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大ゴッホ展 夜のカフェテラス|上野の森美術館

2025年〜2028年にかけて、神戸、福島、東京と巡回している大ゴッホ展。2期にわたる開催で、今回の第1期では、ゴッホがオランダからパリ、アルルへと拠点を移していく前半生に焦点が当てられています。約20年ぶりに来日した《夜のカフェテラス(フォルム広場)》を目玉に、その作品へ至るまでの過程をたどることができました。

第1章 バルビゾン派、ハーグ派

ゴッホが大きな影響を受けたバルビゾン派とハーグ派の作品を通して、画家としての原点をたどりました。

なかでも印象に残ったのは、ミレーの《パンを焼く女》。顔は見えないのに、背中の角度や手の動きから、その真剣さが伝わってくるようでした。農民や労働者といった身近な人々に目を向ける視点にも惹かれます。ゴッホがミレーに強く影響を受けた理由が少し分かった気がしました。

第2章 オランダ時代

27歳で画家になることを決意したゴッホが、自身の表現を模索していた時代の作品が並んでいました。農民や労働者、そして農村の風景など、人々の暮らしを描いた作品が中心で、理想化することなく、ありのままの質素な暮らしが伝わってきます。

そうした作品を見たあとに置かれていたのが《じゃがいもを食べる人々》のリトグラフで、これまでの作品がこの一枚へと収束していくような流れを感じました。油彩の本作が、今いちばん見てみたいゴッホの絵かもしれません。

第3章 パリの画家とファン・ゴッホ

パリで印象派や新印象派の画家たちと交流し、ゴッホの表現は大きく広がっていきました。本章ではゴッホ自身の作品ではなく、彼に影響を与えた画家たちの作品が並びます。

なかでも目を奪われたのは、ルノワールの《音楽家の道化師》でした。普段イメージする柔らかなルノワールとは少し異なる雰囲気で、なぜこの一枚が選ばれているのか気になりながら見ていましたが、カフェからの注文作品だったそうで、その文脈で選ばれたのかなと考えながら見ていました。

こんなに幅広い画家たちの影響を一身に受けていたゴッホの吸収力にも圧倒されました。

第4章 パリ時代

花の静物画をきっかけに、ゴッホの色彩と筆触はわずか2年で大きく変化していきました。たった2年の変化とは思えないスピード感に、見ていて思わず驚いてしまいました。

《バラとシャクヤク》1886年6月

パリに来て間もない頃の《バラとシャクヤク》。右下のテーブルクロスのあたり、細かく重なる筆致がどこかモネを思わせる軽やかさで、色彩や筆触が少しずつ変わっていく途中のように感じました。

第5章 アルル時代

南仏アルルで理想の風景と出会ったゴッホは、鮮やかな色彩表現を開花させ、《夜のカフェテラス》へとたどり着きました。

《夜のカフェテラス(フォルム広場)》1888年9月16日頃

本展を締めくくる作品《夜のカフェテラス(フォルム広場)》。黄色のカフェテラスに目が行きがちですが、夜空の青が純粋で美しく感動しました。黒を使わない色づかいの中で、青と黄色の対比が強く目に焼きついています。

会場内はとても混雑していて、列に並ぶと正面で見ることができ、4周ほどまわってしっかりと向き合うことができました。

最後に

前半はゴッホの変化を丁寧に追える構成で見応えがありましたが、最後のアルル時代は《夜のカフェテラス》を含む2点のみの展示で、少しあっさりと終わってしまった印象もありました。第2期アルルの跳ね橋ではどのような展開になるのか楽しみです。

開催概要

◼︎展覧会名
大ゴッホ展 夜のカフェテラス

◼︎会場
上野の森美術館

◼︎会期
2026年5月29日(金)〜2026年8月12日(水)

◼︎公式サイト
https://grand-van-gogh-tokyo.com

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