爆笑のち救い、「時をかけるゆとり」|読書記録#13
「時をかけるゆとり」 朝井リョウ
なんなんだ、この本は。
めちゃくちゃ面白い、
笑い過ぎて腹筋痛い、
なのに、読み終わる頃には
ちょっと救われている自分がいる。
.........................⭐︎
ゆとり世代ってなんか…
「いいな!!」
40を少し超えた私は
「名前のない世代」と呼ばれているとか??
何とも中途半端な世代ゆえにちょっと
憧れる「ゆとり世代」
今回は特に印象に残ったところを
ピックアップしています。
(プチネタバレになるかもです)
「私はお腹が弱い」
冒頭が強い。。
うん、まぁお腹弱い方って結構
いますよね??
まさに私もその1人。
これ、朝井さんが仰るように、
人生においての重要項目。
私も職場を選ぶ時は考慮するし、
行動範囲も狭まる。
だけど、朝井さんは旅に出る。
過酷なイベントに参加する。
トイレットペーパーを持って。
私にとっては、トイレットペーパーよりも
「いつでも最悪トイレに駆け込める状況か」
の方が重要だ。
それでも、トイレットペーパーを持って
いれば何とかなるかもしれない。
そんな錯覚に陥る。
「持っていけば良い」
あまりにシンプルな解決策。
でもそれだけでちょっと世界が広がる
気がする。
ものすごく特別なエピソードの本では
ないのかもしれない。
お腹が痛くなったり、旅をしたり、
学生時代の「アオハル」エピソード
だったり。
誰もの日常にもありそうな話なのに、
そこに朝井さんの強烈な言葉の
装飾が足されると
エンタメになる。
「便意に司られる」なんて、
厳かなイメージの「司る」と「便意」って!?
でも確かに読むと
司られている、という言葉に説得力がある。
「母親という生き物はおもしろい」
これは、私は救われた気持ちになった。
朝井さんのお母さんは、なかなか
可愛らしい人みたいだ。
端から見てると、その行動がウッカリで
奇抜でおもしろい。
でも。自分に重ねて考えてみるとーー
私は自分に自信を失うかもしれない。
というか、こういうウッカリがない
ように日頃から怯えているところがある。
だから、
「お母さんをおもしろい」
「女性に歳をとるのはこれから
おもしろくなるのだから、
怖がらなくていい」
という視点。。
世の皆さんが持っていてくれたら、
私は大変ありがたいと思う。
このエピソードもおもしろかった。
笑った。
でも、その笑いの奥にある
優しさが見える。
旅の話、学生時代の若気の至りのような
話が盛り込まれた、どこをどう読んでも
笑える。
どれも「人生の教訓」のようで、
そう語られてる訳ではない。
大げさなものにしないまま、
差し出されている。
でも、本筋を装飾する、
あまりにも火力の高い文章。
その文章に、まんまと笑わされている。
でも笑って、終わりではない。
なんだか少し、自分の人生まで
軽くしてもらった気持ちになる。
救われた気持ちにもなっている。
読書ってやっぱりおもしろい、と思った。
