真理の輝き(Veritatis Splendor)による典礼の解放 《ベネディクト16世『愛の秘跡』の正統性・真善美の再統合と「美の道(Via Pulchritudinis)」》 03
第3章:【批判的検討I】聖なる空間の形而上学 建築と祭具の客観性
第1節 序論:形而上学から物質へ
前章において、私たちはトマス・アクィナス、アンリ・ド・リュバック、ベネディクト16世という三人の神学者の思想を検討し、典礼における真理、善、美の統合という形而上学的・神学的基盤を確立した。特に、トマスの美学における「明瞭性(claritas)」が、形相の輝きとして物質を通じて顕現すること、リュバックの秘跡神学における象徴と実在の不可分性、そしてベネディクト16世の「ロゴスの優位性」が、典礼を人間の創造性から神の啓示へと引き戻すことを明らかにした。
本章では、この形而上学的基盤を、具体的な「物質的要素」へと応用する。すなわち、典礼空間の建築と祭具が、いかにして「真理の輝き(Veritatis Splendor)」を担うかを検討する。
ここから先は
37,608字
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?
