哲学の言葉の力☕「時間は、物事を砕く。すべては時間の力のもとに成長し、時間の経過とともに忘れ去られる」
哲学の言葉の力☕
アリストテレス「時間は、物事を砕く。すべては時間の力のもとに成長し、時間の経過とともに忘れ去られる」を大阪のおばちゃんが読み解く
時間いうもんは、不思議やなあ
目には見えへん
触ることもできへん
財布みたいに「あと三千円残ってます」と確認することもできへん
せやのに、人生でいちばん強い力を持ってるんが、案外この「時間」なんやと思う
若いころはな、時間なんて無限にあるような気がする
「また今度でええわ」
「そのうちやるわ」
「いつか会おうな」
こんなこと平気で言う
ところが年齢を重ねるとな
「そのうち」が、必ず来るとは限らへんことに気づくねん
そこで、アリストテレスのこの言葉や
「時間は、物事を砕く。すべては時間の力のもとに成長し、時間の経過とともに忘れ去られる」
なんや、ちょっと怖いやろ
時間が物事を「砕く」いうねん
おばちゃん最初に聞いたら
「時間さん、そんな乱暴なことせんといてぇな」
と思うわ
でもな、よう考えたらほんまやねん
■ 時間は、どんなものでも変えてしまう
新品の服も、着ているうちに色あせる
新築の家も、何十年も経てば傷んでくる
どれだけ立派な建物でも、何百年、何千年という時間の前では姿を変える
人間も同じや
昨日までピンピンしてた膝が
「今日は階段やめとこか」
言い出す日が来る
鏡を見たら
「あれ?こんなとこにシワあった?」
となる
時間はな
「ちょっと失礼しますよ」
とも言わへん
許可も取らんと、どんどん進んでいく
金持ちでも止められへん
社長でも止められへん
美人でも止められへん
ここだけは、人類全員平等や
■ でも時間は「壊す」だけちゃう
ここがおもしろいところや
アリストテレスの言葉には
「すべては時間の力のもとに成長する」
ともある
つまり時間は、壊すだけやない
育てるんや
種を植えても、次の日に大木にはならへん
赤ちゃんも、一晩寝たら大人にはならん
料理かてそうや
煮物なんか、作った直後より次の日のほうが味しみてうまかったりする
人間関係もそう
初めて会った日に
「私ら親友やな!」
言われたら、ちょっと怖いやろ
時間をかけて話して
失敗も見て
助けてもらったり
腹立てたり
また笑ったりして
そうやって信頼いうもんが育つ
つまり時間いうんは
壊す力と、育てる力を同時に持ってる
ここが深いねん
■ 恋愛なんか、時間の力がいちばん分かりやすい
恋愛を考えてみ
付き合い始めなんか
「ずっと一緒にいようね」
言うやろ
二時間電話しても足らん
LINE来ただけで心拍数上がる
せやのに十年経ったら
「牛乳買ってきた?」
これで会話終わり
愛はどこ行ったんや!
と思うけど、別に愛がなくなったとは限らへん
恋の熱が、生活のぬくもりに変わったんかもしれん
時間は気持ちを壊したんやなくて
形を変えた
とも言えるんや
逆に、どれだけ大恋愛した相手でも、二十年も経ったら顔を思い出すのに三秒くらいかかることがある
「あの人……名前なんやったっけ」
人間、そんなもんや
あんなに泣いたのに
あんなに眠れへんかったのに
時間いうやつは、勝手に傷の角を丸くしてくれる
■ 「忘れる」ことは悪いことなんやろか
この言葉の最後には
「時間の経過とともに忘れ去られる」
とある
なんや寂しい話やな
人生で頑張ったことも
好きだった人も
悔しかったことも
いつか忘れられる
自分自身だって、何百年後には誰も知らんかもしれへん
そう考えたら
「ほな何のために生きるん?」
と思う人もおるやろ
せやけど、おばちゃんは逆に思うねん
忘れられるから、生きられるんちゃうか
人間が全部覚えてたら、しんどいで
小学校の失敗
昔の失恋
会社で怒られたこと
誰かに言われた嫌味
全部昨日のことみたいに覚えてたら、心の倉庫パンパンや
歩く場所ない
忘れるいうんは、脳みその手抜きちゃう
時には、人間を生かすための整理整頓なんや
■ 悲しみも時間に預けたらええ
大切な人を失った時なんか
「時間が解決してくれるよ」
と言われても、腹立つ時ある
「今こんなにつらいのに、簡単に言わんといて」
そう思う
そらそうや
時間は魔法使いやない
今日泣いてる人を、明日ケロッと笑わせることなんかできへん
でもな
一年
三年
十年
時間という川の中を歩いていくうちに、悲しみの姿が変わることはある
「思い出すだけで泣く」
から
「思い出したらちょっと笑える」
へ変わることがある
悲しみが消えたんやない
悲しみと一緒に生きられる自分に育った
ということなんやと思う
これも時間の力や
時間は悲しみを砕きながら、その人自身を育ててるんや
■ 成功も失敗も、時間の前では途中経過や
今、ものすごく成功してる人がおる
反対に、今ものすごく失敗して落ち込んでる人もおる
でもな
時間の視点から見たら、どっちもまだ途中や
今日の成功が、十年後には失敗への入口になるかもしれん
今日の失敗が、十年後には
「あれがあったから今がある」
に変わるかもしれん
せやから
今の一場面だけで人生全部を判定したらあかん
これ、時間から学べる大事な哲学やと思う
今日負けた?
ほな今日は負けただけや
人生が負けたわけちゃう
今日うまくいった?
そら良かった
でも、それで人生全部勝ったわけでもない
時間いう長い映画の中では
今日なんてまだワンシーンや
■ 「永遠に続く」と思うから苦しくなる
人間、つらい時には不思議なことを思う
「この苦しさ、ずっと続くんちゃうか」
でも大抵、ずっとは続かへん
嬉しいことも
悲しいことも
人気も
若さも
怒りも
流行も
変わっていく
これを「無常」と呼ぶ哲学もあるけど、大阪のおばちゃん流に言うたら
「まあ、そのうち変わるわ」
や
この一言、なかなか強いで
今めちゃくちゃ腹立ってても
「三年後、これ覚えてるかな」
って考えたら、ちょっと力抜けるやろ
逆に、ものすごく幸せな時には
「これも永遠ちゃうんや」
と知っているからこそ、大事にできる
終わる可能性があるから
「今、一緒にごはん食べられてよかったな」
と思える
■ 時間は人生を奪うんやなく、人生そのものなんや
よう
「時間を失った」
って言うやろ
でも考えてみたら、人生いうんは時間そのものやねん
一時間をどう使ったか
一年を誰と過ごしたか
十年で何を覚えたか
その積み重ねを「人生」と呼んでる
せやから時間を大事にするいうんは
分刻みで予定詰め込め、いう意味ちゃうで
ぼーっとする時間もいる
昼寝もいる
たこ焼き食べながらしょうもない話する時間もいる
大事なんは
自分が生きてる時間を、自分でちゃんと味わってるか
やと思う
忙しいだけが、時間を有効に使うことちゃう
好きな人と笑った三十分のほうが、意味のない会議三時間より人生として濃い場合もある
まあ、会社では言わんほうがええけどな
■ 時間に勝とうとせんでええ
若さを保ちたい
忘れられたくない
成功を残したい
人間は、時間に抵抗したくなる
でも時間には勝てへん
せやったら、勝負せんかったらええねん
時間と戦うんやなく
時間と一緒に変わっていく
若い時の自分に戻ろうとせんでもええ
二十歳には二十歳の良さがある
四十歳には四十歳の良さがある
七十歳には七十歳にしか見えへん景色がある
時間に何かを奪われた分だけ、別の何かをもらってることもある
体力は減ったけど、人を見る目は増えた
勢いは減ったけど、許せることが増えた
顔のシワは増えたけど、笑える失敗談も増えた
それでええやん
■ 大阪のおばちゃんが読み解く「時間の哲学」
アリストテレスのこの言葉は、一見すると
「何もかも壊れて忘れられる」
という寂しい話に聞こえる
でも、おばちゃんにはこう聞こえる
何も永遠ちゃうから、今を大事にしなさい
時間は壊す
でも育てる
時間は忘れさせる
でも癒やす
時間は奪う
でも経験をくれる
そう考えたら、時間いうのは敵でも味方でもない
ただ黙って流れてる
その流れの中で
泣いたり
笑ったり
惚れたり
別れたり
失敗したり
また立ち上がったりする
それが人生なんや
■ 最後におばちゃんから一言💞
昔の失敗を今でも握りしめてる人
もう、そろそろ時間に渡してええで
昔の恋を忘れられへん人
無理に忘れんでもええ
時間がゆっくり形を変えてくれる
今うまくいってへん人も
今日だけ見て、自分の人生に「失敗」の判子押さんでええ
まだ時間がある
まだ続きがある
そして今、幸せな人は
「いつまでも続いてほしい」
だけやなくて
「今日ここにあること」をちゃんと味わっとき
時間はな
何でも砕いてしまう
せやけど同時に
砕けたものから、新しい人生を育てる力も持ってる
だから時間を怖がらんでええ
若さが過ぎても
恋が終わっても
仕事が変わっても
誰かに忘れられても
その時間を通ってきた「あんた」は残ってる
時間に負けたんちゃう
時間と一緒に、生きてきたんや
それでええ
それが人生や
これ、ほんまやで💞
