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おじさんこそ、ギャルマインドが必要

テレビを観ていたら、
「ギャルマインド」という言葉が出てきた。

大手企業の会議にギャルが参加して、
アイデア出しをしたり、
ブレストをしたり、
コンサルのようなことをしたりする
サービスがあるらしい。

最初に聞いたときは、
正直ちょっと不思議だった。

ギャルが企業の会議に入って
ブレストに参加し、アイデアを出していく。
ギャルマインドをビジネスに活かすサービス。
全員あだ名で呼び合い、
タメ口で話すのがポイントだった。
この会議が終わるとおじさんたちも
「アゲ~!」とか
言ってしまっているらしい。

これが「ギャル式ブレスト」。

「ギャルマインド」は、ギャルにしか持てない
「マインド」じゃないのよ!

気になって調べてみた。
「ギャルマインド」とは、なんなのか?
どうやら
「自己肯定感が高く、他者を否定しない
ポジティブな思考」
のことらしい。

なるほど、と思った。

なかでも僕がいいなと思ったのは、
「他者を否定しない」
というところだった。

この言葉を見たとき、
ふと思い出したことがある。

息子が高校に入る前のことだ。

中学3年生の夏休みに、
息子と一緒に高校の入学体験会へ行った。
学校説明会があり、体験授業もあった。

その説明会で、校長先生がこう話していた。

わたしたちの学校で
一番大事にしているのは、
相手の意見を否定しないことです。
この言葉が
、今でも強く残っている。

学力を伸ばすとか、進路実績を上げるとか、
そういう話ももちろん大事なのだと思う。
でも、その校長先生は、それより先に
「相手の意見を否定しないこと」を話していた。

そのあと、探究学習のデモ授業があった。

高校の先輩たちと一緒に、
中学生の参加者がアイデアを
出していくような授業だったと思う。

正直に言うと、
最初に見た先輩たちは、少しチャラく見えた。

髪型や雰囲気も含めて、
いかにもまじめ一辺倒という感じでは
なかった。
親としては、少しだけ身構える気持ちも
あったかもしれない。

でも、授業が始まると印象が変わった。

先輩たちは、
中学3年生の息子たちに対して、
とても丁寧に接していた。

緊張している中学生たちが、
ぽつりぽつりと意見を出す。
決して、うまくまとまった
意見ばかりではない。
声も小さい。
自信がなさそうな子もいる。

それでも先輩たちは、静かに見守り
誰ひとり否定したりしていなかった。

「それいいね」
「そういう考えもあるよね」

そんなふうに、
一つひとつの声を拾っていた。

笑い声もいろんなグループから起こって
最初の緊張している表情が和らいでいたのは
親として見逃していなかった。

その場にいた中学生たちが、
少しずつ話しやすくなっていくのが分かった。

見た目だけで判断してはいけないな
と思ったし、あぁ、校長先生が
言っていたことは、ちゃんと
学校の中で実践されているんだなと
思える光景が目の前にあった。

その後、息子はその学校に進んだ。

高校生活の中で、息子もまた
「相手を否定しない」ということを
実践していたように思う。

もちろん、親から見える範囲なんて
限られている。
すべてを分かっているわけではない。

それでも、学力だけでは測れない
資質のようなものを、
その学校は大事にしていたのだと思う。

そして今回、テレビで見た
「ギャルマインド」という言葉が、
その記憶とつながった。

ギャルではない。
息子の高校の先輩たちも、
別にギャル・ギャル男だったわけではない。
息子もですが、まぁ、髪の毛の色は
カラフルでしたけどね。

でも、「相手を否定しない」という
点においては、同じものを感じた。

考えてみると、
これは大人になってからこそ
必要なマインドなのかもしれない。

会社の会議では、どうだろう。

誰かが意見を言いかけたときに、
途中で遮ってしまったり、
まだ話し終わっていないのに、
「それは難しいね」と言ってしまったりする。

新しいアイデアに対してだって、
「前にもやったけどダメだった」と
話の腰を折ってしまったり、
部下が出した案に対して、
先に欠点ばかりを指摘する、
なんてことが起きてしまう。

僕自身も、
まったく身に覚えがないとは言えない。

経験が増えると、
先回りして考えられるようになって、
過去の失敗も知っているから、
現実的に無理じゃないかと言ってしまう。
つい早めに判断してしまう。

「それは予算的に難しいぞ」とか
「そのやり方だと時間がかかりすぎる」とか
やったことがないからと言って
(自分の想像を超えるアイデアなんて)
「前例がないから厳しい」とか
言っちゃったり。

たぶん、言っている本人に悪気はない。

むしろ、よかれと思って
言っていることも多い。
現実を教えているつもりだったり、
失敗しないように助言している
つもりだったりする。

でも、言われた側からするとどうだろう。

せっかく出した意見を、すぐに止められる。
最後まで聞いてもらえない。
まだ形になっていない考えを、
早い段階で結論を出されてしまう。

それが何度も続くと、
だんだん意見を出さなくなって
静かになってしまう。

なにか質問はあるかと聞いても
「特にありません」と言うようになっていく。

そうなると上司は、
やれ「主体性がない」とか
「考えていない」と決めつけてしまう。

でも、本当はその前に、
こちらが意見を出しにくい空気を
作っているのかもしれないのに。

ただ、「否定しない」というのは、
何でも賛成することではないと思う。

間違っていることを
放っておくことはないし、
現実的な課題を
見ないふりすることでもない。

ただ、最初の一言でつぶさない。
最後まで聞く。
その人が何を言おうとしているのかを、
理解しようとする。

それだけでも、場の空気は変わっていく。

あの高校の体験授業で、
先輩たちがやっていたことは、
特別に難しいことではなかった。

でも、大人の会議で同じことが
できているかと言われると、
少し自信はない。

若い人の言葉を聞いているようで、
実は自分の経験をもとに想像してしまい
話を聞いていなかったり、
部下の考えを尊重しているつもりで、
実は自分の正解に近づけようと
しているだけだったりする。

自由に発言していいと言いながら、
途中で遮っていたりする。

そんなことがあるかもしれない。

ギャルマインドという言葉は、
僕が言うのはちょっと照れくさい。
(アゲ~!とか言うのは、マジ無理~)

おじさんが「ギャルマインドを大事にしたい」
と言うのも、なんだか落ち着かないけど
この言葉の意味するところや
姿勢は大事だと思った。

自己肯定感が高く、
他者を否定しないこと
相手の意見を、まず受け止めること。
場を明るくし、自分と違う考えを
すぐに切り捨てない。

これは、若い人だけのものではない。

むしろ、上司や先輩社員が持っておく
マインドではないか。

僕も、メンバーの話を聞くとき、
つい先に答えを出したくなることがある。
相手の意見を最後まで聞き切ることや
否定しないことを意識したい。

いまからおじさんがギャルになろうとは
思っていないし。
そして、これからギャルになる予定も
ないけれど
この「ギャルマインド」を育てていきたい。

最後までお読みいただき
ありがとうございます。
ついつい話を最後まで聞かずに
口をはさんでしまいがちな
上司のあなたにとって、
この「ギャルマインド」を
メンバーとの対話に活かそうと
思っていただけたらアザースです。

ケーススタディの記事も書きましたので
合わせてお読みいただけるとうれしいっス

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