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📚95【上野さん、主婦の私の当事者研究につきあってください】 1390


※ヘッダー画像は表紙部分です

上野さん、主婦の私の当事者研究につきあってください

上野千鶴子(1948年生まれ、社会学者、東京大学名誉教授、認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク理事長)
森田さち(1985年生まれ、慶應大学在学中に夜職経験、卒業後一般職を経て専業主婦、3人の子育てを経てライター、現在はYouTube運営•イベント企画•若者の居場所づくりなど)

晶文社 236頁
2025.11.15初版

命がけでキレた日から、夫の態度が変わりました

主婦の人生を「事者研究」したら、フェミニズムの問題集になった!
フェミニズムの第一人者と
”主婦のリアルが真正面から
ぶつかる、前代未聞の対話。

本書 帯


家父長制というかホモソーシャルというかオールドボーイズクラブ(ネットワーク)というか、とにかく日本社会に長年染み付いてる男性社会。
当たり前すぎて、それが歪であることに男性は勿論のこと、女性ですら気づいてないことの何と多いことか。

なんて書いちゃうと、逆差別とか女性優遇とか言い返されちゃう。
そりゃあ既得権益は手放したくないだろうけど、違うんだって。
男性を責めたいんじゃない。
デフォルトだと思い込んでる社会自体が男性中心に回ってるってことを意識してほしいし、それはおかしいんじゃないか?と思ってほしい。

好きなのよ、上野千鶴子さん。
頭の中や心の中で「何だかなぁ……」とモヤモヤしてることを、過不足なく言葉にしてくれる。
しかもニヤリとさせてくれる。
腑に落ちる感じが、スカーッと気持ちいい。

苦手意識を持ってる男性は多いかもしれない。
でもね、それって食わず嫌いじゃない?
聞いてごらん、読んでごらん。
男性だけが悪い、男性だけが変わらなきゃいけないなんて言ってない。
そういう社会を当たり前だと思い込んできただけ。
気づいたときから変われるし、変えられる。

先ずタイトルに惹かれた。
だってね、偉い誰かじゃなくて「主婦の私」よ?
机上の空論じゃなくて「当事者研究」よ?
それって、「日常」とか「生活」とか「家族」とかのことよね?

「主婦の私」は森田さちさん。
上野千鶴子さんに「お話をきかせてください!」とお願いして実現した2日間のオンライン対話が本書。

告白しちゃうと、森田さちさんは私が思う「普通の主婦」 ではなかった⚫︎ ⚫︎ ⚫︎ ⚫︎ ⚫︎ ⚫︎
お父様が弁護士で、中学受験して、高校時代に留学して、慶應大学に行って、結婚した相手は弁護士で、子どもがいて、家政婦さんに子育てを手伝ってもらって……
ハイスペすぎる。
私が経験した主婦とは天と地やん。

そんな森田さちさんは、長い間生きづらさや希死念慮をかかえていらっしゃった。
援交(パパ活)•夜職•望まぬ妊娠•中絶•ワンオペ育児•うつ•交通事故などもご経験されていて、実に盛りだくさん。
ハイスペは関係ないのか……

でもね読み進むうちに、家族を取り巻く問題って背景は違っていても案外普遍的なんだと気づいた。
根っこにはやっぱり家父長制が潜んでたりする。
だからこそフェミニズムやジェンダー社会学の考え方を知っているのと知らないのとでは大違い。


かつての私のように、フェミニズムは避けたいもの、だとか、フェミニズムって怖そう、と思っている人にこそ知ってほしい。(中略)
「女も男ものびのび生きるための思想」フェミニズムが、どうかあなたの「生きづらさ」を和らげてくれますように。

まえがき 森田さち P8


対話を通じて浮かび上がってきたのは、フェミニズムの標語、「個人的なことは政治的である」でした。森田さんという固有の個人が「わたしだけの問題」と感じてきたことは、「主婦である女にも、主婦でない女にも、これから主婦になる女にも、主婦だった女にも」共感できる「普遍的な問い」だと、読者は感じるのではないでしょうか。

あとがき 上野千鶴子 P234


 とはいえ、「主婦であること」がマジョリティからマイノリティになった森田さんたちの世代にとっては、「主婦であること」がデフォールトだったわたしたちの世代の女とは、また別の「生きづらさ」があるにちがいありません。働くことと働かないこと、子を産むことと産まないこととのあいだの葛藤や対立も、選択肢が増えるにしたがって、ますます深刻になっていることでしょう。(中略)
その意味では、どんな選択をしても、人は「マイノリティ」である、と言っていいかもしれません。

あとがき 上野千鶴子 P235



「自分が選んだ道だからと自分を責めていては生きづらい」
「自分を肯定して生きるのが一番いい」
「男は稼得力によってしか自己効力感を得られない」
「当事者研究で有名な熊谷一郎さんに『自立とは依存先の分散である』という言葉がある」
「制度よりも社会の空気や常識を変えるほうが大事」
「フェミニズムはけっして女も男のようにふるまいたいとか、弱者が強者になりたいという思想ではなく、弱者が弱者のままで尊重される思想」
「『フェミニズムが好き』を翻訳したら『私が一番大事なんです』と同じ」
「母•妻•主婦•婦人•娘•処女、女の呼び名はどれも家父長制が女に与えた指定席」……

夫の話がいーっぱい出てくる。
男性社会には「男だから」「男なのに」という男性ならではの生きづらさがあるのだと思う。
「女性には負けられない」とか「女性に弱みを見せられない」とか「男性の僕がやらないと」とかね。
男性ご自身も意識できてないんじゃない?

女性も男性も生きやすい社会とは?
書きたいこと、伝えたいことはまだまだあるけれど、おふたりの対話の臨場感を、ご自身で味わっていただきたいと思う。
女性を依怙贔屓する内容じゃない。
男性こそ是非。

全部は書ききれない

                2026.1.24.土









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