【ギター・ベース練習の味方】埋もれたバッキングや低音がハッキリ聞こえる!無料ソフト「TuxGuitar」のススメ
大好きなあの曲をいざ練習しようとした時、こんな壁にぶつかったことはありませんか?
「ソロは聞こえるけど、バッキング(伴奏)の音が他の楽器に埋もれてよく分からない……」
「ベースの低音がドラムやギターにかき消されて聞き取れない……」
原曲の音源だけだと、どうしても特定のパートが聞き取りにくいことってありますよね。特に楽器を始めたばかりの頃は、アンサンブルの中から自分の担当パートの音だけを抽出して聴くのは至難の業です。
実は、私自身も大昔にベースを少しだけかじったことがあるのですが、当時は本当にまったくベースの音が聴き分けられませんでした。当時、必死に聴き分けられるようトレーニングもしましたが、「いや、その訓練をしてる時間があるなら、とにかく早く楽器を弾きたいんだよね!」というのが本音でした。
その後ギターを始めてからも最初の頃は、せっかく手元にTAB譜があっても、曲を聴きながら「えっ、今どこ弾いてるの!?」と迷子になってしまい、最後には「もういいや、適当に弾いちゃえ!」なんてこともよくありました(笑)
そんな「裏の音が聞こえない・聴き分けられない」という時に、めちゃくちゃ役に立つツールがあります。(※手元にタブ譜、またはGPファイルなどのデータがある場合に限りますが!)
それが、無料のマルチトラック・タブ譜ソフト「TuxGuitar(タックスギター)」です。
1. 「聞こえない音」を抜き出してみよう
TuxGuitarの本当の強みは、手元の紙や画面のTAB譜と同じ感覚で、自分でサクッと音を入力(打ち込み)できることです。
例えば、お気に入りの曲を練習していて、「Guitar 2(セカンドギター)のAメロのバッキングがどうしても原曲だと聞き取れない……」なんて場面に遭遇したとします。
そんな時は、その聞き取れないAメロの部分だけを、TuxGuitarに入力してしまいましょう!
わざわざ1曲丸ごと入力する必要はありません。目的のパートの、自分が知りたい「その数小節」だけをピンポイントで打ち込めばいいんです。

入力方法は驚くほど簡単。楽譜(五線譜)が読めなくても全く問題ありません。手元にあるTAB譜と同じように、画面上の「何弦の、何フレット目か」を数字でポチポチと入力していくだけです。(ベースにも対応しています)
入力し終わったら、再生ボタンをクリック。 すると、ソフトがクリアなギターの音でそのフレーズを忠実に演奏してくれます。
「あ、ここはこういうリズムで、このコードを刻んでいたんだ!」
原曲の音源では他の楽器に埋もれてモヤモヤしていた音が、1音1音ハッキリとした「正解の音」として耳に飛び込んできます。まずはこの「数小節だけの打ち込み確認法」、めちゃくちゃ効果的なのでぜひ試してみてほしいです。
2. 使い方
インストール方法や、ソフトのより深い使い方については、RBL2H3さんがものすごく分かりやすく解説されています。
以下のリンクからぜひチェックしてみてください。
まずはAメロの4小節だけでもいいので、パズル感覚でポチポチと打ち込んでみてください。
※ちなみに、ドラムなども別のトラックに入力することが出来るので、リズム楽器との関連性も確認できますが、TuxGuitarでのドラム入力は少しクセがあります。そのため、ドラムに関しては原曲の音源を聴いて確認した方が効率が良いかなと思います!
3. そもそも「TuxGuitar」ってどんなソフト?
ここで少し、この便利なソフトの概要についてお話ししておきます。
「TuxGuitar(タックスギター)」は、オープンソースで開発されている完全無料のタブ譜作成・再生ソフトです。Windows、Mac、Linuxに対応しています(※ちなみに筆者はWindows環境なので、Windows版でのみ動作を確認しています)。
世の中には「Guitar Pro」という有名な有料のタブ譜ソフトもあります。もちろんそちらも素晴らしいのですが、TuxGuitarは無料で余計な機能が入っていない分、「まずは手軽に、聞こえない音を聞こえるようにしたい!」という目的であれば、これ以上ない最適な選択肢だと考えています。
また、ありがたいことに「Guitar Pro」のファイル形式(.gp3 / .gp4 / .gp5 / .gpxなど)を読み込むことも可能です。もしネット上で配布されている世界のタブ譜データ(GPファイル)があれば、それをそのまま読み込んで再生・編集することもできちゃいます。
再生される音は「MIDI音源」なので、音質そのものは電子音っぽくてシンプルです。でも、そのシンプルさのおかげで「どのフレットを押さえて、どんなリズムで弾いているか」を確認するには、原曲よりも圧倒的にクリアで聞き取りやすいというメリットがあります。
4. TuxGuitarを流しながら練習するメリット
自分で打ち込んだフレーズや、読み込ませたタブ譜の音をただ聴くだけでなく、TuxGuitarは「練習サポートソフト」としても超優秀な機能が揃っています。
A-Bリピート(部分反復):例えば、Aメロをまるごと入力しておいて、「今日はこの苦手な4小節だけを重点的にループ再生して繰り返し練習しよう」という使い方ができます。(プレーヤ-再生設定-ループ調整)
テンポ変更:原曲のスピードではどうしても指が追いつかない速いフレーズも、50%や70%に速度を落としてじっくり練習できます。もちろん、速度を落としても音程(キー)は変わりません。(プレーヤ-再生設定-テンポ[シングルモード,トレーニングモード])
メトロノーム機能:ガイドとして「チッ、チッ、チッ」とメトロノームを鳴らしながら再生できます。リズムをジャストで合わせる「リズムキープの修行」には最適です。(プレーヤ-メトロノーム ON/OFF)
カウントイン:曲のあたまに、「テン、テン、テン、テン」と4つカウントを鳴らしてくれます。再生して、すぐギター持って、間に合わないなんてのを防いでくれます。(プレーヤ-Count In)
画面のタブ譜が流れていくのを見ながら、テンポを落としたり、苦手な場所をループさせたりして一緒にギターを弾く。これを取り入れるだけで、日々の練習効率は何倍にも跳ね上がります。
5. 実はこれだけじゃない!TuxGuitar本来の使い方
ここまで「再生・練習ツール」としての使い方を紹介してきましたが、本来このソフトは「マルチトラックのスコアエディタ」です。
つまり、ただ聴くだけでなく「自分で曲を作る時」にも大活躍してくれます。
オリジナル曲のタブ譜作成: 自分で新しく作った曲や、思いついたかっこいいフレーズを、忘れないように視覚的なタブ譜としてデータに残せます。
メンバーへの共有・印刷: 作成したタブ譜はきれいに印刷したり、PDFに書き出したりできます。バンドメンバーに「新曲のバッキング、こんなアレンジにしたからこれでよろしく!」とスマートに渡すのにも完璧なツールです。
簡易DAW(音楽制作ソフト)として: ギター、ベースだけでなくドラム、キーボードなど複数のパート(マルチトラック)を打ち込んで全体のアンサンブルを確認できるため、作曲のスケッチブックのようにも使えます。
6. 最後に
「同じようなことなら、CubaseをはじめとしたDAW(音楽制作ソフト)でもできるのでは?」と思う方もいるかもしれません。確かに、すでにDAWを使いこなしている方ならそちらでも可能です。
わざわざ新しいソフトをインストールしたくないという選択肢もありますが、それでも私がTuxGuitarを推すのは、「とにかくソフトが軽くて起動がめちゃくちゃ速い」こと、そして先ほども触れた通り「余計な機能が排除されていて迷わない」からです。サクッと起動してすぐ確認できる手軽さは、日々の練習において大きな正義になります。
少し前にSNS(X)などでも、「音のレイヤー(層)が聞き取れるか、分離して聞こえるか」という話題が盛り上がっていた時期がありました。
確かに、耳を鍛えて音のレイヤーを聴き分けられるようにトレーニングすることは、楽器を上達させる上できっと必要なことなのだろうと私も思います。
でも、「まずは耳が育ってからじゃないと、次の練習に進んじゃいけない」なんてことは絶対にないと思うのです。聴き分けることだけに時間を割いてしまって、肝心のギターやベースの練習が進まなくなってしまうのは、少しもったいない気がしませんか?
「まずはツールを使って正解の音(パートごとの動き)を頭に入れてから、改めて原曲を聴き直してみる」 ……実はこのステップを踏むと、あんなに埋もれていた音が、嘘みたいに原曲から浮き上がって聴き分けられるようになっていくものです。
耳のトレーニングを重ねてきた人からは「邪道だ」という反論もあるかもしれません。ですが、私は本気でそう思っていますし、実際にこのやり方でいくつかの曲をクリアしてきました。
人間の耳だけで、最初から複雑に重なった音のレイヤーを完璧に分解するのは本当に大変なことです。だからこそ、最初はTuxGuitarのようなツールに頼って「正解の音」を単体で聴いてしまうのが、結果的に耳を育てる一番の近道だったりします。
「裏のバッキングが聞こえなくて、一歩も前に進めない!」と悩んでいる方は、ぜひ一度、無料のTuxGuitarを試してみてください。
霧が晴れるように視界がクリアになって、あなたが次に弾くべき音が、ハッキリと見えてくるはずです。
それでは、エンジョイ・ギター&ベース ライフ
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