【第4回】『ケアマネージャーに選ばれる事業所は、旗を立てている』 稼働率90%を作る「稼働登録者数」の公式
前々回は、稼働率が上がるとどれだけキャッシュが増えるかリアルなお話。
前回は、登録者と利用回数についてのお話をさせていただきました。
今回はその「登録者」を増やす。つまりデイサービスにおいて1番重要な〈新規利用者〉をどう増やしていくか?について話していきたいと思います!どうぞよろしくお願いいたします。
はじめに
あなたの事業所は、どんな「旗」を立てていますか?
どんな色で、どんな大きさで、他の事業所と何が違うのか。こう聞かれて、すぐに答えられる事業所は、実はそう多くありません。
ケアマネージャーさんが利用者さんに事業所を紹介するとき、頭の中には無数の選択肢が並んでいます。そのなかで「真っ先に選ばれる事業所」と「思い出してもらえない事業所」の差は、サービスの良し悪し以前に、ケアマネさんから見て「旗」が見えているかどうかにあります。
今回は、選ばれる事業所になるための「旗の立て方と育て方」についてお話しします。
第一章|旗が見えない事業所は、存在しないのと同じ
ケアマネージャーさんが利用者の相談を受けたとき、真っ先に「あそこなら!」とあなたの事業所の旗が思い浮かぶでしょうか。
デイサービスの数は、この数年で大きく増えました。
「機能訓練に力を入れています」
「アットホームでレクが充実しています」
そうアピールしても、正直なところ、どの事業所も似たような言葉を使っています。
ケアマネさんから見れば、他との違いが分からない事業所は選択肢の土俵にすら上がりません。旗が見えないというのは、厳しい言い方をすれば「地域に存在していない」のと同じです。
まずはこの現実を受け止めることが、すべての出発点になります。
第二章|すべての人に向けた旗は、誰にも刺さらない
介護ニーズの多様化に伴い、デイサービスの形も細分化が進んでいます。
短時間リハビリ特化型、認知症対応型、趣味活動に特化したものなど、選択肢は増え続けています。
最近はSNSでレクの様子を発信し続けている事業所もかなり増えています。
この流れのなかで問われているのは、「自分たちはどのポジションを取るのか」という意思決定です。
「要支援から重度の要介護まで、誰でも歓迎です」という旗は、一見間口が広そうに見えて、誰の心にも刺さりません。
自分たちは短時間で成果を出すリハビリなのか
人とのつながりや居場所づくりなのか
それとも別の特定の課題を解決する場所なのか
自分たちの立ち位置を絞り込むことこそが、遠くからでも目立つ「旗の形」を決めることになります。
第三章|実践例~「男性特化」という旗を現場からつくる~
私が管理者していたとき、居宅のケアマネさんだけでなく、地域包括支援センターにも足繁く通っていました。
理由は、介護サービスを嫌がり、家に引きこもりがちな男性高齢者の初期相談が最も多く集まる場所だからです。男性高齢者は「デイサービスなんて行きたくない」と拒否されるケースが非常に多く、包括やケアマネさんが頭を抱える典型的な課題でした。
そこで私は、「男性の受け入れや支援ならうちに任せてほしい」という旗を立てることにしました。
意識したのは、単なるキャッチコピーで終わらせず、現場の環境そのものを変えることです。
麻雀や将棋といったコンテンツを用意するだけでなく、まずは受け入れの工夫を重ねて男性利用者の母数を増やしていきました。
男性比率が高まるにつれて、「同世代の男性がいる」という安心感が生まれ、特別な趣味がなくても通いやすくなる好循環ができたのです。
結果として、地域内で「男性の相談ならあそこ」という明確なポジションを確立できました。旗を立てるとは、言葉を作ることではなく、現場の空気や実績そのものを一致させていくプロセスです。
第四章|旗はいつか陳腐化する~ドラッカーに学ぶ継続のマネジメント~
ピーター・ドラッカーは、「すべての強みや成功は、時間とともに陳腐化する」と説きました。これは介護事業所のポジショニングにもそのまま当てはまります。
せっかく見出した独自の旗も、時間が経てば次の2つによって色褪せていきます。
競合の模倣: 自社が成果を出すと、周囲の事業所も同じようなサービスを打ち出し始める。
ニーズの日常化: 最初は斬新だった特徴も、ケアマネさんにとって「あって当たり前」になる。
だからこそ、旗は一度立てて満足してはいけません。 「いま掲げている旗は、地域にとってまだ尖っているか?」 「周囲と同じ色に埋もれていないか?」
現場の変化やケアマネさんの声に耳を傾け、旗を磨き直し、時には古い強みを捨てて再定義する。この継続的な見直しこそが、選ばれ続ける事業所を作るマネジメントです。
おわりに
まずは、自分の事業所の旗を一度言葉にしてみてください。
どんな色で、どんな大きさで、誰のために掲げているのか。
それが明確な言葉になり、現場の実態と結びついたとき、ケアマネさんに選ばれる理由ははっきりと見えてくるはずです。
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「特定のケアマネさん以外からの紹介がないな…」
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