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チャレンジ300CF!#0『小松の首』【300】

(新しい遊びをおもいついた)

・300字以上は長文失礼の時代
・曲に前奏も間奏も後奏も不要
 歌だけあればいい
・英語がわからないから洋楽は聴かない
・ドラマや映画は4倍速で見るのがふつう
・「おはようございます」は長すぎる「おは」

こんな令和風情をまとめて

 <タイパ1stエイジ>

昭和は 「大きいことはイイことだ~♪」と歌

令和は 「短短良(ショウグ)」※とLINE

…百年後の日本語は
 一文字で現代の一万字分を表現することに
(一文字文学賞の時代────あれっ、どっかで聞いた?)


ここの【壺】記事は
 そんな時流を横目で生温かく見つつも

スマホで読むに適するということで
 一行30字以内・句読点省略
を基準に

表現もできるだけ絞り込む(凝縮発酵)

短文文化が古来から根付いている日本

だからこそ
 実践してきた次第


そこでさらに

タイパ1stトレンドを嘆くことなく

それを糧に
 新たな表現力の開拓にチャレンジ

可能な限り300字以内で物語を書く

餅論

漫才のシナリオや
ショートショート
 ともちょっと違う

300字で終わりでは
 深みが出せない

「連続300字物語」的ベクトルで
 300字で一話完結してもいいし
 300字で一話として
  何話でも連続してもいいし

単なる漫才的オチねらいや
オーソドックスなショートショート語りでもない

短歌や俳句の精神性を
 小説物語に投影する
つうか

まあ そんな感じw

名付けて
「300CF」(300字フィクション)


※昭和人への解説
「短ければ短いほどイイ」
「ショートイズグッド」
の令和風擬表現


で さっそく

お試しをば────だから#0


300CF#0『小松の首』(1)

それを聞いて即死んだ者がいるという怪談がある。

「都市伝説だろう」
「そうでもないらしい」

「この前S谷交差点に車が突っ込んだ事故あったよね?」
「だいぶ死人が出たんだっけな。高齢者の運転ミスだったとか」
「それがな、まだ30代だったんだ」
「じゃあ、なんか病気か?」
「いや、健康そのものさ」
「それと怪談となにか関係があるのか?」
「ドライバーはその時アプリで怪談を聴いていたんだそうだ」
「まさか、そのせいだっていうのか?」
「…そのアプリに収録されているある怪談を聞くとな」
「ばかばかしい」
「いや、この界隈では有名なんだ」
「どんな話だ?」
「”小松の首”────聞いたことあるか?」
「…聞いた事がないな…」
(295文字)

(つづく)

※本来ならばこれで一回分
 つづく場合は一日一回分となります

今回はお試しなので
 全回一気読み



『小松の首』(2)

…聞いたら即、死。

────そういえば、むかし似たような話を書いた有名な作家がいた。健康にかなり気を使っていたらしいが、まだ60代でつい最近亡くなった。その訃報に驚いたこともあって、酒の肴話と思っていたのが急に気になってきた。それで少し調べてみることに。

まずそんなアプリがあるのか────AIの手助けで、なんとかそれらしいものを一つ見つけたが既に”売り切れ”だった。そんなに人気なんだろうか?最近有名人でも、妙に若くして亡くなる人が相次いでいる気がする。まさか、そのせいじゃないだろうな?

ホラー好きな別の友人にも聞いてみた。

そんな恐ろしい話、聞いた事がないな……」
(282文字)

(つづく)




『小松の首』(3)

ホラー専門SNSを覗いたがやはり、
そんな恐ろしい話、聞いた事がない
とだけ返ってくるばかり。

タイトルだけは知っているという者は、それなりに見つかってきた。
やはり噂にはなっている様子。

「うん、聞いたことある。友達の友達がそれで亡くなったとかで、お通夜に行ったときに家でそんなタイトルの本を見たと言っていた」

知人にこの手の業界に詳しそうな奴がいるんで、いちおう聞いてみると:

「ああ、その話、最近噂になっているな」
「どんな話なんだ」
「うん…」
そういって暫く黙り込んでしまった。

「…これまでに誰も聞いた事のない、とんでもなくおそろしい話だ。最初の一行だけでも…」
そう言って二度と口を開かなかった。
(295文字)

(つづく)


『小松の首』(4)

パソコン画面がまだCRTだった頃、『致死性ソフトウエア』というSF小説があった。インターネットを通じて人間の脳に悪影響を与えるソフトウエアという陰謀物語だ。見たら死ぬビデオのオチは、じつはすべてが仮想世界の話だったというわけだが、コンピュータゲームをやっていたら精神に異常をきたすというのは現代でもわりと通用する話だ。読んだら死ぬ本という小説も実際にあるが、聞いたら(あるいは読んだら)死ぬ話ってのはどうにも…ただあの知人の顔が頭から離れない。実際に読んでもいないのにあれだけの恐怖を覚えるとは…いったいどんな話なんだろうか?
(263文字)

(つづく)





『小松の首』(5)

先の友人から連絡があった────”『小松の首』の朗読会がある”

行かないわけにはいくまい。彼も誘ったが絶対に行かないと言い張った。

「じつは行ったんだよ」
「聞いたのか?」
「…いや。噂のせいか大盛況で、入れ替え制だった。待ってる間部屋から出てくるやつらを見てたらな…」
「みな顔面蒼白で、”あんな恐ろしい話、聞いた事がない”といったきり口をつぐんでふらふらと出ていった。その様子を見て、これはヤバいとおもってやめたんだよ」
「でも、その場で死んだ人はいないんだよな?」
「そんなこと、だれにもわかりゃしない。全員の顔を覚えているわけじゃないしな」
…もう聞きに行くしかあるまい…
(282文字)

(つづく)






『小松の首』(6)

────確かに彼のいうとおりだった…

恐怖はもちろんあったが、いわゆる「怖いもの見たさ」の極致というべきか。真冬というのにしたたるほどの汗をかきながら部屋に入った。薄暗い部屋に入ってしばらく待っていると、まわりも妙な緊張感に包まれていて、もう一刻も早くここから出たいという焦燥感に駆られた。

気が付くとだれか演台にいる。妙な光加減で顔はよく見えない。

「これからはなすことは────」
若いのか年寄りなのか、男か女かもわからない声音を聞いた瞬間、まさに”裸足で逃げ出す”という状況に陥った。

以来、わたしはこのことを訊ねられるとこう言うのだ────
「知っている。けれどあんな恐ろしい話、一度も聞いた事がない…」
(300文字)

(おわり)


水曜どうでしょうw

今回は6回となり約1800字の超長文失礼 という結果

これを最終的に300字一話完結に集約できるよう
これより研鑽を積んでいく
ということでw

以下 タネあかし


古参の読書家であれば
 元ネタはすぐにワカりましょう

『復活の日』『日本沈没』を書いたSF作家小松左京御大
ショートショート『牛の首』

それを現代風に味つけしなおしただけですw

原作は1965年発表の『牛の首』
『鏡の中の世界』(ハヤカワJA文庫・1974)所収

最近も『厳選恐怖小説集 牛の首』(角川ホラー文庫・2022)
に収められています

噂や偏見 先入観といったものが醸成される
 そのメカニズムの一端を描いているともいえます

この話を発展させて 
 その架空の「恐怖」が次第に社会を大きく脅かしていく
そんな有様を描く長編にすることもできます

”実体のない恐怖”の伝染(病) というテーマでしょうか

実例として
 関東大震災での虐殺事件が挙げられます

牛に関連して
 同じ小松御大の作品で
 本当に怖い話
『くだんのはは』(1968)

ちょうどいまはオーディオブックで出てますね
聴いたら…


とゆーわけで
 300文字語りチャレンジのお試し デシタ

一日スマホ一画面で非現実体験
300字フィクション

ただ短い
 ではなく
凝縮して書く

これはこれでなかなかオモシロイ遊びです

しばらく続けてミマス




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