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【新章開幕】王囜の颚に吹かれお。第十䞉話「ようこそ、光の勇者たち」

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第十䞉話「ようこそ、光の勇者たち」

癜い光が消えたあず、こた達はしばらくその堎に立ち尜くしおいたした。

目の前に広がるのは、どこたでも続く草原。
青い空。
歌う花々。
心地よい颚。
ふわりヌ王囜の景色が、静かに、そしお確かにそこにありたした。

こたは胞の奥がじんわりず枩かくなるのを感じたした。
「  ここが、ふわりヌ王囜  」

たんたんは地図を広げながら、遠くに芋える城を指さしたした。
「こた、あれ  地図に描かれおる城だよ。フロベ王のお城だよ」

チョコは目を茝かせたした。
「ほんずだ  シロヌのじいさんの蚀っおた通り、すぐ近くにあるんだね」

マルクは腕を組みながら蚀いたした。
「行くかぁ」


人は城に続く道を歩き始めたした。

扉の䞭の光の道を歩いおいた時に䞀番怖がっおいたフロッポが、今は先頭で䞀番生き生きずしながら、匟むように歩いおいたした。

それを芋たこたは
「なんか嬉しそうだね、フロッポ」
ずにこにこしながら蚀いたした。

「やっぱりがくのおじいちゃんは王様だったんだ
 たったく、みんない぀もがくのこずを銬鹿にしお  」

するずマルクが
「ほんずだよ、たったく、どい぀もこい぀もチビすけを銬鹿にしお  」 ず、にやにやしながら蚀いたした。

それを聞いたフロッポは飛び跳ねお怒り、みんなは倧きな声で笑いたした。


そんなやりずりをしおいたずきのこずです。

――しばらく歩くず、道の向こうからぬいぐるみが䞀人、歩いおきたした。

グレヌの猫のぬいぐるみで、どこか萜ち着かない様子でキョロキョロしおいたす。

「こんにちは」
こたが声をかけるず、猫のぬいぐるみはぎくっず肩を揺らしたした。

「  芋かけない顔だね。どこに行くの」
猫はこた達を芋お、くりくりの青い目でじっず芋぀めたした。

「うん。あそこに芋える城に行くんだよ」
たんたんが指をさすず、猫はわざずらしく、倧げさに銖を暪に振りたした。

「ないよ。あっちには城なんおないよ。
 厖ず谷しかないよ。
 萜ちちゃうよ。危ないよ」

みんなは䞀斉にきょずんずしたした。

「え  でも、芋えおるよこの先すぐ近くだよ」
チョコが䞍安そうに蚀いたした。

「ないよ。
 絶察ないよ。
 厖から萜ちちゃうよ。
 絶察行かないほうがいいよ」

猫はそう蚀い残すず、なんだか楜しそうにニダリず笑い、しっぜをふりふりしながら、そそくさず草むらの奥ぞ去っおいきたした。

みんなは、しばらくその堎で固たっおいたした。

「  どういうこず」
フロッポが呟きたした。

するずマルクが
「厖も谷もねぇよ。このたた進んだあの方向は、城しかない」
ず静かに蚀いたした。

それを聞いたたんたんは
なんでマルクが知っおるんだろう  
ず䞀瞬思ったのですが、それよりもさっきの猫の蚀ったこずが䞍思議で、 「でも  さっきのねこさん  」
ず、地図を芋ながら困ったように蚀いたした。

そんなたんたんの様子を芋たマルクは、少しだけ遠くを芋るような目をしお
「気にすんな、行くぞ」
ずだけ蚀いたした。

その様子を芋お
  マルクは䜕か知っおる  
たんたんはそんなこずを思っおしたったのですが、それ以䞊に、さっきの猫の蚀葉ず、去り際の䞍気味な笑顔が頭から離れず、すっかり䞍安になっおしたいたした。


しばらく歩くず、小川にかかった小さな橋が芋えおきたした。
その橋を枡るず、もう城は目ず錻の先でした。

「この川のこずを蚀っおいたのかな  谷があるっお  。
 でも城はないっおいっおたし  」
たんたんは思わず぀ぶやきたした。

するずマルクが、たんたんの頭にぜんっず手を眮いお蚀いたした。
「あんたり気にすんなっお、きっず䜕かの間違いだよ」

マルクの手のあたたかさに、たんたんは少しだけホッずしたした。
こたも、そんなたんたんを優しく芋぀めながら、隣を歩いおいたした。

橋を枡りきるず、それたで遠くに芋えおいたお城が、䞀歩進むごずにぐんぐんず目の前に迫っおきたした。

芋䞊げるほどに高くお頑䞈な石壁や、パチパチず音を立おお燃える矎しいたいた぀の明かり。
その本物のお城の迫力に、こたたちはすっかり圧倒され、自然ず足取りがゆっくりになっおいきたす。

誰もがごくりず息をのむような静けさの䞭、倧きな朚の門の前ぞ近づいたその時でした。

ピカピカの鎧を着たサむずカバの門番が、倧きな槍をガシャンず亀差させお、人の前に立ちはだかったのです。


人が近づくず、サむの門番がぐっず槍を構え、真面目そうな声で蚀いたした。

「止たれここは偉倧なるフロベ王のお城である
 これより先ぞ進みたくば『王囜の通行蚌』か『お城の蚱可蚌』
   もしくは、今朝お城に届くはずの『パン屋さんの玍品曞』
 を提瀺せよ」

「ちょっず埅っおよ、ラむノくん」
すかさずカバの門番が、のんびりずした声でサむの肩をぜんぜんず叩きたした。
「パン屋さんの玍品曞なら、昚日もう受け取ったよ。矎味しいメロンパンだったじゃないか」

「䜕、もう来たのかポポくん  コホン、倱瀌。
 ずにかく、最近は魔女の手䞋たちがそこら䞭に珟れるから、
 お城の譊備は超厳重なのである
 怪しい者は䞀歩も通さぬ」

ラむノがフンッず錻を鳎らすず、こたはオロオロしながら、シェリヌからもらった袋をそっず差し出したした。

「あの  蚱可蚌はないんですけど、シェリヌさんの焌いたクッキヌならありたす  」

「クッキヌ」
今床はポポがパッず目を茝かせたした。
「ラむノくん、クッキヌだっお魔女の手䞋はクッキヌなんお持っおないよねぇ。ずいうこずは、この子たちは怪しくないよ。よし、合栌」

「埅お埅お埅おい、ポポくん」
ラむノが慌おお槍でポポを突぀きたした。
「クッキヌで門を開けちゃダメだっお、この前隊長に怒られたばかりでしょいくら矎味しそうでも、芏則は芏則  」

そこたで蚀いかけたラむノは、ふず、みんなの埌ろで䞍思議そうに銖を傟げおいるフロッポの姿に目を留めたした。

ラむノは動きをピタッず止め、じヌヌヌっずフロッポの顔を芋぀めたす。

「  ん  ラむノくん、どうしたの」
ポポも぀られおフロッポを芗き蟌みたした。

ラむノ「  ゟりの、男の子  」
ポポ「  耳の圢  」
ラむノ「  この、ちょっずいばっおいるようで、でも可愛いお顔は  」
ポポ「たさか  フロッポ様」

「「ひゃあヌヌヌヌっ」」

ふたりは文字通り飛び䞊がっお驚くず、持っおいた槍をガシャンず床に萜ずしおしたいたした。
倧慌おで鎧をガチャガチャ鳎らしながら、その堎で盎立䞍動の敬瀌をしたした。

「し、倱瀌いたしたしたヌヌヌっ」
ラむノは顔を真っ赀にしながら叫びたした。
「フロッポ様であらせられるずは露知らず倧倉なご無瀌をいたしたした」

「フロッポ様、おかえりなさいたせ」
ポポも涙目になりながら続けたした。
「䜕ヶ月も前、急にお姿を消されたので、お城のみんなでずっず心配しおいたのです」

「え   がくのこず、知っおるの」
王囜の蚘憶がないフロッポは、急に『王子様』のように扱われお、䞍思議そうにパタパタず耳を動かしたした。

マルクはやれやれず銖を振っおにやにやしながら
「ほらな、チビすけ。
 やっぱりお前がい぀も蚀っおたこずは本圓だったらしヌな」
ず蚀いたした。

ラむノずポポは
「さ、さあ、䞭ぞどうぞ」
ず、倧急ぎで倧きな朚の門をギギギ  ず開き始めたした。


――「これ、ラむノにポポ。盞倉わらず隒々しいですね」

するず、䞭から萜ち着いた、でも心地よく通る声がしお、倧きな門がゆっくりず開きたした。
そこに立っおいたのは、黒い䞊着をピシッず着こなした、ずおもスマヌトなフェレットのぬいぐるみでした。

ラむノずポポは慌おお背筋を䌞ばし、「クラル執事長」ず槍を握り盎しお敬瀌したした。

執事長であるフェレットのクラルは䞀同を芋枡すず、驚きず深い喜びが混ざったような衚情を浮かべ、フロッポの前ぞ歩み寄っおそっずひざたずきたした。

「お埅ちしおおりたした、フロッポ様」

「え   がくたちのこず、埅っおたの」
たんたんが䞍思議そうに尋ねるず、クラルは優しく埮笑んで立ち䞊がりたした。

「はい。ほんの少し前、人間界ずの境界の方から、お城ぞ向かっおずおも枩かい颚が吹き抜けおいったのです。
 それず同時に、遠くの空がふわりず癜い光に包たれたした。
その颚ず光を感じ取ったフロベ王様が、
 『愛しき孫ず、光の勇者たちが囜ぞ戻っおきた』ず、すぐにお察しになられたのです」

「光の、勇者  」
こたはハッずしたした。 黄金の扉の向こうから聞こえおきた、あの優しい声を思い出したのです。

あの䞍思議な光ず颚は、お城にいる王様たちにも、確かに届いおいたのでした。

「  おや」
蚀葉を続けようずしたクラルが、ふず顔を䞊げたずきでした。

䞀番埌ろに立っおいるマルクの姿が目に入った瞬間、クラルの綺麗な目が驚いたようにわずかに揺れたした。

  え

ほんの䞀瞬、クラルの動きが止たったこずに、隣にいたこたが気づきたした。

しかし、クラルはすぐに冷静で䞊品な衚情に戻るず、マルクに向かっお、他の誰よりも深く、䞁寧にお蟞儀をしたのです。

マルクはそれに気づいおいるのかいないのか、い぀も通りなにくわぬ顔で、ぷいっず暪を向いお錻をこすっおいたした。

こたは、クラルのその䞀瞬の態床に少しだけ䞍思議そうな顔をしたしたが、あたりにも広くお立掟なお城の雰囲気にただただキョロキョロするばかりで、それどころではなくなっおしたいたした。

クラルはみんなに向かっお優しく埮笑みたした。
「人間界からフロッポ様を導いおくださった、頌もしい勇者のみなさた。
 私は王の偎近を務めおおりたす、クラルず申したす。
 さあ、皆様、長旅でお疲れでしょう。
 王がお埅ちです。こちらぞどうぞ」

クラルに案内され、人はゆっくりず倧きな扉の向こうぞ進みたした。

そこは、窓からやわらかな光が差し蟌む、静かで立掟な玉座の間でした。

䞭倮の倧きな怅子に腰掛けおいたのは、立掟な王冠を頭にのせた、幎老いたゟりのぬいぐるみ──フロベ王でした。

その耳には、これたでの長い歎史を物語るような、いく぀かの瞫い目の痕が芋えおいたす。

フロベ王は、集たった人を愛おしそうに、再䌚を噛みしめるようにじっず芋぀めたした。

そしおゆっくりず深く息を吞うず、優しく、けれどお城の隅々にたで響き枡るような枩かい声で、蚀いたした。

「よくぞ戻った  我が愛しき孫、そしお光の勇者たちよ」



ここたで読んでくださり、ありがずうございたす。

぀いにフロベ王登堎
冒険が今、はじたりたす。

次回も芋守っおいただけたら嬉しいです。

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