中国の「今」を感じさせる作品集「中国・SF・革命」
<SF(176歩目)>
切り出し方は、編集者により異なるとは思いますが、中国にかかわるSFの「今」を感じられる作品です。とても意欲的です。
中国・SF・革命
ケン・リュウ (著), 柞刈湯葉 (著), 郝景芳 (著), 王谷晶 (著), 閻連科 (著), 佐藤究 (著), 上田岳弘 (著), 樋口恭介 (著), イーユン・リー (著), ジェニー・ザン (著), 藤井太洋 (著), 立原透耶 (著)
河出書房新社
「176歩目」は、意欲的な中国をテーマにしたSFの短篇集です。
「阿房宮 郝景芳」
「折りたたみ北京」の郝景芳さんの作品。この本の中のSF作品では、抜けている。
秦の始皇帝が出てくる。なんか、高校時代の世界史で学んだ古代中国の皇帝で、「不老不死」を求めるも、秦という帝国も長くは続かず、その墓の阿房宮だけが頭に残っていた。この阿房宮と始皇帝と不老不死をテーマにした歴史改変SFで、郝景芳さんらしく読み応えがある作品に仕上がっている。
日本史の中でも、たくさんのキャラが立った人物がいるが、歴史改変ものの作品は多いが、「求めるもの(不老不死)」を中心に素晴らしいSFに仕上げているのが素晴らしい。カンタンに思えて、歴史改変で最後まで読み応えのあるものへの昇華はカンタンではない。
すごい才能を今回も感じた。
「改暦 柞刈湯葉」
柞刈湯葉さんは、切り出し方がいつもながら素晴らしい。
歴史的な事実から、一般的なSFの技法で余韻が残る作品に仕上げている。
「お題」が決まると、柞刈湯葉さんオリジナルの作品に仕上げていく。
あ~、プロの作家はすごいなぁ。。。と感じた作品です。
この二作品が、同じ歴史改変ものとして抜けていて、とてもよかった。
「村長が死んだ 閻連科」
SFではない。しかし、閻連科さんの耙耬(はろう)山脈シリーズの一作。
最初に「炸裂志」で脳を殴られた感じでしたが、すごい筆力と独自の耙耬(はろう)山脈の世界が常に読ませてくれる。
何度、中国に渡航しても耙耬(はろう)山脈っぽい場所に行けたことがない。この耙耬(はろう)山脈シリーズは常に面白い。
私は、中国SFというと漏れなく読んでしまうくらい、期待しているのですが、その内幕を描いたエッセイの二作はとても参考になった。
「ルポ『三体』が変えた中国 藤井太洋 」
「『三体』以前と以後 立原透耶」
中国SFの今を伝えるエッセイで、ファンにとってとてお興味深いエッセイでした。
どしろーとのファンは、アンソロジー等で「出会いの場」を増やしてもらいたいと思っています。
そこで、心を突くと「一気に他の作品も読みたくなる」。
河出書房新社さん、早川書房さん、東京創元社さん。
是非とも、新しい世界へのきっかけをお願いいたします。
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