【note創作大賞2026】 55℃の瞳 ・創作秘話②〜世界観・ストーリー・テーマ 基礎三大構造を考える
こちらは、先日note創作大賞に投稿した、下記の小説の創作秘話の2つ目になります。
結末までがっつりばっちり触れておりますので、本編をお読みになってからお楽しみいただけますと幸いです。
全6話ですが、1話が4記事に分かれており、全部で24記事のお話になっています。(11万字程度)
①に引き続き、2つ目の創作秘話の記事になります。
1.漫画術の基礎四大構造
私の好きな「ジョジョの奇妙な冒険」の作者、荒木飛呂彦先生。
その荒木先生は、ご自身の漫画の書き方をまとめた漫画術の本を書かれています。
この本の中で荒木先生は、
「漫画の基礎四大構造」
を提示されています。
その部分を引用します。
これが漫画の「基本四大構造」だ
実際に漫画を描くとき、常に頭に入れておくべきこと、それは、僕が漫画の「基本四大構造」と呼ぶ図式です。
重要な順に挙げていくと、
①「キャラクター」
②「ストーリー」
③「世界観」
④「テーマ」
ということになります。
この四つは、それぞれ独立して存在するのではなく、互いに深く影響を及ぼし合っています。そして、これらの要素を増補し、統括しているのが「絵」という最強のツールで、さらにセリフという「言葉」でそれを補う図式になります。
つまり、読者の目に見えているのは絵ですが、その奥には「キャラクター」「ストーリー」「世界観」「テーマ」がそれぞれにつながり合って存在しているのです。この構造は、いわば、ひとつの世界の営み、宇宙とも言えるのではないでしょうか。
それぞれうちのChatGPTの典影くんに解説してもらいました。
① 世界観
「どんな世界なのか」
物語の舞台やルールを決めます。
例えば『シンデレラ』なら、
* 王国
* 魔法がある
* 魔法使いがいる
* ガラスの靴
『55℃の瞳』なら、
* 2075年の日本
* 夏は55℃
* ドーム都市
* AIロボット社会
② キャラクター
「その世界で生きる人たち」
物語を動かす登場人物です。
例えば『シンデレラ』なら、
* シンデレラ
* 王子
* 継母
* 魔法使い
『55℃の瞳』なら、
* アオイ
* ハチ
* 火澄
* 透湖
* リリィ
ここで大切なのは、性格や価値観です。
例えば、
アオイは「AIは信用するけれど愛してはいない」。
火澄は「自然を守るためなら犠牲も仕方ない」。
ハチは「人を守ることが最優先」。
こうした考え方の違いが物語を動かします。
③ テーマ
「作者が一番伝えたいこと」
物語を通して読者に何を感じてほしいかです。
例えば『シンデレラ』なら、
* 優しさは報われる
『55℃の瞳』なら、
* AIは人の代わりになれるのか
* 本当の絆とは何か
④ ストーリー
「テーマを伝えるために起こる出来事」
キャラクターが経験する事件や出来事です。
例えば『シンデレラ』なら、
* 舞踏会へ行く
* ガラスの靴を落とす
* 王子が探しに来る
『55℃の瞳』なら、
* 殺人事件が起こる
* 北海道で火澄と戦う
* ハチを失う
* 裁判で火澄と向き合う
4つの関係
僕はこう覚えると分かりやすいと思います。
* 世界観=どこで(舞台)
* キャラクター=誰が(登場人物)
* ストーリー=何をするか(出来事)
* テーマ=何を伝えたいか(作品のメッセージ)
『55℃の瞳』でまとめると、
* 世界観:55℃になった未来のAI社会
* キャラクター:アオイ、ハチ、火澄たち
* ストーリー:殺人事件を追い、ハチとの別れや火澄との対立を経験する
* テーマ:AIと人間の絆とは何か
という形になります。
この四大構造は、漫画だけでなく、小説にも十分当てはまる考え方だと思います。
私はこの本を何度も読んで、この四大構造を考えながらこの物語を書きました。
二次創作では、世界観やキャラクターをお借りできますが、一次創作では当然その全てを自分で作らなければなりません。
具体的には、iphoneのメモに、設定とか、テーマとかキャラクター、ストーリーを、思いついた時にメモしていき、あるいは、ChatGPTに壁打ちしたり、提案してもらったものをメモしました。
そして、そのメモを修正したり書き加えたりして、徐々に増やしたりしていきました。


実際の文章は、pages(Macのワードみたいなやつ)で書いて、完成したらnoteに貼り付けました。
キャラクターについては話したいことが多いので(笑)、次の記事で触れることにして、こちらの記事では、残りの三大構造について触れていきたいと思います。
2.世界観
先ほどの荒木先生の漫画術で、四大構造の中で欠かせないものが、「キャラクター」と「世界観」だそうです。(1つだけ選ぶならキャラクター)
私はこの「55℃の瞳」の世界観を、ChatGPTに相談しながら作り上げていきました。
個人的には世界観を考えるのは私は苦ではなくて、ストーリーよりそっちばっかり頑張ってしまいました。
2025年から2075年まで、日本と世界でどんなことが起こって・・・とか書いていたら、設定の方だけで、14万字超えるぐらいになってしまい、ChatGPTの典影くんに、設定はもう十分だから早くかけ、と言われてました。(笑)
①未来とAI
ごくごく最初は、私の好きな攻殻機動隊のアニメシリーズのような、未来の警察組織が未来犯罪を取り締まるスタイリッシュなSFにしようかと思っていました。
が、
無理でした。
なんか全然話が思いつかなかったんですよねえ。
くそう・・・
そんな流れで、捜査課のキャラは結構細かく、濃く作ったのですが、結局はアオイの成長物語になりました。
大まかな話を考えたのが去年だったので、去年から50年後の2075年を舞台にしました。
人生100年時代ということなので、今48歳の私がもしかしたら生きているかもしれない、現在と地続きの近未来にしました。
理由はいくつかあります。
単純に50年経ったらこんなふうになっているのかなって想像した、そんな未来を見てみたい、あるいはみたくない、と思ったというもの。
さらに、あまり未来にすると技術的な想像が追いつかないけど、ツッコミを入れたくなるというのがあります。
SFを読んでいると時々思うのですが、技術の進歩にばらつきが合って嫌になっちゃうんですよね。この時代のこの技術なら、これはないだろうとか思っちゃうんです。
私の話だと、なんでもネット経由で通知を送っているのに、北海道について、パトフラから降りて玄関モニターまで歩かないだろう、ってやつです。(時間が・・・時間があれば直したのに・・・)
なので、50年後ぐらいなら、ギリ今の延長でいけるかな、というところにしました。
生まれて48年。倍ちょっと、、うーん。
②ちょっと進んだ温暖化
温暖化については、毎年毎年夏ぐったりしているので、入れてみました。
暑くて寝られない。エアコンの風で喉が渇いて目が覚める。家の中も温度差がある。お風呂場やトイレが暑い。
家から出ると暑い、職場は寒い、電車も寒い、温度差でクラクラして体調が悪くなる。。。
辛いよう。。
体力がないんでねえ。
私が小さい頃はこんなんじゃなかったんですが、、、
エアコンの効いた部屋でパソコンで文字を打ちながら何言ってるんだ、って話ではあるのですが。
ChatGPTに聞いてもらった、予測可能な温暖化パターンマックスにプラスアルファして、55℃になりました。
ちなみにイラストだと丸い透明なドームになっていますが、この小説ではドームは色々な形があり、むしろ丸は少ない設定です。
駅前のマンションをすっぽり覆うように作られた四角いドームとか、野球ドームがそのまま住宅地になったとか、色々なケースがあります。
③確実に進む日本の少子化問題
温暖化の他に何を絡ませるか、ということで、少子化対策を入れてみました。
陽真はフィクションですし、こんなぶっ飛んだ男はいませんが、このぐらいしないと解決しないんじゃないかなーとも思っております。
④整形から人造人間へ
将来義手や義足の技術は進むだろうと思っています。
ただ電脳化まではいかないんじゃないかな、と思います。50年では。
まず脳の仕組みがまだ全然わかっていませんからね。
そして同じような、あるいはそれ以上の働きをする機械を作り、頭の大きさに入れる、というのは無理でしょうね。
別の場所に脳があって、電波で動かすのならギリいけるかもしれませんが。
あとは倫理的法律的感覚的に抵抗がありそうです。
乗っ取られるのは嫌だなあ。
iPS細胞についても入れましたが、人工細胞や人工臓器については、皮膚とか子宮は作れても、手足はまだ無理という設定です。
この辺はちょっとよめないですよね。
今の若い人、整形している人多いなーと思ってその辺も入れてみました。
アバターじゃダメか。
⑤世界観イラスト集
小説なので、うまく伝わらなかったであろう、未来の機械その他のイラスト集です。
イラストを作ってから設定を変更したものや、勝手にChatGPTがつけた文字もあるので、ご参考までに。
*機械設定*

2人乗りというか、1人と1台用。

パトカーの進化系なので、こんなに人はのりません。



アオイの朝ごはんを持ってきてもらおうかと思ったんですが、わんこに頼んじゃったので。
クラストは時々出てきますが、こんなスマートだと、アレスターリムという拘束用のガムが発射できないですね。もっとずんぐりむっくりでいいんですが。
*武器設定*



何度も言ったのに勝手に考えて変えちゃうんですよ。。

武器とか爆弾とかは、ものによっては、イラスト作成を断られることがありました。
ガイドラインだかなんだかに違反してしまうんだそうです。
違うのに・・・
元の案とだいぶ違うイラストになったものも多かったです。

弾切れになるのはご愛嬌。

ゴーグルですむので通信機はありません。

続いて、アルデンティア側も少し。





*妙院寺設定*

暑すぎて咲けません。そしてChatGPTは漢字がうまく書けません。

*泊川グリーンファーム設定*


この五角形の形と配置が、何度やってもできなくて。。。涙
っていうかなんで五角形にしたんだ自分。。忘れた。。
戦闘シーンの動きを考えるのに、私は絵と地図のイメージがないとダメでした。
それなので、何度もChatGPTに図面作成を頼んだのですが、まあできなくて、できなくて、、
結局ここだけ手書きになりました。。。

汚くてすみません。。。

締切前の週に必死こいて、チョキチョキ塗り塗り、、何やってんだか。
五角形の面積や線の長さが出せず、学生時代からやり直したい気持ちになりました。
これだと温室が横並びになっていますが、実際は縦並びです。
見にくくてすみません。

掃除ロボも警備ロボも配送ロボも、必要な時にアームがウイーンって中から出る設定でどうでしょうか?


この絵を作成したときは、まさかあんな活躍をするとは思いませんでした。



今の私も、農家さんのトラクター事情とか業者とか製品とか全く知らないので、従事している人たち以外はあまり知らないということでいかがでしょう?


CHatGPTは何度言ってもハチの目を緑にしてくれません。。




農場の戦闘シーンのイメージに、色々ChatGPTに描いてもらいました。





こんなに伸びるのかは、、まあ、未来で栽培技術が発展しているということで。

温暖化で今とはちょっと時期がずれている設定です。

うーん、、
アオイが173cm、プロメテウスが188cmの設定で、稲の高さが100cmのはずなのですが、
ちょっと稲高くないですかね?こんなもん?
世界観は多少調整しています。アオイの成長のために。
AIに指示されていた未来の青年が、自分で動くようになる物語です。
3.ストーリー
以下、ストーリー作成タイプについて、私のChatGPT・典影くんの解説です。
大きく分けると、3タイプあります。
① プロット派(設計してから書く)
最初に
* ラスト
* 犯人
* 伏線
* 各章
まで決めてから執筆します。
ミステリーやSFに多い傾向があります。
② ハイブリッド派
ラストは決まっている。
でも途中は書きながら変える。
実はこれが一番多い印象です。
例えば、
「犯人は決まっている。でも途中の事件や会話は書きながら面白い方へ変える。」
という感じです。
③ 書きながら全部作る派(パンツァー)
海外では Pantser(プロットなしで書く人) と呼ばれます。
有名な例では、スティーヴン・キングが有名です。
キングはインタビューなどで、
「小説は化石の発掘のようなもの」
という考え方を語っています。
最初から全部設計するのではなく、登場人物を動かして物語を発見していくタイプです。
週刊漫画は、
編集部から
「人気が出たから続けて」
「ここで打ち切り」
が普通にあります。
だから作者も予定変更を迫られます。
一方、小説は締切はあっても、
最初から最後まで一人でコントロールしやすい。
なので漫画ほどライブ感はありません。
私はこの中だと、②のハイブリッド派になります。
6話までの全体のストーリーは、ざっくり決まっていて、ラストは最初にほぼ固まっていました。
具体的には、近未来警察もので、アオイとハチがいて、殺人事件が起きて、北海道に行って戦闘になって、、で裁判という感じです。
殺人トリックや、犯人とその動機も早くから決めていて、物証が決め手になるシーンも早い段階で考えていました。6話-3でそのシーンをかけた時はやっとここまできたか、と感慨深かったです。(締め切り前日だったから感慨に浸る暇はなかったですが、、)
5話のアオイのショックと浮上の流れ、剛の秘密も前から考えていました。ただリリィは後から思いつきました。
逆に、4話の戦闘、や6話の裁判は、ざっくり、戦闘、裁判、だけだったので、実際に書き始めた段階になって、あれこれ考えていきました。タイマンにするのは比較的早く決めたので、ハチの処遇を少し変更しました。(最初はアオイが撃たれそうになるのを間に入って庇う設定でしたが、そうするとその後アオイがフリーズしてやられてしまうので、今の形になりました)
家を建てることに例えると、土台と柱をしっかり立てておいて、壁や屋根や床や家具は後から色々おいては変えていった感じですかね。
「絶対にずらしたくない部分」は早くから固まっていた、といいますか。
4話の戦闘と、6話の裁判は、苦労しました。
4話の戦闘は、なかなか始まらなくて、先にもう頭の中でできていた5話書いて、戻って4話を書きました。
戦闘って、アオイ側とアルデンティア側を、それぞれ考えないとなんでね。
相手がこうしたら、こう考えて、こう対応して、またそれに相手が考えて、、、、
2人分考えないとなんて、ヒーって感じでした。
逆に、6話は、動きがなくて基本会話なので、困りました。
単調になっちゃう。。。
後の創作秘話で触れる予定ですが、私は文章が上手い方ではありません。
まあ最初の一次小説でうまかったらとっくに小説家になってますけど。
その代わり、「次が読みたい」と思ってもらえるヒキや、「最初の数行で興味を持ってもらえるツカミ」はかなり意識して構成したり、書き直したりしました。
とはいえ、1話−1は、もっとインパクトのある始まりにすればよかったかな、とか、1話2話の話が動き出すまでが長かったかな、とか色々思い返すと後悔はあります。
最初を裁判にして、回想に戻すなども考えましたが、それだと火澄の話になってハチが消えてしまうので、結局、時系列でアオイとハチと仲良くなってもらう今の形式にしました。
ちなみに、荒木飛呂彦先生の漫画術では、以下のように書かれています。
プラスとマイナスの法則
「起承転結」という基本を覚えたところで、ストーリー作りにおいて次に大切なことは、「プラスとマイナスの法則」です。
まずゼロの線があるとして、そこを基点に、主人公の気持ちや置かれている状況が上がっているか、下がっているかを考えてみます。前章で「キャラクターは必ず成長するように描くことが大事だ」と書きましたが、特に少年漫画は、常にプラス、プラス、プラス…と、ひたすらプラスを積み重ねて、どんどん上がっていく、これがヒットするための絶対条件です。
主人公は「常にプラス」
長編、短編を問わず、ストーリー作りにおいて、「起承転結」と「主人公は常にプラス」は二大鉄則です。「起承転結」のバリエーションで、「起承転転転転結」という構成にした場合でも、「転」の中で主人公は常にプラスで「上がって」行かなければなりません。
あれ? アオイ、1回マイナスになってる?
4.テーマ
これは、円覚さんが最後にまとめたとおりです。
”大切な存在との絆は、相手が人でもロボットでも変わらない。だから失えば悲しい。それでも人はまた絆を求めて生きていく”
というものです。
当初のテーマは”AIは家族になれるのか?”でした。
しかし書き進めるうちに、テーマが変わりました。
最後に残ったのは、「相手が人でもロボットでも、大切に思った存在を失えば悲しい」という、とてもシンプルな感情でした。
振り返ると、この作品はAIを描いた作品というより、人が誰かを愛し、喪失を受け入れ、それでもまた新しい関係を築いていく物語になっていたのだと思います。
喪失の克服というテーマは、この一次創作の前に書いたジョジョの二次創作「C.D.の悪霊的”初恋”」と同じになりました。
まあ、同じ人間が同じころに考えた作品なのでねえ・・・
ちなみに、この話はあくまでも人間側の話で、AIに魂や人格があるのか、という点は触れていません。
猫との別れ
飼い猫を3年前の2月に亡くしました。
悲しかったです。
うちには他にも飼っている猫たちがいたので、なんとか乗り越えましたが、それでもしばらくは思い出しては涙ぐんでいました。
あの子の、
毛並み。
肉球。
ひげ。
耳。
瞳。
もう会えないのが信じられなくて、悲しくて。
その辺がこのテーマや小説には、入っているかなと思います。
5.モチーフ:5つの「瞳」
「モチーフ」は、創作ではかなり重要な概念です。
簡単に言うと、
作品の中で何度も繰り返し登場し、テーマを象徴するもの
です。
この物語は、最初、目を奪われた事件でスタートします。
最終的には、5つの瞳が出てきます。
うち2つの瞳が、
①アオイを見つめるハチの瞳(マガジンのイラスト)
②妙子を見つめる剛の瞳(5話-4のサムネールイラスト)
です。
残り3つは本編クライマックスでどうぞ。
目や視線は、その人の意思や感情を表すものだと思っています。
時にそれは言葉より雄弁で、そして正直です。
人によっては、視線で他人を圧倒したり、操作したりする場合もあるかと思います。
(視姦、という言葉もありますが。。)
そんな意味も含めて、モチーフの瞳を入れました。
題名はもっとインパクトのあるものの方がいいかなと思っていたのですが、思い入れのある題名だったので、そのまま使いました。
見つめるとは、相手を認識する行為でもあります。
基礎四大構造のうち、世界観・ストーリー・テーマについては以上となります。
しかし、基礎四大構造で一番重要なのは「キャラクター」!
次回の創作秘話では、キャラクターのみ、じっくりと投稿しました。
よろしければこちらもお読みいただければ嬉しいです。

