見出し画像

ご機嫌に楽に寛容に生きる。

人生には、羅針盤が必要だ。
でないと、自分がどこに向かって生きているのかを見失ってしまう。
その指針となるのは、やはり「言葉」だと思う。
会社に社訓があり、家庭に家訓があるように、人生にも「人生訓」があるといい。
振り返れば、僕はその点が非常に曖昧だった。生まれてこのかた日記やメモを書く習慣もなかった僕にとって、このnoteという場所で発信していること自体、ひとつの奇跡に近い。
それでも書こうと思ったのは、僕なりの使命感があり、それを形にするには言葉が必要だと気づいたからだ。
言葉は便利な道具だが、同時に曖昧なものでもある。伝えたい趣旨がうまく伝わらないもどかしさも、日々感じている。
本当は一人ひとりと向き合い、直接語り伝えるのが一番だろう。けれど、そうもいかない現実の中で、僕は文章を綴り、言葉を届け、想いを乗せていく。
僕はスパイスカレー屋の料理長だ。
だが、伝えたいのは「美味しさ」だけではない。
今年で54歳。ここらで一度、自分の生き方をはっきりと言語化しておきたい。
僕の人生訓は、この三つだ。
一、ご機嫌に。
二、楽に。
三、寛容に。
この三つに即して生きていくと決めた。
逆に言えば、まだそこに到達できていないからこそ、この言葉を掲げたのだ。
この境地に達することは、ある種の「悟り」に近いのかもしれない。
悟りを開いたのはお釈迦様だけかもしれないが、そこを目指して歩む人生もまた、素晴らしいものではないだろうか。
春の息吹を感じながら裏山を歩くとき、感謝と感動で涙がこぼれることがある。そんな瞬間に、その境地の片鱗を味わっている気がする。
宮沢賢治はかつてこう言った。
「世界全体が幸福にならないうちは、個人の幸福はあり得ない」
僕も、全く同感だ。
僕にできることは、ちっぽけなことかもしれない。
けれど、この世界に生きている以上、世界に対する可能性も、ある種の義務感も持っている。
スパイスカレーに込めた願いが、どう伝わるかはわからない。
けれど、三つの言葉を掲げたことで、僕の願いははっきりした。
これからは、もう少し自分の心を見つめてみたい。
一つだけ間違いないのは、「人を笑顔にしたい」ということ。
それならば、いまこの場所から、スパイスカレーを通して想いを伝えていくことができる。
なんとなく料理人として30年間生きてきた人生だったが、食とは素晴らしい可能性を秘めているかも知れない。
何故ならば直接に身体に、メッセージを届ける事が出来る手段だからである。
それだけに責任も重大であるが。
しかし僕は挑戦してみようと思っている。
そんなことを感じる、カレー屋の独り言。

いいなと思ったら応援しよう!