【超訳】孟浩然「春曉」
唐・孟浩然の詩は、平淡自然でしかも温かみのある情趣を湛えている。五言絶句「春曉」は、平易な言葉を以て春の風趣を存分に伝えている。描かれている光景は、窓を開けて目に入った景色ではなく、前夜の風雨から庭の様子を想像した景色である。まだ寝床の中で、夢うつつの脳裏に展開される春の情景、そうした詩人の想像を読み手が想像するという仕組みになっている。
春眠不覺曉 春眠 暁を覚えず
處處聞啼鳥 処処 啼鳥を聞く
夜來風雨聲 夜来 風雨の声
花落知多少 花落つること 知る多少
春の眠り いつしか 夜が明け
あちら こちら 鳥のさえずり
昨夜は ずっと はげしい風雨
花は どれほど 散っただろう
