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RATのこと

僕はギタリストなのだけど、ギターの話をあまり書かないなと思い、今日はギターについて。
といってもギターそのものの話ではない。
エフェクターという機材の話。
ちなみにエフェクターというのはおそらく和製英語で、海外ではペダルという。エフェクターという言い方は機能からきた呼び方だろう。音にエフェクトを与える機械、だからエフェクター。ペダルという言い方はその見た目や形状、足で踏むという形ゆえについた呼び方だろう。と、日本語と英語の違いというどうでもいいことから始めたが、僕にとってはこのペダルというものがとても重要である。
エレキギターという楽器は磁石で音の振動を拾い、アンプの電気の力で増幅してスピーカーから音が出る。その時、ギターとアンプの間に色々なペダルを繋いで音を変化させるわけだ。
この音の変化というのが実に面白くて、ギタリストを虜にする。
逆にそういうペダルというのは一切いらない、ギターとアンプの音だけがいいという人もいる。趣向と好みの問題だ。

僕は気に入ったペダル、エフェクターを15個くらい繋いでいる。
音の実験室みたいなもので、ギターの音が原型を留めないほどに変化する。その変化が楽しい。おもちゃである。一つ一つのペダルのつまみをいじることで、気が狂ったような音も出る。エレクトリックギターのギタリストというのはずっと音のおもちゃで遊んでいるようなものだ。もちろんそんなことに興味はないギタリストもいるのだけど。

僕にとって一番大事なペダルはどれなんだろう?と考えると、本当は3つくらいあげたいのだけど、あえて一つだけとすると「RAT」になる。

RATというエフェクターは、アメリカのPROCO社が開発したもので、専門用語になって申し訳ないが、ファズ・ディストーションという音を出す機械だ。
要するに、馬鹿でかい汚いノイズみたいな音を作ることができるということだ。
このペダルを僕は18歳くらいから愛用し続けていて、僕の乱暴な扱いのせいか、これまで何台も壊れ続けてきて多分これまで10台ちかく使ってきた。今現役で使っているのは4台。作られている年代がそれぞれ違って個体差もある。同じRATの中でも好きなRAT、あまり使わないRAT、というのがある。

僕が爆音を出す時には、基本RATだ。
耳が壊れそうなくらいデカい音が出る。
僕にとっては、とりあえずRATがあれば何とかなる、というほどの存在だ。
しかもそれは音を変える、という単純な機能的なニーズだけではない。

バンドの中で曲を作る。
ギターのフレーズを考える。
新しい曲にどんなフレーズをつけようか。あれこれと試すときに、思い切ってRATを踏んでみる。爆音がでる。
その時、新しいリフやフレーズが閃くのだ。面白いくらいに。
僕にとってはRATはインスピレーションの源であると言っても言い過ぎではない。
この効能はおそらく僕だけが感じている機能なので、RATにそんな機能が装備されているわけではない。

僕というギタリストは、ペダルの音によって閃く物が全く変わるので、そういう意味では純粋なギタリストではないのかもしれない。生の音こそギターの音だ!という人にとっては僕などは邪道のギタリストかもしれない。
それでいいのだけど。

僕は常に調味料のようにペダルを使って、ギターの音に色々な味付けを施す。RATという機材は、僕にとっては万能調味料みたいなものだ。

閃きというのは面白い・楽しい、という状態にないと湧いてくる物ではないのだなと感じる。
RATの爆音に身を任せて、今日も新しい曲を作っています。



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