疑問符(?)と感嘆符(!)の後には…(日本語文章のルール)
私は何度か「?」(疑問符)と「!」(感嘆符)の後に一字開けたほうがいいと書いてきた。
だからまた書くのもどうかと思ったが、ネットで目にする文章のほとんどが上のルールを守っていなので、また書くことにする。
では、疑問符と感嘆符の後に一字開けたほうがいいのはなぜか?
そうしたほうが読みやすいし見やすいからだ。
例を出そう。
「あなたの仕事は何なの?え?編集!ホント?」
この文章を見て違和感を覚えない人が多いと思う。
そういう書き方(打ち方)や、こういう文章を読むのに慣れているせいだろう。
しかし、ちゃんとした編集者のいる編集部や出版社がそれを印刷に回すとしたら、次のように直される。
「あなたの仕事は何なの? え? 編集! ホント?」
前のような文章を打ち慣れている人や読み慣れている人には、ちょっと間が抜けて見えるかもしれない。
しかし、日本語の文章の文字組みでは、「?」と「!」の後に一字開けるのが原則なのである(英文でもそうである)。
これは編集者や記者としての知識の基本の「キ」なので、広く公開する文章を書いたり打つ場合はそうしないと軽く見られかねない。
ただし、見出しなど大きな文字のコピーなどでは、一字開けると間の抜けた印象になることがあるので、そういう場合は半角だけ開ける。
ちなみに、小説の文章や新聞記事などは一画一画に一字ずつ書いて(打って)いくが、チラシやポスターなどになると、大きな文字のコピーは字間を詰めることが多い。
そうしたほうが締まって見えるからだ。
要は、見やすくて読みやすく見栄えがいいと感じてもらえるように工夫したほうがいいのである。
けれど、例えばポスターのなどの大きな印刷物で、「NOTE」といった短い見出し(特に外国語)をデカデカと配置するとする。
そういう場合は、敢えて「N O T E」と全角アルファベットで字間を開けて文字を配置することもある。
そのほうがデザイン的に目立つしはバランスがよくなったりするのなら、そうしたほうがいい。
そのため、プロ仕様のレイアウトソフトやデザインソフトには、字間を調節する機能が必ず付いている。
「?」と「!」の説明に戻ろう。
日本語の文章では、読点(「、」)や句点(「。」)がほぼ必ずある。
「、」にしろ「。」にしろ、一画の左下にちょんと小さくあるだけなので、パッと見には一字開いているように見える。
読点(「、」)は、昔の人は文章を音読していたので、それで息継ぎをするところに付けたのだろう。
読点は息継ぎするところだけでなく、ひとつの文章(センテンス)の意味をよりわかりやすく読み手に伝えるためにも使う。
今の時代は後者の目的で読点を打つことが多い。
例えば、「私はアメリカ人の好みそうな風景に似合う真っ白くて大きな建物を愛する」という文章があるとしよう。
これを読むと、「私はアメリカ人」とまず読むので、読み手は「この人はアメリカ人なのか」と思うかもしれない。
しかし、次に「の好みそうな風景」とつ続くので、「何を言いたいの?」と思われる恐れがある。
最後まで読まないと意味がわからない文章なのだ。
しかし、次のように読点を入れれば、すんなり読むことができ、読み手を惑わせることもない。
「私は、アメリカ人の好みそうな風景に似合う真っ白くて大きな建物を愛する」
ちなみに、このことも何度か書いてきたのでまた書くのもどうかと思うが、念のため簡単に説明することにする。
「私は、アメリカ人の好みそうな風景に似合う真っ白くて大きな建物を愛する」
の文章の場合、「主格」は「私」で、「述語」が「愛する」である(日本語の主語は、欧米語でいう主語とかなり違うはたらきをするので、今は主語ではなく「主格」と呼ぶ)。
そして、この文章では「建物」を「目的語」と言う。
その目的語を説明する言葉を「修飾語」と言う。
上の文章の「修飾語」は、「アメリカ人の好みそうな風景に似合う」と「真っ白くて」と「大きな」の3つである。
これを逆に並べて上の文章を書き換えてみよう。
「私は、大きな真っ白くてアメリカ人の好みそうな風景に似合う建物を愛する」
どうだろうか?
何か違うとは感じないだろうか?
初めの文章と比べてみてほしい。
「私は、アメリカ人の好みそうな風景に似合う真っ白くて大きな建物を愛する」
前の文章よりもこのほうがさらりと読むことができると感じないだろうか。
「修飾語」は、長いものから順に並べたほうがいいというのも、文章を書く場合の基本なのである。
そのほうが読みやすいし、わかりやすい文章になるのだ。
どうしても「白くて大きな」から書きたいというなら、次のようにしたほうがいい。
「私は、大きな、真っ白くて、アメリカ人の好みそうな風景に似合う建物を愛する」
このように読点を打つことで読みやすくなる。
こういう読点の打ち方はお勧めできないが…。
次に、句点(「。」)は、言うまでもなくひとつのセンテンスの終わりを示すマークだ。
この句点がないと、文章がどこで終わっているかわからず、ひどく読みにくい文章になる。
昔の日本人は、読点も句点も打たずに文章を書いていた。
漢文がそうだから、日本人が初めて知った言語である漢文にならって、読点や句点を入れようとは思わなかったのだろう。
いつから読点や句点を打つようになったかはわからない。
たぶん明治時代だと思う。
そして現代では、長い文章なら読点のない例はまずない。
句点のない文章もない。
読点と句点を打つことで、見やすくて読みやすくてわかりやすい文章になるのだ。
なぜかというと、読点と句点の部分が一字開いているように見えるので、文章に切れ目ができ、見やすくて読みやすく、理解しやすい文章になるからである。
ここで、冒頭の例文に戻ろう。
「あなたの仕事は何なの?え?編集!ホント?」
これでは、文章がどこで切れているかわかりにくい。
「あなたの仕事は何なの? え? 編集! ホント?」
このように疑問符(?)や感嘆符(!)の後に一字開けると、そこで文章が切れている、終わっているとすぐわかる。
これは読点(「、」)と句点(「。」)と同じような効果を持つ。
このことは本当に基本の「キ」なので、文章を書く(打つ)ときはぜひ守ってほしい。
疑問符や感嘆符には、全角文字ではなく半角文字もある。
普通の文章であれば、半角の「?」や「!」よりも全角の「?」や「!」と書いたほうが見栄えがいい。
パソコンでは半角で打つほうがやりやすいので、半角で打つ人が多いようだが、できれば全角で打とう。
例えば「いち」と打って変換しても「1」はなかなか出てこない。
私は、「1」から「9」まで単語登録している。
そうすればすぐ変換できる。
ただし、「!!」や「!?」と全角で打つと、間伸びした印象になるので、疑問符や感嘆符をふたつ並べるときは半角で打つ。
「!?」とか「!!」のように、半角で打ったほうが見栄えがいいことがわかるだろう。
その場合も、その後は一字開けたほうがいい。
英語などでも、この基本は守られている。
また英文などでは、コンマ「(,)」とピリオド(「.」)を打つ。
日本語文章の読点と句点と同じ役割を持つ。
もしかすると、日本語の文章に読点と句点を取り入れたのは英文を真似たのかもしれない。
(もしかすると、将来の日本人は英文の書き方にならい、単語と単語、文章の区切りを少し開けて文章を書く〈打つ〉ようになるかもしれない。例えば「いつから読点や句点を打つようになったかはわからない たぶん明治時代だと思う そして現代では 長い文章なら読点のない例はまずない 句点のない文章もない」というように)
なお、「?」や「!」の後に一字開けて書いて「?」や「!」が文章の最後にくる場合、次の行が一字下がってしまう。
例えばこうだ。
あなたの仕事は何な
の? え? 編集!
ホント?
こうなると「ホント?」で行変えしているように見える。
小説などの長い文章を書くときは、段落の初めを一字下げる(このことについては小学校で習うので説明しない)。
そのように、つまり段落が変わったように見えてしまうので、このようになる場合は以下のように書く(打つ)。
あなたの仕事は何な
の? え? 編集!
ホント?
見やすく、読みやすく、わかりやすく、そして見栄えが良くなるように書く(打つ)習慣をぜひ身に付けてほしい。
