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一人泊可能で、泉質が優れていて、朝食がとてもうまい温泉宿15選

はじめに

2025年総括記事の執筆も放置してしまっているのだが、めしがうまい宿についてまとめたくなった&リクエストをいただいたので。
おおよそ過去5年以内に宿泊した宿で、特に朝食が優れていた温泉宿を15軒紹介したい。

※いちおうTwitter(自称X)には2025優れていた温泉宿を投下済


選出要件

  1. 執筆時点で、1泊2食付きで一人泊できること。
    土曜・祝前日も宿泊できることが理想だが、予約困難でなければ平日のみ一人泊可の宿でもOKとした。

  2. 泉質が顕著に優れていること。
    判断基準は過去記事のとおりで、とくに鮮度と香りを重視している。

  3. 食事全体の質が高く、とりわけ朝食に「これを食べにまた泊まりたい」と思える特筆性があること。

想定される質問と回答

なぜ朝食がうまい宿?

「食事がおいしい宿」だと単純に候補が多すぎた。また、温泉宿の夕食を単体で比較してしまうと街場の優れた酒場・ファインダイニングに対してどうしても分が悪い。
朝食にスコープを絞るほうが、温泉宿ならではの体験との結びつきが強く、また宿ごとの独自性に注目しやすいと考えた。

なぜ15選?

10選では絞り切れないうえ、信頼する温泉ブロガー・月山もも氏の先行記事とほぼ紹介したい宿が重なってしまう。

また、やろうと思えば20選でも30選でも作れるのだが、それでは "選" の意味が薄まるし、執筆も終わらなくなってしまうので、いったんキリのいい15選とした。

「泉質が優れている」とは?

詳しくは過去記事を参照してほしい。考え方はほとんど変わっていない。
鮮度と香りをとくに重視する。ぬるくて泡つきのある温泉が好みである。
「温泉宿」としての評価としては、入浴可能時間や独泉容易性も重要だ。

余談だが、かのルシウス・モデストゥス氏も "SEMSITV" を重視しており、言及内容もたいへん素晴らしいので、ぜひ参考にしてほしい。

湯の峰温泉 伊せやはいいぞ。

北日本・東日本に偏りすぎでは?

九州は例外として、どうしても温泉資源は東高西低が著しい…。
一方で、たった15選では全く足りなかったが、滋賀や奈良、島根の宿なども有力候補ではあった。
またどこかで機会を作って紹介したい。

滋賀はいいぞ

宿代、高くない?

泉質以外の質を重視すると、どうしてもハイクラスの宿が多くなってしまう(一方で泉質と宿泊価格はほとんど相関がないのだが)。食事の美味しい湯治宿も存在するが、単純比較してしまうと不利になりがち。
とはいえ、はじめ想定していたよりも価格帯別のバランスが良いラインナップになったのではないかと思う。

優れた温泉宿15選

掲載順は北から順で、順位ではない。
また、掲載情報や一人泊の可否などは宿泊時および執筆時(2026年8月)のもの。宿のレギュレーションは本当に水物でしばしば変更があるため、必ず一次情報を参照してほしい。

1. 北海道|豊富温泉 川島旅館

北から…ということで、まずは「日本最北の温泉郷」豊富温泉から。
(最北温泉郷は利尻では?という説もあるが、そもそも温泉郷という言葉に定義がないので…)

定宿Part1
詳しくは2023年10選の記事を参照してほしい。
ここ数年は毎年のように宿泊している。先日(2026年7月)も宿泊した。

この宿はなんといっても、6種日替わりのフレーバーバターが圧倒的にすばらしい。

バターぬりまくりフェスティバル2026
バターぬりまくりフェスティバル2025
山わさびバターがいちばんすき

バターはそのまま舐めてもよし、バターごはん、バター塩辛ごはん、バターたまごかけごはん、バター自家製ふりかけごはん…無限空間が発生する。
(もちろんパンに塗ってもよい)

5杯目くらいの温たまふりかけ味噌バターごはん
朝食提供形態は何度かアップデートがあり、現在はフルビュッフェ形式
「おかず」も和洋折衷かつ手作り感がありおいしい

無加温(31℃~35℃程度、季節次第)の源泉浴槽がある浴場もたいへんすばらしく、豊富温泉の全浴場の中でもいちばんすき。
バターたっぷりの食事と石油が混じった温泉でW給油である。

交互浴がたいへん捗る、ふれあいセンターには及ばないものの油膜もたっぷり
2026年には豊富水由ちゃんも正式参戦

最近は値上げ傾向であり、宿泊費と比較しての設備面の貧弱さが(特に複数人で宿泊する場合は)やや気になるところではあるが、一人泊では依然として圧倒的におすすめの宿である。

2. 北海道|ヌプリオンド温泉 小さなオーベルジュ てぃんくる

2024年10選宿。詳細は過去記事を参照してほしい。

オーベルジュを謳うだけあり、料理が朝夕どちらもおいしい宿である。
朝食はシンプルな洋食スタイルながら、自家製パンに自家製ハム、自家製ヨーグルト…道東の豊かさを感じられる食事である。

鶏ハムがめちゃくちゃうまい、夕食もシャルキュトリがとてもよかった

温泉はうれしい全部屋完備。
pH8.7のアルカリ硫酸塩泉、湯温40℃弱のぬるめ提供で、仄かな芒硝香とつるすべ感が心地よい。

源泉湯底供給の湯使いがすばらしい

食事、温泉、ハード面含めていずれもハイクオリティながら、土曜1名1泊2万円台で泊まれるリーズナブルなところもうれしいポイント。

3. 北海道|白老モール温泉 ピリカレラホテル

2025年ベストオブ温泉宿
執筆時点ですでに3泊(+1泊予約あり)で、定宿Part2と化しつつある。

白老牛ステーキの鉄板焼・和会席を選べる夕食もたいへん素晴らしいのだが、ここでは朝食に絞って紹介する。

温かい料理はできたてが運ばれてくる

苫小牧の野菜、モール泉で炊いた壮瞥のななつぼし、日高の牛乳…胆振・日高エリアの食材の強さを感じられる和朝食である。北海道はどの地域も食材が強いが、エリアを絞ることで、より解像度が高くなると感じる。

「ご飯のお供」が圧倒的すぎる
えんがわの昆布和え、いくら、虎杖浜のたらこ、白老牛のビネガー煮

なお、いくらは先日(2026年7月)宿泊時は小鉢提供だったが、2025年宿泊時は2泊とも「かけ放題」であった。

以前はこれx3~4が提供されていた、かなり異常である
苫小牧といえば北寄貝、バター醤油でコメがめちゃくちゃ進む味

先日宿泊時はこれらのほか焼き魚、きのこ汁、冷製茶碗蒸しなどが提供され、いずれもたいへん美味しかった。温かい茶碗蒸しや根菜の汁が出たこともあるので、季節ごとに旬の食材を楽しめそうだ。

温泉はタヌキ~ヒグマ色の濃厚つるとろモール泉。
客室風呂を24時間楽しめるほか、貸切の露天風呂の雰囲気も抜群だ。

源泉湯底供給の湯使いがすばらしい2

食事、泉質、サービス、ついでにアクセスの良さ、いずれも満点の宿で、
さいきんは「おすすめの温泉宿」としてまずいちばんに挙げる宿となっている。次の予約も楽しみだ。

4. 秋田県|日景温泉

定宿Part3。
いつも同じ宿にばかり言及している気がするが、良い宿だから仕方がない。
こちらもほぼ毎年宿泊している。詳細は過去記事参照のこと。

青森との県境にある一軒宿だが、大館の割烹料理店(店舗は閉業済)が経営を引き継いだこともあり、食事には秋田の郷土料理が並ぶ。

小鉢の品数が多くいずれも美味であり、北東北らしい塩味の強さで白米推進力の強い味。ただし、主食も「比内地鶏出汁の粥」であり、こちらも(美味だが)かなり味が濃く、全く逃げ場がない。

いちおう白米も選べるが、粥を強く推奨

「冴えたやりかた」は朝酒を施行することである。メニューをリクエストすれば出していただけるので、当然に朝から酒を頼んでOKだ。
最寄り特急停車駅までの送迎もあり、ぜひとも鉄道で訪れるべき宿である。
(前回宿泊時はレンタカーで行き、とても後悔した…)

小鉢群の構成は毎回けっこうガラッと変わる、いずれも酒が進む味

湯も個性派かつ圧倒的泉質、大浴場に加え異なる泉質の貸切湯舟が合わせて5つあり、1泊ではすべて回るのにもひと苦労である。
連泊するか、深夜帯を駆使するのが望ましい。

「めんけ湯っこ」がぬるくて湯の華ふよふよで、いちばんすき(2020年撮影)

5. 秋田県|夏瀬温泉 都わすれ

2025年10選宿。
今年2026年3月にも再訪した。現時点で全国朝食No.1の宿だと考えている。
乳頭妙乃湯グループのハイクラス宿。

直近の宿泊ではリピーター特典をいただいたので、朝シャン

こちらも食事、泉質、サービスいずれもパーフェクトの宿。
とくに妙乃湯とも共通する、元インテリアデザイナーでもある女将プロデュースの内装センスが非常に好みである。

部屋の内装もたいへんよいし、共有スペースも絵画がいっぱい

夕食もすばらしく、バータイムに果物やアイスクリームがふるまわれるなどラウンジサービスも充実している。

そして朝食は上述のとおり、現時点で全国No.1筆頭。
味、ボリューム、提供形態いずれも大満足である。

ロケーションの時点で満点

羽釜の炊き立てあきたこまち、小鉢やきのこ汁のおいしさにも触れたいのだが、ここでは2大メインコンテンツの焼き魚・比内地鶏のだし巻き卵に着目したい。
いずれもワゴンサービスでスタッフが目の前まで運んできてくれ、好きなだけ食べ放題・選び放題。

無限1
はたはたがうますぎる
無限2
あつあつふわふわ、何切れでも、何度でも
ワゴン3往復目で「残りぜんぶください!」と絶叫したところ、大きい皿を持ってきてくれた
(ありがとうございます)

メインコンテンツが多すぎて胃袋と時間が追い付かない。

とんぶりと混ぜて食べるめちゃくちゃうまい納豆、次回こそ詳細を聞くぞ
ハイテク・ユドーフ・マシン 酒を燗してもよさそう

温泉もtop tier級。
2価イオン主体の硫酸塩泉ながらつるすべ感が強く、鮮度も非常に高い。
客室露天風呂のほか内風呂大浴場、打たせ湯もある貸切露天風呂も用意されており、いずれも優れたロケーションでの湯あみを楽しめる。

泉質もロケーションも最高

今回取り上げた中でもおねだん高級の宿であるが、圧倒的な満足度があるため毎年泊まってぜひ定宿にしていきたい。

6. 山形県|肘折温泉 湯宿 元河原湯

2023年宿泊。
この年は激戦区すぎて「10選」に選ぶことができなかったが、泉質・食事ともにたいへん満足した宿である。秘湯を守る会加盟宿。

肘折温泉といえば、2食付き1万円以下で宿泊できる優れた湯治宿がひしめく温泉地。その中で比較的高価格帯の旅籠スタイルの宿であるが、この宿に宿泊する価値が大いにあると感じた。

肘折温泉はいいぞ

朝食は定番和食膳のラインナップのようでいて、一品一品に手がかかっており質の高さを感じさせる。

食べごたえ抜群のせいろ蒸し

ここでのメインコンテンツは食後のデザート。
毎朝つきたての餅がいただける。餅はあんこ、きなこ、納豆の選択肢があり、山形らしさを感じる納豆餅を選択。山形といえば納豆料理である。

出汁が効いていて上品、ぺろっといけちゃう

温泉に目を向けても、あえてこの宿を選ぶ価値がある。
源泉39℃、供給38℃前後の自家源泉を貸し切りで利用できるのだ。

組合源泉より肌触りはやわらかく感じる、金気・炭酸は強め

なお肘折温泉には何度も宿泊しているが、著名な豪雪の季節はまだ未訪。
冬場は夕食に納豆汁を出すこともあるとのことで、ぜひとも寒い時期に再訪したいところだ。「冬こそぬる湯」である。

7. 山形県|湯田川温泉 ますや旅館

ますや旅館といえば、田沢温泉の通称・「人殺しの宿」(2025年10選宿)も圧倒的にすばらしい(朝食もおいしい)のだが、こちらでピックアップするのは庄内の宿。

※現在は冷房完備の部屋もあるとのことで宿泊時要確認

グループ本家の九兵衛旅館(2023年10選宿)もたいへんおすすめなのだが、朝食の質に遜色なく、温泉もグループ共通で貸切湯を含めて全館湯めぐりOK、それでいて本家よりも20%ほど宿泊料金がリーズナブルということで今回は姉妹館を選出した。

湯田川温泉の朝はいっぱいのスムージーから始まる

フレッシュな野菜サラダ、手作りの豆腐、鶴岡産の炊き立てつや姫…などいずれもハイクオリティなのだが、いちばんすきなのは酒田特産の塩納豆。
昆布と米麹でうまみたっぷり、おそるべき勢いで白米が進む。

山形といえば納豆料理2

また、九兵衛旅館グループといえばデザートが白眉。
朝夕ともに2皿提供が最低保証されており、バラエティ豊か、ボリュームもたっぷりで大満足。

この日の朝はヨーグルトブランマンジェと自家製抹茶アイス

温泉は芒硝が仄かに香る硫酸塩泉。
湯田川温泉の組合泉がたっぷりかけ流されている。集中管理とはいえ、湯量豊富で鮮度は非常に高い。

姉妹館の大浴場・貸切風呂あわせて9ヶ所の湯を自由に利用できるので、気兼ねなく貸切できる

8. 福島県|裏磐梯大府平温泉 HOTELLI aalto

2023年10選宿。
例のごとく詳細は過去記事を参照のこと。

圧倒的飲酒宿で朝食でもスパークリングワインのフリーフローが楽しめるのだが、それ以上にハーフビュッフェの質がとてもよい。
「朝食ビュッフェ」として外資系シティホテルなども含め、過去トップクラスに好みの内容だった。

朝食会場ではスパークリングワインが提供されるが、ラウンジやロビーでも朝酒が可能
はじめに提供されるサラダプレート、よい草
牛すじ煮込みが肉感たっぷりでめちゃくちゃおいしい
キウイとディルのコンフィチュールがよすぎて、ジャムおじさんx2をしてしまった

北欧スタイルのすてきな内装、硫黄・湯の華たっぷりのつるすべ温泉の質もとてもよく、次回はぜひ部屋風呂付のグレードに宿泊したい。

大浴場はふたつあり、基本的にいつでもすいていて助かる

9. 新潟県|三川温泉 湯元舘

2025年10選宿。
年末に突如すべりこんできたダークホース。食事の前情報があまりなく特に期待をしていなかったのだが、いい意味で大きく期待を裏切られた。
土曜泊で1泊1名1万円台前半のリーズナブルな宿ながら、圧倒的な宿泊体験であった。

上述のツイートのとおり鯉料理を中心とした夕食が圧倒的に優れていたのだが、朝食もたいへんすばらしい。

山間部の宿メシのお手本のようなビジュアル

鮎の甘露煮に山菜、きのこ汁、山の宿にほしい要素がすべて詰まっている。
そして煮物椀がでかい。大きいことはいいことだ。

実家のような安心感(もっとも筆者に関係円満な親族は存在しないのだが…)

手作りのマカロニサラダもおいしい。「おかず味のサラダ」で白米が進む。
もちろんベースとなるコメがうまい。圧倒的新潟パワーを感じる。

参考:各皿がでかすぎる夕食
写真外にもう一品あるし、食事の鯉こくも大ボリュームだった

湯も圧倒的鮮度、ぬるゆ、泡つき、金気臭とパーフェクト。
OTAなし・保護されていない通信の「ホームページ」にこそ、名宿は隠れているのである。

ビタビタのオーバーフローがすばらしい

※鯉料理は原則2人前~だが、ほかに宿泊者がいれば一人泊でもOKとのこと

10. 新潟県|駒の湯温泉 駒の湯山荘

定宿Part4。2022年からほぼ毎年宿泊している。
こちらはぜひ個別記事を読んでほしい。

うまみが凝縮された棒鱈、超大粒の納豆、鍋ごと出てくる味噌汁など…
いずれもここでしか食べられない、唯一無二の味わいである。

汁がデカいことはいいことだ

近年は土曜祝前日の一人泊が原則不可になるなど逆風気味だが、今後も定期的に宿泊していく所存だ。

携帯電波が圏外の宿(そもそも自家発電以外の電力がない)であるが、最近はStarlinkを気軽に実用できるためインターネット中毒者にもやさしい。
ありがとうイーロンマスク。自称Xのことはまだ許してないぞ。

圧倒的爆泡、圧倒的オーバーフロー

11. 長野県|来馬温泉 風吹荘

2023年10選宿。2025年にも再訪した。過去記事参照定期。
2010年代にも何度も宿泊経験があり、定宿Part5である。

古くから某巨大掲示板(完全に死語…)で「信州メシウマ四天王」などと呼ばれていた宿で、リーズナブルながら高品質な料理を出すことで名高い。
山の幸はもちろん県を跨いだ糸魚川港からも近いため海の幸も豊富なほか、あえて地の食材にこだわりすぎないスタイルで、朝夕ともに常においしく、バラエティ豊富な食事を出してくれる。過去には九州産のふぐ料理などが出たこともあった。

2025年朝食 圧倒的つまみパワー

朝食の特徴としては圧倒的な酒のつまみ感。白米より日本酒に合うだろうというような、手の込んだ小鉢が大量に出てきて朝酒不可避である。
大糸線の本数の少ないエリアではあるがエキチカ宿でもあるので、必ず公共交通機関で来なければならない。

フォロワー諸兄らも朝酒を楽しんでいてすばらしい

2023年朝食 仕入れ次第でガラッと内容が変わるが、いずれにせよ圧倒的つまみパワー
貝汁も出るので痛飲しても安心

もちろん泉質も素晴らしい。2本の源泉で温度調整をしており源泉100%かけ流し、湯温は43℃前後で熱めの提供。
金気臭も激しく一見パンチが強そうに見えるが、湯ざわりは意外と柔らかくサラッとしている。強くオーバーフローしており鮮度も抜群だ。

出汁感を強く感じる湯で、飲泉ごくごくしてもけっこうおいしい

12. 長野県|乗鞍高原温泉 泊まれる温泉Bar136

執筆時点で2026年のベストオブ温泉宿筆頭候補
おもな理由は「実質・パレスホテルのBar」である夕食体験が圧倒的にすばらしかったからなのであるが、朝食も非常によかった。

さんざん飲酒したあとのモーツァルトが染みる

朝食はオーナーシェフのワンオペでありながら、ホテル洋食スタイル。
初めに提供されるスープから非凡なおいしさ。

繊維を感じるコーンポタージュがだいすきなのだ

メインディッシュのフレンチトーストは甘さ・塩気控えめでバターが強く香る。信州果物のコンフィチュールと合わせるとはちゃめちゃにうまい。

オムレツはクラシックな固焼きスタイル

味もよく、見た目以上にボリュームがあり大満足だった。

温泉は乗鞍高原・湯川源泉のミルキーブルーを原則貸切(朝は男女別)で堪能できる。
温泉地共有のいわゆる組合共同源泉のなかでは全国トップクラスに泉質が優れていると思う。ぬるめ提供なのもありがたい。

内湯40℃、露天37℃、標高が高いこともあって最高の避暑

13. 静岡県|伊東温泉 マストランプ

2025年宿泊。
珍しく団体戦(2名)で宿泊した宿だが、ひとり泊プランも存在し、直近であれば土曜一人泊のプランも出ている。

ほぼオーベルジュと言ってもよい食に強いこだわりを感じる宿で素晴らしい夕食があり、朝食もオーナーシェフの手で一品ずつサーブされる。
サラダにスープ、卵料理を中心としたメインのプレート、いずれも根菜たっぷりでうれしい。

サラダに雑穀を入れるとうまいの法則
汁から肉と豆の味がしてうれしい
4種のパンは焼きたてをおかわり自由
写真は強欲の罪を犯し皿に乗り切らなくなった例

温泉は自家源泉を源泉100%かけ流し。伊東らしい芒硝臭+仄かな卵臭があり鮮度も高い。
貸切湯舟も3ヶ所ありいずれも素敵なのだが、利用時間の制約がやや強め。(1回35分~40分の利用、都度フロント予約必要、深夜早朝利用不可など)

温泉入浴を重視する場合は、ひとり泊でも奮発して部屋露天付のグレードを選択することを推奨する。

照明がすてきな部屋風呂は40℃強のぬるめ適温
もちろん自分で加水調整もできるが、夕食時に湯加減の好みを確認してくれたのもありがたい

14. 静岡県|伊豆熱川温泉 吉祥CAREN

2025年10選宿。

「お祝いの宿」を掲げ、内装やサービス、途切れなく実施される各種イベントなどリゾート感あふれる宿。
こういったタイプの小~中規模宿でひとり泊の受け入れに積極的なのはめずらしく、大変ありがたいことである。

朝食は和洋の選択肢があるのだが、洋を選択した場合は鉄板焼きレストランが朝食会場となる。

オムレツのソースは4択からトマトハーブを選択、オレガノがよく効いている

鉄板仕上げのオムレツもとても美味だが、メインディッシュはフレンチトースト。外はカリカリ、中はふわふわで鉄板焼きならではの味わい。

着席時から鉄板に鎮座ましましている
シナモンをたっぷりかけていただく

泉質も自家源泉100%の、芒硝香+塩味の強い湯で素晴らしい。
絶景の大浴場のほか、姉妹館・つるや吉祥亭の貸切風呂も利用可能。

そしてなんといっても、「ユニットバス付」の安価な部屋でも蛇口から源泉がドバドバ出てくる。これが嬉しい想定外であった。

「客室展望露天付」の高級な部屋もあるのだが、これでも十分すぎる

今回はフレンチ洋食を選択したが、こちらも和や鉄板焼きの選択肢があり朝・夜ともに組み合わせは多彩。連泊しても非常に楽しそうだ。

15. 鹿児島県|妙見温泉 妙見石原荘

2025年宿泊。
だいすきな温泉地である妙見温泉随一のハイクラス宿である。

ハード面の素晴らしさについてはマリウス・モデストゥス氏が詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてほしい。

正直なところ、夕食は「味はいいけど量が少なすぎるな…」という感想だった(品数追加の課金ができることをあとから知った)のだが、朝食は質・量ともにすばらしかった。

ハイクラス感がすごい

高品質な豆サラダ、鰯の丸干し、湯豆腐にスムージーなど、現代旅館朝食の「正解」を、正面から出されている感じがする。

たまごやきにとろみをかけたらうまい(真理)
おかわり自由の霧島黒豚豚汁で無限が発生した

ここでのメインディッシュは削りたての鰹節。
着席時点で圧倒的な香りがあり、湯豆腐にかけてもよし、ご飯にかけてもよし、もちろんそのまま食べてもたいへんおいしい。

鰹といえば高知和歌山愛媛…だが鹿児島も忘れちゃいけない名産地

"SEMSITV"も素晴らしい。このクラスの宿で熱交換器を熱く語る支配人の姿が見られるのは全国でも稀ではないだろうか。内湯および野天風呂は日帰りでも入浴できるので、ぜひ気軽に試していただきたい。

貸切の「七実の湯」が優ロケーション・爆泡でいちばんすき

妙見温泉はグループ系列の定宿、妙見ねむを筆頭に魅力的な選択肢が数多く、予算的にもついつい他宿へ浮気してしまいがちだが、ぜひとも機会を作って部屋風呂付のグレードで再訪したいと考えている。

おわりに

前述のとおり、15選で収まりきらなかった優れた宿がたくさんある。
そして、どのようなランキングを作っても居座る「定宿」が年々増えているなあという感慨があった。同じ記事のリンクを貼りすぎてスパムを疑われるレベルだ。いい宿なのだから仕方がない。

機会があれば、また目線を変えて「〇選」を実施したい。


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