風俗嬢を追い詰める「偽りの選択」―「また来てもいい?」に、答えなんて要らない
前に、「風俗嬢に好かれたいなら、北風にならないで」という記事を書きました。
北風と太陽の話でいうなら、強く吹きつけて相手を動かそうとするのが北風。相手が自分から近づけるように、安心できる空気を作るのが太陽。
そんな内容の記事でした。
その記事を読んだ方から、こんな質問をいただきました。
「自分が気遣いのつもりで言っていた言葉が、もしかしたら北風行動なのでは?と気付かされました」
この質問を読んで、私は「すごく大事なところに気づかれた方だな」と思いました。
というのも、北風って、わかりやすく乱暴な言葉だけではないからです。
「早く返信して」
「俺のことどう思ってるの」
「なんで会えないの」
こういう言葉が圧になるのは、まだわかりやすいと思います。
でも本当に難しいのは、優しい言葉の中に北風が紛れ込んでいるときです。
「また来てもいい?」
「無理しないでね」
「迷惑なら言ってね」
言葉だけ見ると、どれも優しい。相手を尊重しているようにも見えます。
だからこそ、自分でも気づきにくいのです。
でも、北風か太陽かを分けるのは、言葉の優しさではありません。
その言葉を受け取った女の子に、どんな答えを求めているかです。
優しい質問に見えて、答えは一つしかない。
たとえば、「また来てもいい?」という言葉。
これを言う男性の中には、本当に遠慮している人もいると思います。勝手に次も行くと決めつけるのではなく、相手の気持ちを尊重したい。迷惑なら控えたい。そういう気持ちで聞いている人もいるでしょう。
その気持ち自体は、私は否定しません。
ただ、女の子側からすると、この質問には少し答えづらさがあります。
なぜなら、接客中のお客様に対して、
「正直、次は来てほしくないです」
とは、言えないからです。
つまり、「また来てもいい?」と聞かれた女の子には、実質的に「もちろん、また来てね」と答えるしかありません。
同じように、「無理しないでね」も、それだけなら優しい言葉です。
でも、そのあとに、
「次の出勤が決まったら教えて」
「返信はいつでもいいよ。でも昨日のLINE見てくれた?」
「体調心配だから休んでね。でも僕の予約の日は大丈夫?」
と続くと、女の子は少し混乱します。
言葉では「無理しないで」と言われているのに、実際には無理を求められているからです。
「迷惑なら言ってね」も同じです。
一見、相手に選択肢を渡しているように見えます。
でも、本当に「迷惑」と言える関係でしょうか。
もし女の子が「迷惑です」と言ったら、そのあと空気が悪くならないでしょうか。お客様が傷ついた顔をしないでしょうか。次に会ったとき、気まずくならないでしょうか。
そう考えると、女の子にはやっぱり、
「迷惑じゃないよ」
「大丈夫だよ」
「また来てね」
と答えるしかなくなります。
これは自由な質問に見えて、実は答えが一つしかない質問です。
私はこれを、「偽りの選択」だと思っています。
なぜ、確認の質問は苦しいのか。
心理学者ブレーム(1966)は、人は自分の自由が脅かされたと感じると、その自由を取り戻そうとして反発する、と考えました。これをリアクタンスと呼びます。
「自由を奪われる」と聞くと、強く命令されたときだけを想像するかもしれません。
でも、やわらかい質問でも同じことは起こります。
これらの質問に、女の子が本当に自由に答えられるなら、それは太陽に近いと思います。
でも実際には、女の子はかなり気を遣います。
お客様を傷つけないように。
不機嫌にさせないように。
次に会ったとき気まずくならないように。
自分が冷たい女だと思われないように。
そうやって考えた結果、女の子は「大丈夫だよ」と答える。
でも、それは自分で選んだ答えというより、そう答えるしかなかった言葉かもしれません。
ここでもう一つ関係するのが、デシとライアン(1985)の自己決定理論です。
人は、自分で選んでいる感覚、つまり自律性をとても大切にします。
自分で「会いたい」と思う。
自分で「返信しよう」と思う。
自分で「話したい」と思う。
こういうとき、人の行動は自然になります。
でも、「返事をしないと相手が不安になる」「肯定しないと空気が悪くなる」と感じた瞬間、その行動は自分で選んだものではなくなります。
だから、同じ「また来てね」でも、女の子から自然に出た言葉と、聞かれたから返した言葉は、全然違います。
前者は太陽です。
後者は、北風に押されて出した答えです。
お客様が本当に知りたいのは、たぶん「本音」だと思います。
でも、確認すればするほど、本音は遠ざかります。
「本当はどう思ってるの?」と聞かれるほど、女の子は本当のことを言いにくくなる。
「迷惑なら言って」と言われるほど、迷惑とは言えなくなる。
「また来てもいい?」と聞かれるほど、「また来てね」以外の選択肢が消えていく。
これが、確認という名の北風です。
太陽の言葉は、答えを求めない。
では、どう言えばいいのか。
大事なのは、完璧な言い換えを探すことではありません。
女の子から肯定の返事を回収しようとしないことです。
たとえば、「また来てもいい?」と聞きたくなったとき。
その奥には、「嫌われていないか確認したい」「次も会えると言ってほしい」という不安があるかもしれません。
でも、その不安を解消するために女の子に確認しない。
「今日も楽しかった。またタイミングが合うときに予約するね」
これで十分です。
この言い方なら、女の子は「来ていいよ」と許可を出す必要がありません。次の約束をその場で保証する必要もありません。
お客様が自分の気持ちを伝えて、あとは女の子の自由を残している。
それが太陽に近い言葉です。
「無理しないでね」も同じです。
言うこと自体は悪くありません。でも、本当に大切なのは、その後です。
女の子が返信しなかったとき、追いLINEをしない。
予定が合わなかったとき、寂しさをぶつけない。
休むと決めたとき、「そっか、ゆっくり休んでね」で終われる。
「無理しないでね」は、言うだけなら簡単です。
でも、女の子が本当に無理をしなかったときに、それを受け止められるか。
そこに、本当の気遣いが出ます。
「迷惑なら言ってね」も、何度も確認しなくていいと思います。
迷惑かどうかを聞くより、迷惑になりにくい行動を選ぶ。
返信を急かさない。
断られても態度を変えない。
相手の生活に踏み込みすぎない。
言葉で確認するより、行動で安心を作るほうが、ずっと伝わります。
心配と監視は、よく似ている。
もう一つ、無意識にやってしまいやすい北風があります。
それは、心配のつもりが監視になっているパターンです。
たとえば、
「今日、出勤だったよね?」
「写メ日記が更新されてないけど、体調悪いの?」
「昨日、遅い時間まで働いてたね」
「Xにはいたのに、メッセージは返せないんだね」
「最近、出勤減ってるけど何かあった?」
言っている側は、ちゃんと見ているつもりかもしれません。
体調を気遣っている。
変化に気づいている。
困っているなら力になりたい。
そういう気持ちもあると思います。
でも、女の子からすると、
「私の行動、そこまで見られているんだ」
と感じることがあります。
公開されている情報を見ること自体が悪いわけではありません。写メ日記もSNSも、お客様に見てもらうために出している部分はあります。
でも、見た情報を細かく本人に伝えられると、話は変わります。
「昨日あの時間にログインしてたよね」
「日記消したよね」
「あの投稿、誰のこと?」
「前よりテンション低くない?」
こうなると、心配というより、行動の確認・監視になります。
見守られていると感じると、人は安心することがあります。
でも、見張られていると感じると、人は息苦しくなります。
その違いは、相手の自由が残っているかどうかです。
見守る人は、気づいてもすぐに問い詰めません。
見張る人は、気づいたことを確認せずにはいられません。
見守る人は、相手が話すまで待てます。
見張る人は、相手が話す前に理由を知ろうとします。
たぶん、女の子が安心するのは前者です。
「ちゃんと見ているよ」よりも、「見ているけど、踏み込まないよ」のほうが、救いになることがあります。
本当に自由を渡しているなら、聞く必要すらない。
今回の質問者さんは、「気づかぬうちに、自分が安心したいためだけに確認の言葉を相手に渡していた」と書いてくださいました。
私は、この気づき自体がとても大切だと思います。
「また来てもいい?」
「無理しないでね」
「迷惑なら言ってね」
これらの言葉を、一度でも使ったらダメという話ではありません。
関係性によっては、自然に受け取られることもあります。女の子が嬉しいと感じることもあります。
でも、その言葉の奥に、
「大丈夫だよ」と言ってほしい。
「また来てね」と言ってほしい。
「迷惑じゃないよ」と安心させてほしい。
という気持ちがあるなら、少し立ち止まってもいいと思います。
その確認は、本当に女の子のためなのか。
それとも、自分の不安を預けているだけなのか。
太陽でいるというのは、優しい言葉をたくさん言うことではありません。
相手が答えなくてもいい余白を残すことです。
返事を求めない。
説明を求めない。
保証を求めない。
気持ちを急がせない。
それでも、あたたかくいることです。
女の子に本当に自由を渡しているなら、何度も確認しなくていい。
本当に自由を渡しているなら、聞く必要すらありません。
質問はいつでも受け付けています!なんでも気軽に聞いてくださいね。
