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松のや ロースカツ定食がワンコイン!?|一切れごとにおかわりすれば、実質無料やん

松のやが『ロースかつ定食ワンコイン』を始めた。

「ワンコイン」
いい響きである。


ただし、支払い額は550円だ。

五百円玉一枚で済むからワンコインだったはずなのに、いつの間にか五百円台ならワンコインと呼ばれる世界になっていた。米の値段が二千円台になったと言うから“スーパーに行ったら2,980円だった”くらいのいやらしさである。消費税を足したら、まだ三千円台ではないか。

小学生の頃「遠足のおやつは300円まで」と言われ、消費税ぶんをどう扱うかで揉めた記憶があるが、大人になったところで世界の真理はそうそう変わらないのである。

それでも、このインフレな世の中で、550円のロースかつ定食が食べられるだけで、十分に幸せではないか。コンビニでおにぎりとサンドイッチを買えば、軽く五百円を超えていく。調子に乗って飲み物足したら立派な外食価格である。

一方、松のやだと、とんかつが出てくる。キャベツもいて、味噌汁もいる。そして何より『ご飯おかわり無料』なのだ。


スーパーで米の棚を見るたび、値札がひとり出世している。昔は何も考えずに買っていた米が、いまや“覚悟”を求めてくる。あの頃の5kgとは重さが違うのである。

そんな時代に、松のやは言う。

「ご飯のおかわり無料やで」

なんと危険な言葉だろう。とんかつ一切れで茶碗一杯食べるなら、理論上、五回も立ち上がれる。最後は味噌汁で一杯いけるのではないか。


ロースかつ定食を食べに来たはずなのに、気づけば米のことしか考えてない。かつを一切れ口に入れると衣が鳴った。そこへ白米を追わせる。一切れ目はソース。二切れ目はからし強め。三切れ目は衣の油を頼りに白米へ突撃。四切れ目あたりで、とんかつを食べているのか、米を食べているのかわからなくなった。

その境界線が曖昧になるところに幸せがある。定食とは、本来そういうものだ。

グルメを気取ったヒトは、一口ごとに感想を求めてくる。

香りはどうか。
食感はどうか。
余韻はどうか。

松のやのロースかつ定食は、そんな面倒なことを言わない。

「食え!足りなければ、米を足せ!」

茶碗を持って戻るとき、おかしくなって笑ってしまった。これだけおかわりすれば、もう無料タダも同然である。550円の定食で、現代社会に小さな勝利を収めたのだ。


ワンコインの定義が壊れた世の中だが、松のやはまだ「おかわり無料」と言ってくれている。

松のやは、とんかつ屋である。
今は米の避難場所でもある。

コロッケ無料クーポンまで貰えた😊

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