解雇規制緩和について考える!非正規労働者の実態。
前回、解雇規制緩和について考えるにあたって、解雇しやすくすると賃金が上がるという翔んでも理論の反証として、非正規雇用の話を語りました。
今回は、非正規雇用の実態について調べてみました。
非正規雇用の実態
日本における 非正規雇用の実態 を、正規雇用との比較や賃金・所得の違い、推移の傾向を含め表してみました。
1. 非正規雇用とは何か
非正規雇用には主に次のような形態があります:
パート・アルバイト
契約社員(有期雇用)
派遣社員
その他短時間・臨時雇用
これに対して 正規雇用 は:
無期雇用契約
同一企業で長期的雇用
昇進・賞与・退職金制度などがある
という特徴があります。
2. 非正規の割合・人数
非正規雇用者は 約2,126万人程度で、全雇用者の約 37%前後 を占めています。
これは約三人にひとりの割合で、労働市場における重要な位置を占めています。
3. 賃金格差(非正規 vs 正規)
◆ 時給・月給の差
一般に、非正規労働者の賃金は 正規労働者の約60~70%程度 と言われています。
これは賞与(ボーナス)を含めない比較でこの水準です。ボーナスを含めると差はさらに拡大します。
年代別の格差
若い年代では賃金差はやや小さいものの、年齢が上がるほど差が大きくなります。
男性で50代前後では、非正規の賃金が正規の半分前後になるケースもあります。
これは 勤続年数や昇給機会が非正規では限定的なためです。
4. 賃金の推移と影響
日本全体の賃金傾向
日本では 名目賃金(総支給額)はここ数年上昇傾向にありますが、
一方で 実質賃金(物価で調整した賃金)は伸び悩む/減少傾向が続いています。
これは正規・非正規ともに影響を受けていますが、非正規はもともとの賃金水準が低いため、実質での購買力低下の影響が相対的に大きい可能性があります。
5. 非正規労働者の所得実態
典型的な年収差
報道や統計では、正規労働者の平均年収(例えば508万円)に対して、
非正規では約198万円前後という指標も報じられるなど、
年収差が2倍以上になるケースもあります。
これは非正規が働く時間・ボーナスの有無・昇給機会などで大きく差がつくためです。
6. 非正規雇用の長期的なリスク
上昇しにくい賃金
非正規雇用者は:
年齢や勤続年数に応じた昇給が起こりにくい
ため、生涯所得が大幅に低くなりやすい特徴があります。
社会保険等の加入率が低い場合もある(過去の統計では正規より低い比率)
所得格差と生活への影響
OECDの分析では:
非正規雇用者が1人世帯の所得で見ると、
正規労働者の世帯に比べて貧困率がはるかに高いと指摘されています。
これは単に給与だけでなく、安定した雇用と社会保障へのアクセスの差が影響しています。
7. 非正規雇用が増えるとどうなるのか
賃金水準全体が抑制される傾向がある
→ 非正規が増えることで平均賃金の伸びが鈍化するとの指摘もあります。
経済全体の需要が弱くなりやすい
→ 低所得層の消費力が弱いと、内需が伸びにくい環境になる可能性が高くなります。
最後に
非正規雇用は多様な働き方を提供する反面、正規雇用との間に大きな賃金・所得・安定性の差が存在します。
格差が長期間放置されると、個人・家計のリスクだけでなく、経済全体の消費力や安定性にも影響を与える可能性が高くなります。
前回でも話しましたが、解雇しやすくしたら収入が増えるのでしたら、、非正規の賃金待遇はもっと良くなっていなければなりませんでした。しかし、現在は正規雇用者より2/3以上の収入が低い状態になってます。つまり、解雇規制緩和になれば競争によって収入は増えることはなかったということです。
企業、マスコミの言葉通りに受け取っては後でひどい目に会うのは確実です。
次回は、企業の都合のよいロジックを崩していきます!
