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絵本テキスト「ネギ怪人をやっつけろ!」

2026年5月6日に同じ内容で再投稿しました。(↑)
スキをいただける可能性があるのなら、再投稿の方にいただけるとうれしいです。





「ネギ怪人をやっつけろ」
(作:はるの こうきち)


ネギ農家のみなさん、ごめんなさい

ぼくはネギがにくいのだ


かむとじゅるっとずれるところ
へんなあじのしるが
ぶじゅっとでてくるところ
おくばでちゃりっとなるところ

とにかくとにかくいやなのだ


ひょっとするとくろまくにネギ怪人というのがいて
ひとびとにいやがらせをしているのではないだろうか


このあいだ、
おとうさんに「ぼくはネギがにがてだ」ってしょうじきにいったら
「そんなことがあるか!こんなにうまいのに」ってネギをやまもりにされた
うそ~っ!?

ゆうしょくがおなべだった日
ぼくのとりざらにおとうさんがネギをばんばんいれてきた
ぎょえーっ!


まえからしってたけど
おとうさんはネギがすきなのだ

「こんなにうまいんだからたくさんたべさせてやろう」って
おとうさんはほとけさまのようなそんなきもちなのかもしれない


・・・とおもっていたら、
「にがてなものはひとの3倍たべさせる
そうすればすききらいはなおるんだ」って

おとうさんがじごくのオニにみえたのだ


ネギ怪人のてさきになってしまったおとうさんがにくい
おとうさんをにくくおもわせるげんいんのネギがにくい

ネギ怪人め!

よし!ぼくはネギ怪人としょうぶすることにした

ネギなんかやっつけてやる!

ぼくはいかりにふるえてネギ畑にむかった
まっていろネギ!ネギ怪人!


・・・これでもかとネギがはえていた
さきっぽにしろいへんなのがついている

かぐやひめみたいに
あそこにネギ怪人のあかんぼうがはいっていたりして

ぜんぶに?

きもちわるくなって
しょうぶするのをあきらめた

そのとき、だれかがぼくによびかけた


「しょうねんよ、しんぱいにはおよばない。
そのなかにネギ怪人のあかんぼうははいっていない」

あなたは?!

「わたしはハクサイ戦士!きみはハクサイはすきかい?」

はい、おなべのハクサイも
おかあさんがつくってくれるコンソメスープのハクサイも
おつけもののハクサイもだいすきです

「それはすばらしい!ハクサイかんげき!
はくしゅかっさいだ!
きみをたすけるためにわたしにきょうりょくさせてくれ!」

10
「残念ながらネギ怪人のいどころはわからない
だからきみのおとうさんを説教する!」

え~!?いいですよ!ちょっとまってください!

「あなたがこのしょうねんのちちか?
しょうねんはハクサイはきちんとたべられているらしいじゃないか!
それでじゅうぶん、はくしゅかっさいだろう!
むりやりたいりょうのネギをたべさせるとはなにごとだ!!」

「なんだおまえは?!」

「わたしはハクサイ戦士!!

しょうねんのちちよ、
あなたはこどものころにどうしてもたべられなかったもの、
にがてなのにおとなにむりやりたべさせられて
いやだったものはないのか!!」

11
「そういわれれば・・・・・

おれにもどうしてもたべられないものはあった。
それをおやじにむりやりたべさせられてとてもつらかった
いまでもそのたべものをみるとかなしくなる。
おとなになってからはそれをいちどもたべていない・・・・・」

「そうだろう
あなたはむすこにおなじことをしているのだ

そんなことですききらいはなおらない
かりにそれでたべられるようになったとしても、『いやいや』だ
たべられるやさいだって、
そんな『いやいや』たべられてもうれしくはない

いまはハクサイでじゅうぶんだとおもおうじゃないか、
なあ、しょうねんのちちよ」

12
「そうだな、きゅうしょくのときにおまえがこまらないようにとおもってのことだったが、おれはまちがっていたのかもしれない
すまなかったな、むすこよ・・・」

「わかってくれればそれでいい
あなたはいいちちだ。

しょうねんよ、ハクサイをすきでいてくれてありがとう!

きみがいまよりもおおきくなったらネギもたべてみるといい
きみはネギすきのおとうさんのこだ
きみにも、ネギをおいしいとおもえる日がくるかもしれない

ではさらばだ!」

あ、ハクサイ戦士! 
まだおれいもきちんといえていないのに!



13
「よお、かつやくはこっそりみさせてもらっていたぜ」

「む?おまえはピーマン忍者!」

「しかし、おまえはえらいな
おれなんか『ピーマンがにがてだ』なんてことをいうこどもがいたら、
『こんなにうまいのになにいってやがる!!』って
文句のひとつもいいたくなるんだがな

おまえ、ハクサイ戦士になりすましてるけど、ほんとうは・・・」



14
「おまえ、ほんとうはネギ怪人だろう!」

「ふははははは!さすがだなピーマン忍者!

いかにも、わたしはネギ怪人
ハクサイ戦士のへんそう、よくぞみやぶった

『ネギがどうしてもにがてだというこどもに 
おとながむりやりネギをたべさせる』

わたしにはそれがただしいことだとはおもえないのだ

いまはネギがきらいでも
いつのひか、そんなこがおおきくなって
ネギをおいしいとおもえる日がきたら
そのときはぞんぶんにネギをあじわってほしい

わたしのねがいはそれだけだ」



15
ハクサイ戦士さま

お元気ですか
きょうもどこかでネギきらいのこをすくっているのでしょうか

きょうのばんごはんはおなべでした

ハクサイ、とてもおいしかったです
おとうさんはぼくのとりざらにネギをいれてきませんでした

ぼくがもうすこし大きくなってネギをおいしいとおもえる日がきたら
そのときは、ネギもたべてみようとおもいます

それでいいんだよね、ハクサイ戦士

ハクサイ戦士、ありがとう


(おしまい)


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2022年、文芸社第23回えほん大賞ストーリー部門にて、私のこの作品「ネギ怪人をやっつけろ!」は最終ノミネート8作に残りました。

残念ながら大賞は逃しました。(50万円ほしかったよ~)

絵本出版社の皆様、
もし「プロが絵を担当すれば結構おもしろいことになるかもしれない・・・」というような匂いがするようでしたら、noteさんを通してのご連絡、是非是非お待ちしております!





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