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【前編】義母の子育てが、ASDの特性に拍車をかけたのかもしれない

歯科の帰りに、ミニカーを買わされた

義母から聞いた話があります。

元夫は幼少期、よく虫歯になり、歯科に行くのを嫌がっていたそうです。

そこで義母は、歯科に行くたびに近くのお店でミニカーを買うようになりました。

「毎回買わされたのよ」と、義母は笑いながら話してくれました。

私はその話を聞いて、正直驚きました。

歯科に行くとほしいものが買ってもらえる?

私自身はそんな育ち方をしていなかったからです。

小児歯科では、治療後に風船や消しゴムをもらえる医院もあります。

でも、それは医院がしてくれること。

親が「嫌なことをするならご褒美」を約束するのは、また別の話だと思っています。

「頑張ったからご褒美」ではなく、「嫌なことをするなら、買ってあげる」。

この育ちの中では――

我慢する力、努力する力が育ちにくい。

そして、嫌なことは誰かが解決してくれるのが当たり前、という感覚が根づいていく。

義母はそのエピソードを、悪いことだとは思っていませんでした。

むしろ「子どもに尽くした愛情の話」として、私に語っていました。


「ちまき」が剥けなかった、あの日のこと

長男が2歳のころ、こどもの日に元夫の実家へ帰省しました。

お土産にと、「ちまき」を買っていきました。

義母は「こっちで用意してあげるものなのに、買ってきてくれてありがとう」と言い、テーブルを囲んで一緒に食べることになりました。

たわいもない話をしながら食べはじめていると、義母が義妹に向かってこう言いました。

「懐かしいわね、昔お父さんがいつも買ってきてくれて食べてたわよね」

でも――

義妹は、ちまきの葉の剥き方がわからなかったんです。

あれ?あれ?と困っている義妹に、義母が外し方を教えていました。

いつも食べていたのに、剥き方を知らない?

私は内心、首をかしげていました。

なぜ義母はこんなウソをつくのだろう――

後になって気づいたことがあります。

義母のウソは、外に向けた見栄だったのだと思います。

そして、嫁である私に対して――ウソをついても安全な相手だったのだと思います。

近所や友人にウソをつけば、評判が傷つく。

でも、嫁ならバレても自分の外的な価値は下がらない。

だから平気でウソをつけた。

そういうことだったのかもしれません。


私の父と話したというウソ

元夫の実家へ行くと、私はよくキッチンで義母と一緒に食事の支度をしていました。

義母はよくしゃべる方で、会話が途切れることはありませんでした。

あるお盆のこと。

「Yuukiさんのお父さんはいつまでも若々しいわね。電話でお話した印象なんだけど」

と義母が言いました。

父は外面がいいので、まあそうだろうな――と思いながら聞いていました。

でも、その後私の実家に帰ったとき、父からこう言われたんです。

「元夫のお母さんは元気なのか?いつ電話してもお義父さんしか出ないから」

え??

元夫の実家は早い時期からナンバーディスプレイを導入していました。

表向きは「迷惑電話対策」と言っていましたが――

かけてきた相手によって、出る人を決めていたのだと思います。

でも、私に対しては、
いつも自分が出電話に出ているかのようににウソをついていた。

義母はバレないと思っていたのだと思います。

まさか、毎回義父が電話に出ていることが話題になるとは、想像もしていなかったのでしょう。


結婚前に聞いた話との矛盾

元夫と結婚する前、義母からこんな話を聞かされていました。

「うちはお父さんを皆で大切にしていて、いつもみんなお父さん、お父さん、ってを頼りにしているのよ」

20代前半で純粋だった私は、そのまま信じていました。

でも、蓋を開けてみれば――

元夫と義父は、決して仲良し親子ではありませんでした。

義父は「自力でなんとかしろ」というスタンス。

元夫は義父を頼れない、相談できない存在として認識していました。

義母のウソは、見栄を張るためだったんだと、やっと気づきました。

理想の家族像を、私に信じ込ませたかったのかもしれません。

後々バレることがわかっていても、平気でウソを言える。

私はこのウソに気が付いた頃から、義母に対して懐疑的になっていきました。


ウソは、引き継がれていく

義姉の結婚式で、こんな場面がありました。

義姉がスピーチの中で、こう言ったんです。

「将来は義母のような人になりたい」

その言葉を聞いたとき、私は複雑な気持ちになりました。

義姉にとって、義母は理想の姿だった。

見栄のウソも、都合の悪いことをなかったことにする習慣も――

「それが普通」として育った子どもは、それを引き継いでいく。

元夫のウソも、義母を見て育った結果だったのかもしれない。

ウソそのものは遺伝しない。

でも――

ウソが許される環境と、ウソをつく手本は、確実に引き継がれていく。

そしてその環境の中で育ったASDの特性を持つ子どもは、より自己中心的な思考が強固になっていく可能性があると、今は感じています。


後編では、義母の行動が家族全体に与えた影響をお伝えします。

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