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目から鱗の北海道東の旅…何も知らない我が身が情けない

先日、友人夫婦とともに旅行に出かけた。
北海道東の網走、野付半島、屈斜路湖、摩周湖、硫黄山、厚岸、知床半島の羅臼、宇登呂をレンタカーで巡る旅。

観光地を巡る旅には関心がなかったが、友人の知人が羅臼の昆布漁師だということで、お誘いを受けた。

僕にとっての北海道のイメージと言えば、ニセコのスキーと話題のヒグマ程度のもの。あまり期待せずに出かけた旅は、目から鱗だった。

網走では、見どころたっぷりの博物館網走監獄を楽しんだ。
てっきり、脱獄不可能な不毛の地に建てた監獄と思っていたが、ここが北海道開拓の最前線だったと知り驚いた。
ロシア帝国の南下政策への備えや、北海道東開拓の低コスト労働力としての囚人の拠点だったとか。
なんと、やっていたことは、現代ロシアがウクライナへの戦闘に囚人を投入しているのと同じではないか、と思うと後味が悪い。

網走監獄

荒涼とした風景で有名な野付半島のトドワラやナラワラでは、独特の立ち枯れた木々の風景が消滅しつつあるという。直接的には地盤沈下と海水の浸食・風化によるものらしいが、地球温暖化による海水面上昇も間接的な影響であるに違いないだろう。
流氷もめっきり減ったという。獲れる魚種にもずいぶん変化が出ているそうだ。
気候変動という眼前の現実に自らの無力感を感じずにはいられない。

ナラワラ

屈斜路湖、摩周湖周辺へのドライブでは、広大な大地の上を、どこまでも続く一本道が、思わずスペイン巡礼の旅「Camino de Santiago」を彷彿とさせた。聞けば、最近は北海道東トレイルなる410kmのロングトレイルが整備されているらしい。ヒグマとの出会いが恐ろしいが、いつかぜひ歩いてみたい。

屈斜路湖

カルデラ湖である屈斜路湖、摩周湖の凛とした風景を堪能した後は、活火山である硫黄山へ向かった。山肌から噴き出すいくつもの白煙と、鮮やかな黄色に染まる硫黄の結晶の姿を、こんなに近寄って大丈夫なのかと思えるほど、すぐ目の前で観察できる。

硫黄山

さらに近くにある川湯温泉では、強烈な強酸性温泉を厳選かけ流しで堪能した。ピリッとくる酸性湯が肌に沁みる感じがたまらない。

途中に立ち寄った厚岸は、言わずと知れた牡蠣の街。旨味が凝縮された「カキえもん」と、大ぶりでミルキーな「マルえもん」を堪能した。

厚岸の牡蠣フライ

因みに地元の和菓子屋では、厚岸の牡蠣エキスを餡に練り込んだ「元祖 牡蠣最中」なるものがあった。たらふく牡蠣料理を食べた後のデザートに打って付けだ。

知床羅臼では、まず番屋での羅臼昆布の生産を見学。ただ干すだけだと思っていたが、23もの工程を経て商品に仕上がるのだ。これは値が張るのも納得だ。

番屋での羅臼昆布の生産

そして、知床観光の目玉であるホエールウォッチングクルーズでマッコウクジラを堪能した後は、地場の渋い温泉に浸かる。秘湯マニアには、熊の湯や相泊温泉がお勧めだ。

マッコウクジラ

恥ずかしながら、僕は道東地域に、こんなにも多彩な温泉があるとは知らなかった。そもそも、道東が活火山やカルデラが密集する火山帯であることも知らなかった。海外ばかりに目を向けて、国内旅行を軽視していたが、この地域の魅力には驚くばかりだ。

相泊温泉

夜は夜で、知床の海で獲れる美味いシーフードのオンパレード。
ぶどう海老なる超希少海老は、まさにぶどう色。一尾2,000円を超える高級海老だが、一生に一度のことと食してみた。
そして、タラバガニに似たイバラガニ。羅臼ならではの脂ののったホッケにキンメ。刺身、寿司、焼き物と豪勢なものになった。

ぶどう海老

最後に立ち寄った宇登呂では、知床五湖を散策した後に、「酋長の家」なるアイヌの方が経営する宿にお世話になった。この宿で、見聞きしたアイヌの歴史が、今更ながらに心に刺さった。
アイヌ迫害の歴史は、現代中国の少数民族迫害と何ら変わらぬものだと思うと、とても複雑な気分に成らざるを得なかったのだ。世界がきな臭く、混沌とし始めた今、あらためて日本の歴史を振り返ってみるのも悪くない。

還暦を過ぎたいい大人なのに、まだまだ知らないこと、勘違いしていることが山ほどあると思い知らされた旅になった。

酋長の家でのアイヌ料理の夕食

帰路、斜里町にある湯元館に立ち寄った。なんでも、厳選かけ流しのモール泉と呼ばれる黒い湯があると聞いて訪ねてみた。確かに黒く、トロッとした感触の湯。地下深くから湧き出す植物由来の有機成分を含む希少な湯だそうだ。

斜里町のモール泉

気持ちよく温泉に浸かっていたが、ふと気づいた。「待てよ、このお湯に記憶がある。東京大田区蒲田の黒湯にそっくりではないか!」
調べてみると、やはり蒲田の黒湯もモール泉だった。「家に戻ったら、久しぶりに銭湯に行ってみよう。」

僕の住む街も捨てたものではないと、ニンマリしながら帰路に着いた。
走った距離は、ちょうど1,000kmだった。

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フレッド@リタイア専業主夫の旅 記事を読んでもらえたことが素直にうれしいです。この記事が何かのお役に立ち、サポートいただければ感無量です。 これからも、アラ還パワーで元気が出る記事を発信していきます。コメントや他メディア(Xなど)への引用も、ぜひお願いします。