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介護デイサービスの物件、面積と家賃だけで決めていませんか——レイアウトは4つの法律の交差点です

こんにちは。行政書士 × 財務・キャリアコンサルタントの目加多です。

デイサービスの物件を検討するとき、多くの方が見るのは面積と家賃です。

でも実際には、介護保険法(指定基準)・建築基準法・消防法・そして利用者の使いやすさという4つの要求が、同じ一枚の平面図の上でぶつかります。

この4つは、それぞれ別の窓口が別の基準で見ます。指定申請は通るのに消防が通らない、消防はクリアしたのに使いにくい——そんな事態を避けるための話をします。

① 指定基準——必要な5室と、面積の数え方

通所介護の設備基準は厚生労働省令で定められています。必要なのは食堂・機能訓練室・静養室・相談室・事務室の5つ。

面積のルールは明確です。食堂と機能訓練室の合計が、3㎡×利用定員以上。定員10名なら30㎡以上です。

ここで見落とされるのが2点。ひとつは、通路や共有部分は算入できないこと。物件の「総面積」と「算定できる面積」は別物です。もうひとつは、狭い部屋を多数設置して合計で満たす形は認められないのが一般的な運用だということ。

そして専用の原則。これらの設備は原則としてその事業のために専ら使うものとされ、他事業との共用には制限があります。

② 建築基準法——200㎡を超えるかどうか

既存の建物を転用する場合、用途変更の確認申請が必要になることがあります。分岐は面積で、用途に供する部分が200㎡を超えるかどうか(令和元年6月施行の改正で100㎡から緩和されました)。

ここで誤解が多いのですが、確認申請が不要でも、採光・換気・排煙・避難経路・内装制限といった建築基準法の規定そのものは適用されます。

「200㎡以下だから何もしなくていい」ではなく、「手続きは省けるが、基準は守る」が正確な理解です。

③ 消防法——「お泊まり」の有無で、必要な設備が変わります

ここが、レイアウト検討で最も見落とされ、最も金額の差が大きい論点です。

消防法令上、通所介護は宿泊を伴わない場合は令別表第一の(6)項ハに区分されるのが一般的です。ところが、いわゆるお泊まりデイを一定日数以上行うと(6)項ロに区分が変わる運用が示されています。

区分が変わると、自動火災報知設備の要否、スプリンクラー設備の要否(避難が困難な要介護者を主として宿泊させる場合は275㎡以上で必要とされる区分があります)、火災通報装置の連動などが変わります。

つまり——設備投資が数百万円単位で変わることがあるのです。

「将来お泊まりもやりたい」という構想があるなら、物件選びの段階でそれを前提にしないと、後から設備が追いつきません。逆に当面やらないなら、その旨を明確にして設計する方が投資を抑えられます。

区分の判定は建物の構造・面積・階数・所轄消防本部の判断で変わります。必ず物件契約の前に、所轄消防に図面を持って相談してください。

④ 利用者の利便性——基準を満たしても「使いにくい」は起こる

ここまでは法令の話ですが、毎日そこで過ごすのは高齢の利用者と職員です。

図面を拝見するときに見ているのは、送迎車を停めてから玄関までの距離と段差(雨の日に車椅子で濡れないか)、トイレが食堂から近く・見えすぎない位置にあるか、静養室が賑やかさから離れつつ職員の目が届くか、入浴の動線が一方向で流れるか、そして——ワンフロアで全体を見渡せるか。

最後の「職員の視線」は収支にも直結します。死角が多い間取りは、同じ定員でも見守りに人手がかかる。設計段階の判断が、その後何年も人件費に影響し続けるのです。

契約前に、この順番で

一、面積の算定(通路等を除いた実効面積で)。二、用途と規模(200㎡を超えるか)。三、消防への事前相談(図面を持って、宿泊の予定も伝えて)。四、動線の検証(実際に自分で歩いてみる)。五、契約条件の交渉(指定が下りなかった場合の解除条項、フリーレント)。

この5点を契約前に済ませておけば、「改修が必要」「消防が通らない」という事態はほぼ防げます。

最後に

図面を拝見していて、いつも思うことがあります。

基準を満たす図面と、そこで一日を過ごしたくなる図面は、まったく別のものだということです。

3㎡×定員という数字は最低ラインであって、目標ではありません。窓から何が見えるか、トイレまで何歩か、隣の人との距離はどうか——法令には書かれていないその部分に、その事業所の思想が出ます。

基準は守るためのもの、レイアウトは届けるためのもの。両方を一枚の図面に載せるお手伝いができれば嬉しいです。

4観点の詳細と契約前チェックは、事務所ブログにまとめました。

▶ デイサービスのレイアウトはどう決める?

放課後等デイサービス、児童発達支援、グループホーム(共同生活援助)、就労継続支援A型・B型、就労移行支援、就労定着支援、生活介護、同行援護、行動援護、短期入所、自立訓練、保育所等訪問支援、相談支援、訪問介護、通所介護(デイサービス)——全類型対応。図面段階でのチェックと、消防・建築部局への事前相談への同行もお受けしています(指定申請 税込220,000円〜・初回60分無料)。松戸・柏・流山・船橋・市川・千葉市ほか、オンラインで全国対応。

※基準・要件は改正や自治体・消防本部の運用で変わります。必ず最新の告示および所轄窓口の案内をご確認ください。

中小企業の『手続き』『資金』『人材』、三つの現場から。

目加多龍行政書士事務所(千葉県松戸市)

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント 目加多 龍



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