暗闇の学校🏫
今日は『夜の学校』シリーズ第2弾‼︎
我が家の三兄弟が小学生だった頃のこと。
夏休みの終わり、保護者の発案で『星を観る会』が小学校で催されることになった。
早めの夕飯を済ませて、学校に集まる。
夜、暗くなってから学校に行くのは、それだけで特別感があり、ワクワクするものだ。
体育館には在校生の親子やその兄弟、地域住民など200人ほどが集まり、先生たちも集まっていた。
校長の挨拶が済むと、照明が落とされ幻想的な音楽が流れた。
夏の星座についてのスライドショーが始まる。
我々は一気に、神秘的な世界に惹き込まれた。
そして、いよいよ外に出る。
外は真っ暗だった。
それぞれ手にした懐中電灯で足元を照らしながら歩くのだが、もう誰が誰だかさっぱりわからない。
小学校の少し先には、廃校になった旧校舎がある。
今日は、その廃校のグラウンドで星を観る。
普段は誰も入れない場所に夜になってから行くのは、なかなかスリルがあった。
迷子にならないように、夫と私は子ども達と手をつないで歩いて行く。
グラウンドに全員が揃うのを確認すると、「3、2、1」の合図で、懐中電灯を消す。
3! 2! 1!
うわぁ〜‼︎
歓声が上がる。
周囲に明かりが全くない山の中で明かりを消すと、自分の手も見えないほど暗くなる。
もう目を閉じているのか、開けているのか分からなくなるほどだ。
けれど空を見上げると、今まで見たこともないほど沢山の星が見えた。
降って来そうな満天の星空は、息が止まるほどの美しさ。
「はあぁ〜」
「きれ〜い」
「すご〜い」
「いやぁ、すごいなぁ」
「ほんと、綺麗‼︎」
普段なかなか見えない「天の川」や、「夏の大三角形」などが、くっきり見える。
あとは何の星かよくわからなかったが、驚くほど沢山の星が見えた。
我々の頭上には、こんなにも沢山の星があるのか。
その圧倒的な世界に、酔いしれる。
ひと時の間、天然のプラネタリウムを楽しんだ後、再び懐中電灯を点す。
旧校舎のグラウンドから現在の校庭に戻る頃には、目も慣れて視界が良くなった。
子ども達は同級生たちと、はしゃぎまわる。
夏休み中なので久しぶりに会えた喜びと、暗闇に懐中電灯という組み合わせが、彼らのボルテージを上げている。
上の子ども達は、なかなか帰りたがらない。
でも末っ子は、眠たいと言い出す。
夫と二台の車で来ていたので、私は末っ子を連れて先に家に帰った。
それからしばらくして、夫が長男を連れて帰宅した。
あれ?1人足りないぞ。
「ねぇ、娘っちは?」
私が聞くと夫は、
「えっ、先に帰ったんじゃないの?」
と、驚く。
背筋が凍った。
私達は娘を、あの暗闇の校庭に置きざりにしてしまったのだろうか。
するとその時、担任から電話があった。
夫が慌てて迎えに行くと、娘は先生や保護者に囲まれ泣いていたそうだ。
ごめんね。ごめんね。
暗闇の小学校。
まばゆいばかりの星空の美しさと暗闇の恐怖は、セットの思い出になっている。
