デイサービスの次の一手に「生活介護」を考えている方へ——実務で変わる5つのこと
こんにちは。行政書士 × 財務・キャリアコンサルタントの目加多です。
通所介護(デイサービス)を運営されている方から、生活介護への参入についてご相談をいただく機会が増えました。
同じ「通いの場」で、入浴・排せつ・食事の介助を提供する。一見すると、いまの事業の延長線上に見えます。
でも実務では、制度がまるごと別物です。
何が違うのか
根拠法が違います。通所介護は介護保険法、生活介護は障害者総合支援法。ここが起点で、その先が全部変わります。
対象者は、要介護認定を受けた方から、障害支援区分の認定を受けた方へ。
報酬の決まり方は、要介護度・提供時間から、平均障害支援区分と定員規模を軸とする仕組みへ。
必須の職種には、通所介護にはない「サービス管理責任者(サビ管)」が加わります。
そして紹介経路は、ケアマネジャーから相談支援専門員へ。
「デイサービスができるなら生活介護もできる」という前提で動くと、必ずどこかで止まります。
つまずく5つのポイント
一つ目、サビ管。これが最大の壁です。
実務経験に加えて基礎研修・実践研修の修了が要件で、しかもこの研修は都道府県が年に限られた回数しか実施しません。「これから受講してもらう」という計画は、開業時期を大きく左右します。
介護福祉士やケアマネの資格があっても、それだけでサビ管になれるわけではありません。障害分野の実務経験が要件に関わる点も、介護保険側から来る方が見落としやすいところです。
二つ目、職員の配置。
看護職員や機能訓練指導員など重なる職種はありますが、常勤換算の数え方や専従・兼務の可否は制度ごとに定められています。「同一敷地なら融通できるか」は指定権者の運用で判断が分かれます。人員計画を固める前に、必ず窓口で確認してください。
三つ目、報酬の構造。
生活介護は利用者の平均障害支援区分が単位数に影響します。つまり「何人来るか」だけでなく「どの区分の方が来るか」で収支が変わる。重度の方を受け入れるほど単位は上がりますが、そのぶん人員配置と設備の負担も増えます。
四つ目、営業先が変わる。
ここは見落とされがちですが、実務上とても大きな違いです。
生活介護の紹介経路は相談支援専門員が主で、ほかに病院や特別支援学校からの紹介もあります。長年かけて築いたケアマネさんとの関係は、この事業では直接には効きません。
新しい紹介ネットワークをゼロから作る前提で、開業前から動く必要があります。
五つ目、設備。
浴室・送迎車・機能訓練スペースなど、既存の資産を活かせる部分は確かにあります。ただし生活介護には生活介護の設備基準があり、同一建物内で併設する場合は専用部分と共用部分の切り分けが論点になります。図面の段階で指定権者に相談するのが確実です。
参入の判断より先に、確認しておきたいこと
サビ管の目途。地域の需給(障害福祉計画で見込み量を確認できます)。指定権者と事前協議の時期。相談支援事業所との関係づくり。そして、既存のデイサービス側への影響。
この順番で確認してください。
最後に
この相談を受けるとき、私が最初に確認するのはサビ管の目途です。物件でも資金でもありません。人が決まらなければ、他がすべて整っても指定は受けられないからです。
そしてもう一つお伝えするのが、営業先が変わるということ。それを知らずに「集客はなんとかなる」と考えて始めると、開業後に苦しみます。
厳しいことを先に言うのは、後で後悔してほしくないからです。
制度比較の一覧表と、5つのポイントの詳細は事務所ブログにまとめました。
▶ デイサービスから生活介護へ——実務で何が変わるか
放課後等デイサービス、児童発達支援、グループホーム(共同生活援助)、就労継続支援A型・就労継続支援B型、就労移行支援、就労定着支援、生活介護、同行援護、行動援護、短期入所、自立訓練、保育所等訪問支援、相談支援、訪問介護、通所介護(デイサービス)——全類型対応。介護保険と障害福祉の両方を日常的に扱い、千葉県指定・千葉市/船橋市/柏市の市指定どちらの窓口にも対応しています(指定申請 税込220,000円〜・初回60分無料)。松戸・柏・流山・船橋・市川・千葉市ほか、オンラインで全国対応。
※基準・報酬の詳細は制度改正や自治体の運用で変わります。申請前には必ず最新の省令・告示および指定権者の手引きをご確認ください。
中小企業の『手続き』『資金』『人材』、三つの現場から。
目加多龍行政書士事務所(千葉県松戸市)
行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント 目加多 龍
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