン技術や人工生命体(AP)といったSF的要素が濃厚。
その中で展開されるのは、切なくも激しいBLロマンス。
「ジャンルの壁を超えたBL」として、他にはない独自性があります。

リアリティと深い設定
世界観がしっかり練り込まれており、リアルな社会構造や陰謀が絡み合うことで、読者はどんどん引き込まれます。
・人工生命体がどのように社会で扱われているか
・生まれながらの差別や、支配層の思惑
・真の「誕生」の秘密とその代償

友情・絆・信頼の物語
BL要素もあるが、それ以上に「心を通わせる」人間関係が軸。
・篤宏や忍との信頼関係
・仲間と共に乗り越えていくストーリー展開
・真が「人を信じたい」と願うプロセスが切ない

キャラクターの成長と内面の葛藤
真をはじめとする登場人物たちは、人間らしい弱さと成長が描かれます。
・自分の力を恐れる真の葛藤
・篤宏の「守る」という決意と覚悟
・それぞれの選択に対する代償

感情のリアリズム
主人公・真は自分が「人工的に作られた存在」であることに苦悩します。
一方、彼をまっすぐ愛そうとする篤宏のまなざしが、無機質な世界に“人間らしさ”を取り戻す光になります。
「心を閉ざした存在が、愛によって少しずつほぐれていく」過程は、王道だけど胸を打ちます。

『WHIZ KID』は、「派手ではないけれど、心に残る」タイプの作品です。
一度読んで終わり、ではなく、数年後にまた読み返したくなるような、じわじわと沁みてくる魅力があります。
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