見出し画像

【ぐうの音も出ない】『invert』の城塚翡翠に「お前、脳死で騙されたいだけだろ?」と心を見透かされた話

みなさん、こんにちは。沖縄で小学校の先生をしております、Yuki Kiharaです。

ここ最近、Netflixの『今際の国のアリス』で「生と死の反転」に打ちのめされ、相沢沙呼先生の『invert 城塚翡翠倒叙集』で犯人にされてボコボコにされた……という記事を投稿してきました。

完全敗北の連続で傷だらけ(満足感満載)の私ですが、実は『invert』を読んでいる最中、あるページでピタッと手が止まってしまったのです。これまで怒濤のテンポでスイスイ読み進めていたのに、急に息が止まった。

なぜなら――私の「ミステリーを読む時の醜い本心」が、完璧に見透かされていたからです。

1. 城塚翡翠に読者心理をぐさぐさ抉られた瞬間

手が止まったのは、作中で名探偵・城塚翡翠が語った、この恐ろしいセリフを読んだ時でした。

『推理小説においても読者は論理を蔑ろにされるもののような気がします。たいていの人たちは、ぼんやりと犯人がわかればいいと思っているのです。なんとなく犯人の予測がつけられれば、先が読めたのだと言って満足してしまう。誰もが納得できる論理なんてまるきり無視です。それなんだから、作者がわざと犯人がわかるように書いてある小説ですら、自分の力で犯人を見破ってやったんだと思い込んで悦に入ってしまうんですよ。』

……うっ。胃が痛い。 しかし、翡翠の精神攻撃はこれにとどまりません。さらにこう続けるのです。

『推理小説は、推理を楽しむよりも驚くことが目的となって読まれているんじゃないでしょうか。意外な犯人に意外な結末。驚きの犯人や意外な結末さえ示れば、探偵の論理なんてどうでもよいのです。』

ぐうの音も出ません。

まさに私です。 探偵と犯人の高度な論理的駆け引きを楽しむ……なんて格好のいいものではなく、私はただ単に「脳死状態で読み進め、まんまと騙され、驚いて、読んでいる感を出したいだけの読者」だったのです……!

「自分がなぜサスぺンスやミステリー、とりわけ“どんでん返し系”が好きなのか」という理由を完璧に言語化されたと同時に、読み手側の心理を根こそぎ抉り取られてしまいました。

城塚翡翠さん、いや、作者の相沢沙呼さん。 一体どんなものの見方をして、どんな人生を送ってきたら、読者のこんな浅はかな心理まで完璧に掌握できるのでしょうか……?


2. 「男性やないか~~〜い👋」という第二の衝撃

気になりすぎた私は、読後にすぐさまスマホを取り出し、相沢沙呼先生について軽〜く調べてみました。
すると、インタビュー記事のページを開いた瞬間の私の第一声。

「男性やないか~~~い👋」

いやね! わかっています!
勝手に私が「女性」だとイメージしていたのが悪いんですよ!
なんなら、完全に城塚翡翠のような可憐でミステリアスな女性像を作者に重ね合わせていましたから。
100%私が悪いんです。

……いーーーーーや、やっぱり私は悪くない!!(爆)

相沢沙呼先生の文章(叙述)が凄すぎるのが悪いのです!!※責任転嫁

作品内だけでなく、著者近影や作者イメージにまで読者に錯覚を起こさせるなんて、どういうことですか。
私のような読解力に乏しい人間は、すっかり作者のイメージにまで騙されてしまうわけです。
格闘技で例えるなら、強烈なストレートでダウンさせられて「一本!」となった後に、リングを下り際『実は私、ハンデであなたより体重20キロも軽いんですよ〜』なんて衝撃の事実を叩きつけられた感じ。
精神的ダメージが追撃で襲いかかってきます。

女性の繊細な心理描写や仕草の描き方が巧みすぎるし、読者心理の掴み方が尋常ではありません。

3. 『マツリカ・マトリョシカ』という新たな誘惑と、先生としてのプライド

完全にノックアウトされた私ですが、調べを進めるうちに恐ろしい情報を目にしてしまいました。
相沢先生の作品には、『マツリカ・マトリョシカ』という名作もあるらしい。
しかもテーマは「二重密室ミステリ」
……。

……あかん。 もうすでに読みたいです。今すぐ読ませてください。 もう論理なんてどうでもいいです!
探偵の緻密な推理なんかより、ただ驚かされたい!
意外な結末で「うわあああ!」ってなりたい!!
脳死でページをめくらせてください!!

……と、欲望のままに本屋へ走ろうとしたその時。 私の頭の中に、冷や水がバシャッと浴びせられました。

「……ちょっと待て自分。」

私は今、Netflixの『今際の国』からすら抜け出せていないのだ。
ここからさらに「相沢の迷宮」に足を踏み入れてしまったら、どうなる……?

本当に夏休みから立ち直れなくなるぞ!!!


結び:連敗中の先生を誰か助けてください

思い出せ、自分!
小学校の先生は、子どもたちと一緒に「最高に面白いエンタメ」を創り出す仕事だろ!?

シンプルエンタメに負けないくらいの感動と価値を、
教室で創造するのが俺の仕事じゃないのか!!??

「夏休みでも朝から2学期の授業デザインをするんだ!」

「子どもたちの弾ける笑顔をイメージして、学級経営の戦略を練るんだ!!」

……と、必死に自分に言い聞かせています。

ですが、正直に白状します。

現在、完全に連敗中です。

頭の半分は「2学期の国語の指導案」を考えつつ、もう半分は「『invert Ⅱ』と『マツリカ・マトリョシカ』をいつ借りに行くか」でいっぱいです。

誰か……誰か私をこのミステリーの沼から助けてください。

(あ、でも面白い本があったらコメント欄で教えてください♪)

いいなと思ったら応援しよう!