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罪と罰の感想 るーすぼーい先生・・・!


罪と罰読みました。相当面白かったです。あまりに順張りな感想すぎる!
「カラマーゾフ」が超絶技巧のハンターハンターみたいな小説だとしたら、罪と罰は幽遊白書ですね。上巻中巻はまあ普通に面白いかなくらいの気持ちでいたら、下巻で全部持っていかれた。

それにしても、るーすぼーい先生は罪と罰が本当にお好きなんですね。
「車輪の国」も「G戦場の魔王」も「無能なナナ」も、全部もう、まんま罪と罰ですがな。
G戦上の魔王のラストも、Close your eyesの歌詞ももう完全に罪と罰のエンディングの話でございましょう。
そういえばこちらの話も懲役8年でしたっけ。

花には風を 土には雨を 僕には愛を そして微笑みを
粉雪がスローモーションで あの頃のキミへと舞い落ちる

どう見てもシベリアに送られたラスコーリニコフに向けた歌なんだよな


というわけで罪と罰の感想です。カラマーゾフと違ってサラサラ読めた。
まずあらすじについてですが、みんな知っている通り、殺人を犯したラスコーリニコフが自首するかしないか迷って行ったり来たりし続けるというのが大まかな流れだし、
実際途中までは、「乳首ドリルせんのかい!」的な読み味ですよ。
だから、俺が面白いと思ったのはシナリオの面白さではなく、
主人公ラスコーリニコフの格差批判と、ドストエフスキーが描くサブキャラの童貞臭です。
ドストエフスキー、童貞を描くのがうますぎる。

ラスコーリニコフの格差批判


いろんなことを思い切ってやれる人間だけが、やつらのあいだじゃ正しいってことになるんだよ。よりたくさんのものに唾を吐きかけられる人間だけが、やつらの立法者になれるんだ。だれよりも正しいのは、だれよりもたくさんのことを思い切ってやれる人間だけさ!
つまり、権力っていうのは、身をかがめてそれを拾い上げようとする、勇気あるものだけに与えられるってことさ。

下巻150Pくらい

ラスコーリニコフは、「権力を得る人」というのは、
(自分の損得のために)誰かに唾を進んで吐きかけられるだけの思い切りがある人のことだと言う。

俺が保証しますがこれは完全に正しい。
権力を得る人、成功する人に必要な資質はこれです。
自分のために他者を踏みつけることが出来る人。
いや、他者だけじゃないよね。自分のために、自分の魂も踏みつける事ができる人(身をかがめる事ができる人!)。
そういう人が富などを手に入れる事ができるんですよ。残念ながらね。
なんで分かるかって?俺がそうだったからですよ。

そんな(他者や自分を蔑ろにする奴であればあるほど「成功」する)腐れきった世界をどう生きるかっていうのがこの作品に通底するテーマですよ。
中学生の頃にもし「罪と罰」を読んでいたら俺は素直にラスコーリニコフに憑依して読み進められたかもしれないが、資本主義に塗れてしまった31歳俺はルージンが気になって仕方がない。

ルージンについて


ルージン

ルージンとは、主人公ラスコーリニコフの妹(ドゥーニャ)と結婚しようとしているオッサンです。
45歳の成金弁護士。「成り上がる」ことを至上命題としてここまでやってきた男。
何故ドゥーニャと結婚しようとしているのか?
それはドゥーニャが美しく、教養があり、そして貧しいからです。
つまりルージンは知性と美貌を持つ女性にマウントを取りたいんですね。
(残念なことに昔の俺の女性の好みはこんな感じだったよ)

さて、ルージンは卑劣漢なので、貧しいドゥーニャに自分が振られることなど無いと確信しています。
だから、彼は完全にドゥーニャをモノ扱いする。
彼女に何かをプレゼントすることもないし、粗末な馬車で移動させるし、
なんなら結婚後はドゥーニャを政略に「利用」しようとすら考えている。

さて物語では、最終的に、ドゥーニャにこの心根がバレ、振られてしまい、退場するわけだが・・・(そして入れ替わりで、スヴィドリガイロフという、ルージンの強化版のような男が、ドゥーニャに入れ込み始めるわけだが)

さて俺の解釈だと、ルージンは本当にドゥーニャのことを好きだったんだろうなと思う。
ただ、人生のあまりに長い時間を「成り上がり」に賭けてしまったせいで、好きな人に対するアプローチの仕方を忘れてしまっていたし、そもそも本当にドゥーニャを好きかどうかもわかっていなかった。
そういうのがルージンの「罪」というわけ。
(ルージンをわかってしまう俺の人生について誰か慰めてくれても良いんですよ)
ただ、致"命"的な罪ではなかったから、ルージンはソーニャに対する無体がバレちょっと制裁されるくらいの罰で済んだ。

妻を毒殺(?)して逃げてきた、ルージンよりモテて(カスのナンパ師みたいなことをしている)金持ちで年上なスヴィドリガイロフは、完全にアウトなので、ピストル自殺せざるを得なかった。そういうことだと思う。

ただ翻って、カスのルージンは、結局社会的地位もまだ残ってるし、金も持っている。
結局現代で幸せに生きれるのは、(残念ながら)ルージンだよね。
人殺しや娼婦になるくらいなら、悪徳弁護士になるほうがマシだよね。
っていうのが、令和8年の現実なのでした。

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