【禅語タロット・第11回】正義×「不思善、不思悪」── その天秤を、少し下に置きませんか
こんにちは、りゅうぎんです。
タロットの大アルカナ22枚に、禅の言葉をひとつずつ重ねていくこの連載。前回の第10回では、「運命の輪」に「八風吹けども動ぜず」を重ね、輪のふちではなく軸に座るお話をしました。
番号「11」──全22枚のちょうど真ん中で、旅人が出会うのは「正義(Justice)」。天秤と剣を持つ人物のカードです。
「公平」「正義」「正しさ」。聞くだけで、少し背筋が伸びて、少し肩の凝る言葉です。今日は、その凝りを禅にほぐしてもらうお話をしたいと思います。
この「正義」には、目隠しがない
ウェイト版の「正義」の絵柄を、眺めてみてください。

赤い衣に王冠をつけた人物が、二本の柱のあいだに、まっすぐ座っています。右手には、切っ先を天に向けた剣。左手には、天秤。裁判所の前などに立っている「正義の女神像」と、よく似た姿です。
けれど、ひとつだけ、大きな違いがあります。西洋の正義の女神像は、多くが目隠しをしています。先入観なく裁くため、と言われます。ところが、タロットの「正義」は──目隠しをしていません。まっすぐ、こちらを見ています。
そしてもうひとつ。右手の剣は、振り上げられても、突きつけられてもいません。ただ、まっすぐ立てて、置かれているのです。裁く道具というより、姿勢を正した刃。誰かを断罪する構えでは、ないのです。
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