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『新しい恋愛』と『生殖記』

私の夢は「朝井リョウと雑談すること」だ。

なので擬似雑談として
自分が読んだ本の解説が朝井リョウだとめちゃくちゃ楽しくなる。

ということでどうしても読みたかったのが
この2024年10月の対談。

途中まで読んで「あ、これ感想戦するタイプの対談だ!作品読まなきゃ!」となり
高瀬隼子さんの『新しい恋愛』を読んだ。

表紙がかわいいのでなんとなく
「女性目線のふんわり恋愛短編集かな」と思っていたら
全然違った(笑)。

男性目線も入っていた5編の短編集だった。

・花束の夜 (主人公:女性)
・お返し(男性)
・新しい恋愛(女性)
・あしたの待ち合わせ(女性)
・いくつも数える(男性)

高瀬さんの描く恋愛小説は
「ドキドキワクワクハッピー」ではなく
「うわ〜・・・モヤモヤする」というのが私の感想だ。

ちなみに対談の中で朝井リョウは
「高瀬さんの作品のどこが好きなのか改めて考えてみたのですが、どの属性の登場人物にも人間の悪性みたいなものをまぶしてくれているところなのかなと思いました。」と話していた。
すごい、解像度が高い。

私が作品の中で気になったフレーズも記しておこう。

できる限り早く相手にぶつける勝負みたいな高速詠唱

お返し

これは告白のあとの一文である。
もう、情景が思い浮かぶ。
そうそう、一気に捲し立てて言う感じ。
高速詠唱!!
素敵な表現だな〜。

十代の頃から何度も訪れ、その度に自分の底を浚われたような虚しさを覚えた、あの繰り返し

新しい恋愛

え〜、わかる〜。
いわゆる「恋愛に冷める」みたいなものかと思うけど、分解して丁寧に書いてくれる小説だ。ここ好き。

『いくつも数える』は【歳の差婚】となると、相手がどういう人かよりも、
その数字だけが人の関心のトップになる。
その通り過ぎて気持ち悪かった。(作品を褒めてる)
男と女という性差で周りの受け取り方も異なる、という事象にももやもやして、
恋愛小説ではあるんだけど、人間の二面性を描いている小説だなと思った。

対談は『新しい恋愛』と『生殖記』のことを話しているので
どっちも読んだ後だと、めちゃくちゃ楽しい。

悪いだけの人はいないし、善いだけの人もいない。
一つの事象に、良いと思うときもあるし、悪いと思うときもある。

ダブルスタンダードがダメなことではなく、あるあるのことだから
それを表現していく、というのが
お二人が書いている小説なんだな。



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