育休中に夫婦が揉めなかった理由は、初日に書いた一枚の紙でした
夫が育休に入った初日、リビングのテーブルに紙を広げて、何か書き始めました。
何をしているのかと思ったら、育休中の三か月で自分がやることと、一日の流れを書き出していました。手書きです。パソコンで作るでもなく、色ペンで、線を引いて。
正直、最初は「そんなことより今おむつを替えてほしい」と思いました。
でもこれが、結果的にいちばん効きました。
三か月の育休が終わろうとしているいま、あの紙のおかげで一度も揉めずに済んだと思っています。何をどう書いたのか、そのとおりにいったのか、いかなかったのか。残しておきます。
書き出したのは「私のやること」だった
紙に書いてあったのは、家事の分担表ではありませんでした。
「夫がやること」だけが書いてありました。三食の準備、買い出し、掃除、洗濯、ミルク、おむつ、沐浴、上の子の宿題を見ること。
分担表ではなく、宣言でした。
あとで聞いたら、こう言っていました。
「やることを先に文字にして渡しておかないと、あとで『これはやってくれると思っていた』でぶつかると思った」
これは本当にそのとおりでした。
育児の揉めごとの多くは、分担の不公平そのものより、期待のずれから来るのだと思います。「言わなくても分かるでしょう」と「言ってくれないと分からない」の衝突。八年前、私はこれで何度も消耗しました。
紙に書いてあると、その余地がありません。書いてあることはやる。書いていないことは、その都度どちらかがやる。それだけです。
おかげで、この三か月「あれはやってくれないんだ」と思う場面が一度もありませんでした。
決めたのは、夜のミルク三回だけ
もうひとつ書いてあったのが、一日の時間割でした。
三時間おきのミルクを軸にして、そのあいだに家事をどう入れるか。空く時間はどこか。それを円グラフにして可視化していました。

この図でいちばん大事なのは、担当を決めたのが夜の三回だけということです。
21時のミルク 私
0時のミルク 私
3時のミルク 夫
これだけ。あとの五回は、そのとき手が空いているほうが対応します。
なぜこの三回かというと、睡眠時間をずらすためでした。
私は0時のミルクを終えてから朝まで。夫は21時に寝て3時に起きる。こうすると、夜中に必ずどちらかは起きていて、どちらかは眠っています。
もともと夫は朝型で、その性質に合わせて分けただけです。
結果として、二人ともまとまった睡眠が取れています。細切れではありますが、六時間前後は横になれている。二人目でこれは、正直かなり助かっています。
八年前は、こういう決め方をしませんでした。「気づいたほうが起きる」でやっていて、結局いつも私が先に気づいてしまう。そして二人とも寝不足になる。あれは何だったんだろうと思います。

三か月経って、どうだったか
紙に書いたことが、そのとおりにいったかどうか。答え合わせをしておきます。
できたこと
三食の準備、掃除、洗濯は、三か月間まるごと夫がやりました。これは完全に予定どおりです。
上の子の宿題も毎日見てくれました。夏休みの宿題も、気づいたら終わっていました。
ずれたこと
赤ちゃんとの朝散歩は「毎日」と書いてありましたが、実際は天気と体力次第でした。夏場は暑すぎて出られない日が続きました。
上の子が夏休みに入る前と後で時間割を分けて作っていたのですが、思ったより学童に行ってくれたので、ほとんど同じ流れで過ごせました。これは嬉しい誤算です。
予定になかったけれど良かったこと
夫が七月からテニススクールに通い始めました。大学のとき以来だそうです。
最初に聞いたときは、育休中に習い事?と一瞬思いました。でも実際に始めてみると、これが良かった。
夏場は家にこもりきりになります。赤ちゃんと家の中にいる時間が長いと、少しずつストレスも溜まっていきます。週に一回、汗をかいて帰ってくると、明らかに機嫌がいいんです。
家にいる側の逃げ場は、あったほうがいい。これは今回いちばん実感したことかもしれません。
私が育休を取ったときには、そういう発想がありませんでした。育休中に自分の時間を作るのは怠けているような気がして、しなかった。今思えば、あれは我慢する必要のない我慢でした。
これから育休を取る人へ
三か月を見ていて、効いたと思うことを三つだけ書いておきます。
紙に書いて共有する。 話し合うより、書いて見せるほうが早いです。書くのは「自分がやること」だけでいい。相手にお願いすることを書くと、それは要求になってしまいます。
決めるのは最小限でいい。 うちが決めたのは夜の三回だけです。全部決めようとすると守れなくなるし、守れないと責める材料になります。守れることだけ決めるほうが続きます。
睡眠は、時間の長さより、ずらし方。 二人とも同じ時間に寝ようとすると、二人とも起こされます。ずらせば、片方は眠れます。
どれも当たり前のことですが、八年前の私はやっていませんでした。
次回は、この育休を取るまでの手続きについて書きます。夫は地方公務員なので、調べても会社員向けの情報しか出てこなくて苦労しました。同じ立場の方に届くといいなと思っています。
